コラム
2025.06.20
「土地がある」にも種類がある

仮に実家に家を建てることが出来る土地があるとしたら、そして、そこに住んでもそう不便じゃないとしたら、新たに土地を購入するのではなくその土地有効利用することをまず考えてみてもいいのではないでしょうか?
ましてや資金計画をした結果、土地を買うと確実にその後の暮らしがしんどくなりそうだとしたら、なおのことそうすべきじゃないかと個人的には思っています。
土地購入費用が丸々浮くとしたら、その分、別のことにお金を使うことが出来るからです。
子供の教育・進学資金とか、趣味・レジャー・旅行費用といった費用にです。
とは言っても、親の近くで住むかどうかということは単純にお金だけの問題ではないと思うので、無理なら無理で割り切って土地を買ってください。
あくまで、買うか買わないかによって、金銭的な負担が減るという話なので、そうすることで心理的な負担がズドンと増えちゃいそうな方は、今回は軽くスルーしていただいてもいいかもしれません。
✔︎どんな土地かで話は変わってくる
では今回は、自分で土地を買わなくていいことを前提として話を進めていきたいと思いますが、とはいえ土地の状況次第によっては、そうする意味がない場合もあったりします。
例えば、そもそも実家の近くの土地を親御さんがあなたのために購入してくれたとしたら、こんなラッキーなことはありませんよね。
その上、水道は引き込まれているわ、加入金も払わなくていいわ、境界もちゃんとで出来ているわとかだと、なおのこと言うことありません。
全くお金がいらないわけですから。
他方、倉庫や古い家が建っている土地を譲ってくれるとしたらまず、その建物を解体しないといけないし、水道がそのまま使えないとしたら新たに引き込み直さないといけません。
また、境界が傾いているとか強度的に問題がある場合などは、建て替えと同時にやり替えないといけません。
つまり、「土地を買わなくていい=土地に全くお金がかからない」というわけではないということなので、手放しで喜ぶのではなくこういった付帯工事に、多かれ少なかれお金がかかるということを理解しておかないといけないというわけです。
さらに、田舎の場合などは、家を建てるために田んぼや畑といった農地を譲ってくれる場合がありますが、この場合は家を建てる敷地の広さに留意しないととんでもないことになってしまいます。
土地の造成費用は、土地が広くなればなるほどより高くなるからです。
とりわけ高いのが残土処分です。
(農地の場合、表土をすきとって別の種類の土を入れ直すため、そのすきとった土の処分をしなければいけません)
また、残土処分費用だけじゃなく、新たに入れる土も体積が増せば増すほど高くなるのは当たり前だし、土地の面積が広がればそれに伴って隣地との境に新設する境界壁も長くなってしまうため、その費用もより高くなってしまいます。
(最後の外構工事費用も、土地が広いほど高くなってしまいます)
この他、農地の場合は、水道が敷地に引き込まれてないため、100%水道引込工事をしないといけないし、農地を宅地に変えるためには、農地転用申請という許可申請を県や市に行わないといけないため、その許可申請費用も別途で必要となります。
そして、これらを合わせると、近くの土地を買うのと変わらないか、あるいは、買った方が安いなんてことも十分あり得るというわけです。
このように単純に土地があると言っても、その土地がどんな状況なのかによって、かかる費用が大きく違ってくるので、そういった隠れた費用も忘れず予算計上しするようにしてくださいね。
そして、その上で家にかける予算を決めていただければと思います。