使い勝手VS見た目

弊社が提案する家の特徴の1つに
キッチン裏にガッツリつくる
巨大なパントリーがありますが、
(これです↓)
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その意図は、
リビングやダイニングからキッチンを見たときに、
雑然としないようにするためです。

つまり、通常キッチンの背面に
あることが当たり前とされている冷蔵庫や家電類を、
全てこの収納の中に入れ込んでしまうことで
キッチン周辺に出がちな生活感を滲み出さないようにする
というわけです。

では、今回は
このパントリーをつくった場合の
メリットとデメリットについて
お伝えしていきたいと思います。

何事もそうですが、
デメリットがない万能なものなんて
ほとんど存在しないと思うので、
メリットだけではなくデメリットについても
正直にお伝えしていきたいと思います。

その上で、自分はどうしたいのか
考えてみていただければと思います。

メリット

キッチンの背面に冷蔵庫を置いた場合、
冷蔵庫にペタペタと貼ってしまう
学校や塾の予定表やゴミの日程表などが、
リビングやダイニングから丸見えになり、
これが生活感を滲み出してしまいます。

他方、パントリーの中に
冷蔵庫を置くようにすれば、
リビングやダイニング側から
冷蔵庫の姿が見えなくなるため、
冷蔵庫に予定表や日程表などを貼っても
リビングやダイニングから見えなくなります。

また、同じように
オーブンやレンジや炊飯器をはじめとした
家電類も全てパントリーの中に置くことになるし、
食品ストックなども全て
パントリーの中に置くことになるのですが、
これらも全てリビングやダイニングから
見えないようになるので、
少々雑然としていても生活感が出る心配もありません。

そして、パントリーをつくることによる
1番のメリットが、
リビングやダイニング側から見たとき、
死角の壁ができることです。

丸見えにならない壁があることによって、
予定表や日程表はもちろん、
子どもの名付けや連絡票など
見えるところで管理しておきたい書類関係を
全て心置きなく壁に貼り付けておくことができるからです。

つまり、パントリーという死角となる隠れ部屋を
キッチン裏につくることによって、
生活感が出やすいキッチン周りを
無理なくスッキリ維持しやすくなるのが、
パントリーが担う役割ということですね。

キッチンの背面は、
リビングやダイニングから見たら、
ただのスッキリとした壁になります。

デメリット

しかし、ここで多くの方が悩むことが、
冷蔵庫や家電が裏に隠れてしまうと
遠くて不便になってしまうのではないか
ということです。

確かに、コーヒーメーカーやポットなどは
使う時にキッチンに出してくることもできますが、
簡単に移動できないオーブンレンジなどは、
パントリーの中まで自分が移動していかないといけません。

また、食器などを片付けるのも
パントリーの中になると思うので、
それが面倒くさそうという方もいらっしゃると思います。

なので、振り向いたところに
それらがあってほしいと思う方にとっては、
この大型パントリーは
「良いけど、どうなんだろう?!」
と思ってしまうかもしれません。

冷蔵庫に関しては、
扉の向きが変わるものの位置に関しては、
キッチン背面に冷蔵庫を置く場合と変わらないので、
不便さは感じにくいかなと思います。

もちろん、家電置き場だけキッチン背面につくるという
この不安を解消するアイデアもあるんですが、
これを採用すると、
キッチンの背面の壁に凹凸ができてしまうことになります。

となると、
あくまで見た目の話になるのですが、
空間のスッキリ感が消えてしまうと同時に、
生活感が滲み出やすくなります。
キッチン背面にモノを置けるようにしたことで、
油断すると、そこに何でも置いてしまいやすくなるからです。

LDKのカッコよさは、
リビングやダイニングからがっつり見える
キッチンの背面のスッキリ感にかかっていると言っても
過言ではないと思います。

ということで、
「使い勝手」VS「見た目」という
この甲乙つけがたい難しい問題。
さて、あなたならどっちを選びますか?

家の性質と外構予算

土地と家それぞれに掛けられる
自分にフィットした予算を知り、
かつ、どんな家を建てたいのかを
分かった上で土地選びをすれば、
家にフィットしそうなサイズの
土地を選びやすくなります。

結果、土地にできる無駄な余白を
ミニマムに抑えることができ、
外構工事(庭)にかかるコストを
ミニマムに抑えやすくなるのですが、
外構工事というものは、
建てる家によっても価格差が大幅に変わるという
性質も持っているので、
予算の取り方に注意しないといけません。

例えば、SIMPLE NOTEの家は正面から見ると
装飾のないシンプルな箱となっているため、
このイメージに合わせた庭にしようと思うと、
塀や、アプローチ、門柱、花壇・・・といった
余計な装飾をする必要がありません。

