コラム
2025.07.25
家づくりのコスト削減法(維持管理編)
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ここまで7回にわたって建築費が高騰している中、少しでもローンの負担を減らすために、家づくりにかかるイニシャルコストを圧縮する方法についてお伝えさせていただいたのですが、「資産」は手に入れて終わりではなく持ち続けている限りずっとランニングコストがかかり続けるので、その費用も同時に抑える工夫をしなければいけません。
ランニングコストとは、固定資産税・火災保険・地震保険・光熱費・メンテ費用・家電製品の買替えといった費用です。
ゆえ、これらのことまで踏まえた上で家づくりの計画を立てるべきなのですが、とりわけ、この中でも「光熱費(の中の電気代)」に関しては、生き続けている限り一生かかり続ける費用であるし、その変動幅たるや住宅ローン金利どころの騒ぎじゃないので、その対策を忘れてはいけません。
その対策とは、今や当たり前となりつつある断熱性能の強化をした上で、太陽光発電を設置するということです。
では今回は、太陽光発電を設置した方がいい理由についてお伝えしていきたいと思います。
太陽光パネルを設置していない方や時代の流れについていけてない勉強不足な方たちなどからネガティブな話を聞いたことがある方はおそらく設置に懐疑的だと思うので、今回の記事をぜひ参考にしてください!
✔️売電金額が安いからダメ?
太陽光パネルの設置に後ろ向きである方たちが共通しておっしゃることが、「売電金額が安くなり元が取れないからダメだ!」ということです。
確かに、売電金額は太陽光パネルが普及し始めた10年ほど前と比べると大幅に減りました。
しかし、太陽光パネルが普及し始めた当初と現在とでは、私たちが電力会社から買う電気料金が大幅に高くなっているし、かつ太陽光パネルそのものの価格も大幅に安くなっているため、単純に売電金額だけで考えるのではなくそれを加味した上で設置の可否を検討しなければいけません。
電気料金に関しては以前の昼間の料金が20円代半ばだったのに対し現在の昼間の料金は40円台半ば。
かつ、パネルの価格に関しても以前は1kwあたり60〜70万円だったのに対し、現在は20〜30万円となっているからです。
(メーカーによって価格が異なるため価格に幅を持たせています)
出来るだけ夜に電気を消費し、電気を売ることに注力することで経済効果を得ていた以前に対し、現在は、出来るだけ昼に電気を消費し電気を買わないことに注力することで経済効果を得るという考え方にシフトチェンジすることによって、現在は以前とは全く違う考え方で太陽光パネルの設置を検討しなければいけないというわけです。
✔️太陽光パネルは住宅ローンで払う?
そして、設置を検討する上で間違えていただきたくないことが太陽光パネル費用の返済方法です。
これを住宅ローンに組み込むと、毎月の負担は低くなるものの、返済期間が長くなればなるほど利息の額が大きくなってしまうし、金利が上昇することになればさらに利息の過払いを引き起こしかねないからです。
ゆえ、弊社では太陽光パネルの設置費用は住宅ローンには組み込まず、10年で返済していただくことをオススメしています。
10年返済にすると35年や40年返済の住宅ローンに比べて金利は高くなるものの、返済期間が短い分、利息は思ったより膨らまないからです。
複利は期間が長いほど利息が膨らみやすいという性質を持っています。
かつ、現在のパネル価格であれば、パネルの返済がある当初10年間でも設置しない場合より実質的な支出は減るし、10年経過した後はパネルの返済がなくなり、その恩恵が爆発的に大きくなります。
これまでシュミレーションしてきた事例を平均すると、住宅ローンと同じ期間(35年)で試算すると設置したかしなかったかで600〜700万円ほど手元に残るお金が違うのではないでしょうか。
ざっとアルファードが1台買えるかどうかくらい違ってくるという感じです。
ゆえ、太陽光パネルについても現在に合った考え方を持っていただきぜひランニングコストも圧縮していただけたらと思います。
資源を輸入に頼る日本は、戦争や地政学的な理由による資源(原材料)価格の高騰によってすぐに電気料金が上がってしまうし、今後は自動車のEV化の進行や生成AIの発達によってますます電気使用量が増え、電気料金が上がっていくことが予想されるので、その影響をモロに受けないためにも間違った知識に侵されないように気をつけてください!