家づくりの3つの基本

外構工事にかかるコストは、
建てる家や土地の状況によって
大きく異なるのですが、
その相関関係をよく理解していないまま
家づくりを進めてしまうと、
終盤で家づくりの予算が
大きく狂ってしまうことになります。

結果、泣く泣く貯金を切り崩すか、
親に援助してもらうか、
中途半端な状態で放置するか、
の選択を迫られることになります。

なので、後からそんな悲惨な状態にならないためには、
外構工事のことまで考えて、
予算、土地、家の計画を立てていかなければいけません。

では、今回は
外構工事の予算が大きく狂わされないために
知っておくべき3つのことについて
お伝えしていきたいと思います。

どれも言われてみると、
「確かにそうですよね!!」と思うことですが、
案外気が付いていなくて、
この3つを原因に工事費用がかさんでしまっているので、
ぜひこの機会に知っておいてください!

土地は広くしない!

当たり前のことですが、
土地を広くすればするほど、
外構工事は高くなります。

なので、新たに土地を買うにせよ、
田んぼや畑を造成するにせよ、
できるだけ土地は小さくすべきです。

ですが、いざ土地を探しだすと、
更地の状態では土地は狭く感じてしまうがゆえに、
土地を広げようとしてしまいます。

また、田んぼや畑を造成する場合は、
「せっかくなので広めにしておこう!」となりやすく、
意味なく広い土地をつくってしまいがちです。

結果、工事面積が広がり、
想定以上の工事見積が出てきて、
後からびっくり(゚д゚)!となってしまいます。

土地に合わせて家を建てる!

土地を広げ過ぎると
外構工事面積が広がるのと同じように、
土地に余白をつくり過ぎるのも、
外構工事面積が広がる原因になります。

例えば、土地面積が60坪もあれば
十分平屋を建てることができるのですが、
多くの方が当たり前のように、
この広さの土地に
総2階建ての家を建てようとします。

もし、30坪の平屋を建てれば、
外構工事面積は残りの30坪だけで済むのに、
ここに上下15坪ずつの2階建てを建ててしまったら、
さらに15坪分外構工事面積が増えることになりますよね?

もっと酷いのは、
平屋を建ててもまだ余り過ぎるくらい
広い土地であるにも関わらず、
総2階建ての家を提案することです。

おそらく、これはそうした方が
家のコストが安くなるから
そういう提案をしているのだと思いますが、
そうすることによって
安くなった家のコスト以上に
外構工事のコストがかかってしまうとしたら、
意味がないと思いませんか?

家と外構は必ずセットで考える!

最後に覚えておいていただきたいことがこれです。

例えば、SIMPLE NOTEのおうちは見た目がおしゃれなので、
庭に華美な装飾を加える必要もなければ、
防犯性とプライバシー性に配慮した住まいになっているので、
目隠しや塀や植栽などをする必要もありません。

結果、最低限の外構工事だけで良いので、
工事費用も最小限に抑えられます。

他方、失礼な言い方にはなりますが、
見た目がおしゃれではないおうちは、
庭に装飾を施すことによってそれをカバーしなければいけません。

また同時に、防犯性とプライバシーが担保されていないおうちは、
目隠しや塀や植栽などによって、
そのどちらも補ってあげないといけません。

となると、外構工事にかかる予算は、
最低でも2倍は違うし、
場合によっては3~4倍のコストがかかることも
決して珍しくありません。

なので、外構工事のコストは、
建てる家によっても違ってくるということも
建てる前に覚えておいていただければと思います。

理想の予算とその実現方法

今や共働きはごく当たり前となっていますが、
共働きであることを前提としても、
毎月の返済額は
ご主人の手取りの30%以内で抑えるべきかなと
考えております。

仮に手取りが
30万円だとしたら9万円以内、
25万円だとしたら7.5万円以内、
20万円だとしたら6万円以内、
といった感じですね。

理由は、家という資産を持った以上、
資産を維持するためには
それなりの費用がかかるため、
その時に備えてコツコツと貯めていかないといけないし、
子どもたちの進学の費用も
コツコツと貯蓄していかないといけないし、
働き続けるために自分への投資も怠ってはいけないし、
豊かな老後を過ごすために
長期積立投資もしていかないといけないからです。

そして、旅行に行ったり、遊びに行くなど
非日常を体験するためには、
まとまった資金が必要になってくるからです。

つまり、こういった費用に
おそらく奥様の給料の大部分が
消えていくことになる可能性が高いから、
できるだけご主人の収入の範囲内で
家づくりをした方がいいということですね。