というより、
たくさん装飾をしてしまうと、
せっかくのシンプルで美しい外観が、
台無しになってしまいます。

なので、ほとんどの方が、
車を置くところにのみコンクリを打ち、
残りは全部砂利、という
シンプルな仕上げになってくるのですが、
その結果コストは安く抑えられます。

他方、装飾することによって
デザインを整えているおうちは、
こういうわけにはいきません。
庭も家に合わせてコーデしないと、
せっかくのイメージが台無しになってしまうからです。

となると、
家のイメージに合わせた塀や、門柱、植栽、
アプローチ、花壇・・・
などを装飾することで、
家とのバランスをとっていくことになります。

結果、その1つ1つのコストが
外構工事費を押し上げしていきます。

また、SIMPLE NOTEのおうちは、
プライバシーの担保と防犯性も重視した結果、
外から見たら正面に窓がない
倉庫みたいな家になっているのですが、
この結果、プライバシーの担保や防犯性アップのために
塀や植栽や目隠しを一切する必要がありません。

家の外壁そのものが、
塀のような存在と化しているからです。

したがって、さらに外構工事費用を
カットすることができるということです。

他方、プライバシーが担保されておらず、
防犯性の低そうなおうちは、
つまり、外から家の中が丸見えとなるおうちは、
塀や植栽や目隠しなどによって、
それらを強化せざるを得なくなります。

そして、この結果、
外構工事費用がさらにかさむことになります。

このように、外構工事の予算は、
あなたがどんな家にしたいのかにもよって
大きく違ってきます。

また、これに加えて、
選ぶ土地のサイズを間違えてしまうと
さらに外構工事が高くなってしまうし、
平屋が建つ土地なのに
わざわざ2階建てを建ててしまうのも、
不用意に外構工事を高くする大きな原因となります。

なので、この事実を理解した上で家づくりを行い、
また資金計画を行っていただければと思います。

現地での土地の見方

新しく造られた分譲地の利点は、

・基本的に土地の形が整っていること
・道路幅がゆったりしていること
・水道や排水が整っていること
・隣地との境界が明確なこと
・親子ともに同世代の人たちがご近所さんになること
ですが、基本的に価格が
高めに設定されています。

他方、新しく造られた分譲地ではない場合、
それらの利点のいくつかが欠けていることもあって、
新規分譲地に比べると価格が安いことが多いのですが、
予算的な都合であなたがこっちの土地を
選ばないといけないとしたら、
現地での土地の見方を知っておく必要があります。

では、今回は
こういった土地を選ぶ際に
現地で確認しておくことについて
お伝えしていきたいと思います。

おそらく
・日当たり、形の良し悪し
・浸水しそうな場所かどうか
・近隣の雰囲気や環境
・道路の広さや車の止めやすさ
・学校や職場へのアクセス
などはみなさんチェックすると思うので、
それらは割愛して
コストに直結する部分に絞って
お伝えしていきたいと思います。

境界がどうなっているか?

まず1つ目が「境界」の状況です。
隣地との間に境界がない場合、
境界をつくらないといけないため、
その費用が土地代と別に掛かるからです。

また、境界があったとしても、
塀が古く傾いている場合や
壊れてしまっている場合は、
一旦それらを壊してつくり替えないといけません。

したがって、土地を見に行った際に、
境界がどんな状況なのかまで
チェックしておく必要があります。

そして、不動産屋さんに
これらを売主負担でやってくれるのか、
あるいは自己負担でやらなければいけないのかを
確認しなければいけません。

そもそも境界が明確ではない場合、
境界を明確にするための境界確定を
売主負担でやってくれるかどうかも、
買う意思表示をする前に
確認しておかないといけません。

水道があるかどうか

次に見ておくことが、
水道が敷地内に入っているかどうかです。

過去に入ってた場合は、
水道メーターボックスがあるか、
ここに引き込まれていますよという目印が
現地にあるかもしれませんが、
これも見落とさずに確認するべきです。

もし入っていなければ、
前の道から引き込まないといけないし、
そうなれば、結構な工事代が
別で掛かることになります。

あるいは、敷地内に引き込まれていても
現在の基準を満たしていない場合は、
基準を満たした太さに新たに引き込み直さないといけないので、
この場合も同じだけの費用がかかります。

なので、これも現地にて
チェックすることを忘れないようにしてください。

ちなみに、これは確実に
自己負担でやらないといけない工事です。

道路に側溝があるかどうか

そして、水道ついでに見ておくべきことが
道路の端に蓋がされた溝があるかどうかです。
つまり、排水先があるかどうかですね。

自分が検討している土地に沿って
溝があるなら問題ないのですが、
仮に自分側ではなく道路の反対側にある場合は、
そっちに排水を接続しなければいけないので、
その分水道工事が余分にかかるし、
もし、排水先が見当たらないとなれば、
そもそも建築することができません。

なので、これも水道とともに
しっかり現地でチェックし、
排水先がある場合、
排水のために別で費用がかからないかまで
確認するようにしてくださいね!

