窓のつくり方について考える

「最近のおうちは窓が小さいなー」
「最近のおうちは窓が少ないなー」
親御さんも交えて打ち合わせをしていると、
時折親御さんからこのように言われることがあります。

そして、続けざまに
「窓が小さいと家が暗くなるよ」という
意見が飛んでくるわけですが、
では、窓のサイズや数と家の明るさとの間には
一体どれくらい相関関係があるのでしょうか?

こんにちは!
竹上です。

と、その前になぜかここ最近のおうちは窓が小さく、
また少なくなっているのか?

その理由について簡単にお伝えしておきますね。

構造の安定のため


まず、1つ目の理由が構造の安定のためです。

窓がつくところは、耐震壁をつくることが
できなくなってしまいますからね。

ただし、高い耐震壁を持たせるためには、
ただ単純に壁を増やせばいいというわけでもなく、
いかにバランス良く壁をつくることができているのかも
合わせて大切なこととなります。

快適性を高めるため

続いての理由がこれです。

いくら以前に比べて窓の断熱性能が高くなったとはいえ、
壁に充填する断熱材よりも
断熱性能が高いわけではないですからね。

そして、断熱性能が高いおうちの方が、
冷暖房も効きやすく日々心地よく過ごせると同時に
温度差が生じにくいことから、
冷暖房器がより少ないパワーで働くことができるので、
結果、電気料金の節約にもつながります。

家を汚れにくくするため

続いての理由がこれです。
外壁を汚れさせる1番の原因は実は窓だからです。
窓の横から垂れじみがダラーっと
流れている光景をよく目にしませんか?

家の汚れが目立ちやすくなると、
必然的にメンテナンス周期が早まってしまうのですが、
そうなればランニングコストが割高になってしまうので、
よく目につく面は
窓のつくり方に気を付けるべきです。

より収納力を高めるため

最後がこの理由です。
なんの関係があるのか
いまいち意味が分かりませんよね?
でも大いに関係があります。

例えば、3帖という広さの収納の
長手方向の長さは2.6mあるのですが、
この壁面に6段分棚をつくれば、
そこには15.6m分の棚ができますよね?

しかし、換気がしたいからという理由で
この壁面に窓をつくってしまったら、
一体どうなるでしょうか?

その窓の前には何も置けなくなり、
その窓のサイズ分丸々収納が減ってしまう
ということになりますよね?

具体的に、窓のサイズを
横幅1.5m、高さ1mとすると、
1.5m幅×3段分=4.5m分、
つまり約30%分も収納が減ってしまうことになります。

比例しない窓の数と明るさ

そんなこんなで、
ちゃんとした意味を持って
ここ最近のおうちは窓が小さく、
また少なくなっているのですが、
そうなると大事なことが、
窓本来の役割を果たすことができる窓が
つくれているかどうかということです。

つまり、光を採り込み風邪を通せるかどうか、
ということです。

例えば、光が入ってくる方向に大きな窓をつくり、
この窓からたくさんの光を期待していたものの、
そこが外から丸見えだった場合、
そこにはカーテンをせざるを得なくなります。

そうなると、多かれ少なかれ
光を遮ってしまうことになります。
また、場合によってはレースにとどまらず、
遮光まで閉めざるを得なくなってしまうかもしれません。

こんな状態では、
窓の役割を果たしてないと言っても
過言ではありませんよね。

なので、家を建てるときは
周りから家がどう見えているのか
ということまで想像しながら、
間取りとにらめっこしてくださいね。

窓が多ければ多いほど明るいわけでもないし、
窓が大きければ大きいほど明るいわけもありませんが、
カーテンありきの窓つくってしまうと、
窓がより少なく、より小さくなった現在の家は
よりいっそう家の中が暗くなるので、
気を付けていただければと思います。

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