多くの地域で、溝を管理している
水利組合という組織があり、
そこに支払う費用が必要だったりします。

見えない費用に注意!

ここまで、境界・水道・排水の3つについて
お伝えしてきましたが、
分譲地とそうでない土地の1番大きな違いは、
この3つが整っていることが当たり前か否かです。

そして、これらが整っていない場合、
例え土地価格が安かったとしても、
場合によってはこれらの工事代によって
土地にかかる総額が新規分譲地より高くなる
可能性もあります。

したがって、この3つを確認し、
これらの工事がもし別途で必要そうなのであれば、
これらの費用を算出した上で、
土地の価格が妥当なのかどうかを
見極める必要があります。

ということで、
見える価格だけではなく、
見えない費用まで知った上で、
価格も含めた土地の良し悪しを
判断していただければと思います。


土地を安く買う秘訣

多くの方が、
新しく造られた分譲地を好んで購入しようとしますが、
この場合、やってはいけないことが、
南向きの土地を買おうとすることです。

理由は簡単。

1番価格が高いからです。
かつ、値段交渉も不可能だからです。

土地探しをするときは、
できれば南向き以外の土地にしていただくことを
推奨しているのですが、
その理由は一体なんなのでしょうか。

日当たりがいい土地をスルーするべき理由

それは、日当たりがいい土地ほど、
想像とかけ離れた家になってしまいやすいからです。

例えば、南向きの土地で南向きに部屋をつくり、
その南面に大きな窓をつくれば、
とっても明るい家の完成を想像するでしょう。

しかし、いざ住みだすと、
そこに設置したカーテンを開けることができません。
中が丸見えになってしまうからです。

結果、室内に十分な光が採り込めず
奥の方に配置した部屋が全て暗くなってしまうし、
同時に、風を家の中に入れることもできません。

また、リビングの外に設けた
ウッドデッキを使えるようにするために、
目隠しや塀や植栽などが必要となり、
外構工事(庭づくり)にコストが必要となります。

つまり、土地を買う時の期待値と
実際得られる成果との間に大きな開きが出てしまう上、
土地に加えて外構工事まで価格が跳ね上がることによって、
経済的な負担をさらに押し上げてしまいます。

他方、土地の日当たりの良さと
家の明るさや心地よさには全く相関関係がなく、
むしろ一見条件が悪そうな土地の方が、
明るくて心地いい家を設計しやすいと
家づくりをする前に知っていれば、
日当たりを無視して土地選びをすることができます。


そして、南向きの土地に建つ家より、
明るくて心地いい家を
南向きの土地よりも価格を抑えながら
建てることができます。

美しく整えられた分譲地がいいという方には、
南向き以外の土地はもちろん、
1番価格が安い土地をおすすめしている次第です。

土地の探し方

推奨している土地の探し方ですが、
資金計画で出た現実的な土地価格の範囲内で、
できるだけ情報を集めて
1つ、1つ現地を見に行くことです。

これは、弊社が実際にやっている方法で、
とにかく良い悪いに関係なく、
その予算の範囲内である土地情報を集めて
それを全て下見した上で、
良さそうな土地を厳選して
ご提案させていただいています。

この方法で土地選びをすると、
リアルに同じ地域で買う分譲地よりも、
数百万円も価格を抑えながら土地を買うことができます。
(場合によっては半値くらいのこともあります)

ただし、この方法をやるためには、
土地を探す前にどんな家を建てたいのかを
ある程度決めておかないといけません。

あなたが家に掛けられる予算がどれくらいなのか?
その予算でできる家はどれくらいの広さになりそうなのか?
平屋が良いのか?2階建てでも良いのか?
などなど・・・です。

これが分かっていると、
そのために必要な土地の広さが
どれくらいなのかがわかるため、
土地探しの依頼をしやすくなります。

そして、集まってきた土地情報に対して、
どんな家になるのかをイメージしながら
下見に行くことができるため、
より土地選びがしやすくなります。

ただ、分譲地ではない土地を狙っていく場合、
境界や水道や排水などを現地でチェックしておく必要があるので、
その点に注意しながら土地を見なければいけないし、
それらに余分な費用がかかる場合が多々あるので、
それらも考慮した上で、
土地の良し悪しや価格の良し悪しを
判断しないといけません。

とはいえ、大胆に土地価格を抑えるためには、
こういった分譲地ではない土地も
視野に入れるべきだと思うので、
どうしても土地を買わなければいけない状況の方は、
ぜひ参考にしてもらえたらと思います。

家づくりの現実と打ち手

昨今、住宅の価格は
原材料費の上昇と税負担の上昇、
そして基本スペックの上昇によって、
上昇の一途を辿っています。

また、それに加えて
インターネットやSNSの普及に伴い
追加オプションがどんどん加わり、
より家の価格が押し上げられていっているのが現状です。

結果、3年前と比べると、
ざっと400万円~500万円くらい
価格差があると感じているのですが、
これを踏まえた上で
私たちが考えなければいけないのが、
今後はどのような家づくりを提案すべきか
ということです。

これまで通りの家づくりをしていたら、
明らかに家を建てる人が背負う負担が大き過ぎ、
これから迎える人生100年時代を
豊かに生きていくことが出来なくなってしまいます。

ということで今回は、
家づくりの負担を下げる打ち手を
一緒に考えていきたいと思います。

家づくりは大きく分類すると
「土地」「家」「庭」
の3つがあるのですが、
まずは、負担額の最大のカギを握る「土地」から
行きたいと思います。

毎月の返済額の基準

今までに何回かお伝えしていますが、
個人的には、毎月のローン返済額は、
ご主人の手取り金額の30%以内に
抑えるべきだと思っています。

家以外にも、子どもの将来や
自分たちの老後のための
積み立てをしていかないといけないし、
家を持ったらそれで終わりではなく、
家を維持していくためにも
それなりの費用がかかり続けるからです。

そして、それらの費用に
奥様の給料は全額飛んでいくと言っても
過言ではないからです。

仮にご主人の毎月の手取りが
25万円だとした場合、
返済額の上限は75,000円ということになるのですが、
この場合、35年ローンで逆算した借入額は
ざっと2650万円になります。

なので、このローン額に
自己資金を合わせた額が
あなたが家づくりに掛けられる
上限ということですね。

では、350万円自己資金があり、
建てる家に2200万円かかるとしたら、
あなたはどのように家づくりをすべきなのでしょうか?

外構工事(庭)に100万円、
地盤改良工事に100万円、
諸経費に150万円かかるとして
考えてみてください。

この場合、土地に掛けられる費用は、
土地に掛かる別途経費も含めて、
450万円ということになります。

なので、土地から買わなければいけない場合、
土地そのものに掛けられる予算は、
350万円~400万円ということですね。

「話にならない!!」
と思われたかもしれませんが、
実は、これが家を建てるほとんどの人たちが
目を向けなければいけない現実です。

経済的な面を重視してみたら、
とてもじゃないけど
土地に1000万円も予算をかけている場合ではないんです・・・
全額、親からの援助でもない限りは。

1000万円の土地を買った場合、
100万円ほど別途経費が掛かると考えると、
ざっと650万円予算が押し上がり、
毎月の返済負担が20,000円くらい
上がってしまいます。

かつ、それは35年もの長い間、
固定されてしまいます。

負担が増えた分、
貯金の原資も減るため
繰上げ返済のために貯金するにしても、
思っている以上にお金も貯まらないでしょう。

それに加えて、今後は
ますます社会保障費や税負担が上がり、
20,000円手取りを増やそうと思うと、
40,000円近く給料が上がらなければ
いけないようになると思うので、
その点から見ても、
住居費の割合を抑えることは大事なことです。

土地を買わないという選択肢

そこで、個人的におすすめなのが、
土地を買わないという選択肢です。
つまり、実家に土地が余っているなら、
そこに建てるということです。

もちろん、
実家に土地が余っていない人は、
土地を買わざるを得ないし、
「親の近くで暮らすのは嫌だな」と
思っている方もいると思うので、
絶対にそうした方が良いというわけではありません。

ですが、「それもありかも!?」と
思える余地があるのなら
もう少し具体的に検討してみても
いいんじゃないかなと思います。

仮に、実家に土地があり、
土地に掛かる負担を
全額親が負担してくれたとしたら、
あなたは丸ごと土地に掛かる費用を
削り落とすことができます。

先程の場合であれば、
2550万円で家づくりをすることができる
ということですね。

また、ご両親の年齢や
仕事状況にもよりますが、
実家の近くに住めば、
お子さんを見てもらいやすくなります。

結果、夫婦そろって
がっつり働き続けることができるし、
お子さんが休んだり早退するようなときも
仕事を休む必要もなくなるでしょうから、
仕事の選択もしやすくなります。

実家に住んだ場合の、
メリットばかり挙げてみましたが
とはいえ、親の近くに住むということは、
逆に言うと生活に干渉される恐れもあるため、
感情的に大丈夫なのかが結構大きいと思います。

なので、その点も夫婦でじっくり話し合った上で、
最良な家づくりの選択を行ってください。

とにかく、土地は
家づくりの予算を最も左右する材料なので、
ここを1番よく考えてから
家づくりを始めてくださいね!