とはいえ、そんな想いとは裏腹に、
無情にも建築コストは大幅に上がってしまったので、
これから家を建てる方は、
これまでの常識を一掃しなければ、
この作戦を実現するのが難しいのではないでしょうか。

例えば、ご主人の手取りが25万円だとしたら、
あなたが設定すべき毎月のローン返済額は
7.5万円以内ということになりますが、
仮に35年返済でローンを組み、
1%の固定金利を選択したとしたら、
借り入れできる額は2650万円となります。

そして、これに自己資金に合わせた額が、
あなたが家づくりに掛けていい金額となります。
つまり、貯金の一部と親からの援助を
足した金額が300万円だとしたら、
合計2950万円が総予算ということですね。

では、土地と家と庭以外に250万円かかるとしたら、
あなたは残りの2700万円で
どのような選択をするべきなのでしょうか。

土地がない場合、どこで買うべきなのでしょうか。
どれくらいの予算を土地に掛けるべきなのでしょうか。
そもそも土地を買わず、実家の余った土地に
建てさせてもらうべきなのでしょうか。

まずは、ここから夫婦で話し合って
よく考えて決断しなければいけません。

この場合、個人的には土地を買うとしたら、
土地の予算を500万円以内に抑えるべきかなと思います。
そして、庭に50万円、家に2150万円
という予算設定をします。

理由は、子育て世代の家族が
不便なく暮らしていくための家を建てようと思えば、
家にはこれくらいの予算が必要だからです。

とはいえ、この予算で建てられるおうちは、
周りの人に比べて大きなおうちではありません。
むしろ面積だけ聞くと「えっ?」と驚く広さでしょう。
周りの人よりも部屋数も少なくなるでしょうし、
1つ1つの部屋も少しずつコンパクトになるでしょう。

なので、あなたが家に多くを望むのだとしたら、
土地は買わずに実家に余っている土地に建てる
という選択をおすすめします。

そうすれば、土地を買うよりも
土地に掛ける予算を抑えることができ、
家の予算を増やすことが出来ます。

最悪の選択肢とその理由

家づくりをするうえで
最も取ってほしくない行動は、
予算の枠を大幅に超えてしまうような
土地を買おうとしたり、
家を建てようとすることです。

もちろん、共働きであれば
土地と家の予算を両方増やしたとしても、
ローンも組めるし、
たちどころに返済が苦しくなるわけではないと思います。

しかし、その上がった予算を
奥様の収入から補填するとなれば、
必然的に先程申し上げた費用のどれかを
削らなければいけなくなります。

500万円予算が上がったら毎月1.5万円分、
1000万円予算が上がったとしたら毎月3万円分、
何かを削らないといけないということですね。

仮に「つみたてNISA」を利用した
長期積立投資の掛け金を削ることになったとしたら、
35年後には2000万円~3000万円くらい
持っているお金に違いが生じているかもしれません。

なので、行先が不透明な
これからの時代に備えていくためにも、
まずは家づくりの予算を
ご主人の収入だけでやっていけるくらいに設定すること、
そして、その予算の中でどんな家づくりができるかを
自らの選択肢と照らし合わせて、
これまでの常識や周りの意見に振り回されることなく
冷静にじっくりと考えてみていただければと思います。

家づくりに失敗しないための視点

一般的に北向きの土地は日当たりが悪いか
あるいは悪そうなイメージから敬遠されがちです。

実際、南に隣接して2階建ての家が建っている場合、
日中、土地の半分くらいが
陰になっていることが多いのですが、
仮にあなたが、そんな土地に家を建てなければいけないとしたら、
どのような要望を建築会社にお伝えしますか?

北向きの土地で1番課題になるのが、
リビングダイニングキッチンの
明るさをどのように確保するのかです。

南からの光を採るために、南にリビングを配置しても
光は入ってこないでしょうし、
かといって、光を確保するために、
南に隣接する家からできるだけ距離を離そうとしても、
土地にかなりの奥行きがなければそれもできないからです。

また、南から光が採りにくい場合、
東や西から補助的に光を採ろうとしますが、
この場合も、その方向に家が隣接して建っているとしたら、
光が十分に入ってこないし、
逆に家が建ってないとしても
丸見えになってしまうとしたら
カーテンで光を遮断してしまいます。

周りの家の位置関係も確かめながら、
実際暮らし始めたら
どういう状況になるのかまで考えた上で、
間取りを考えていかないといけません。

間取りは単純に動線や使いやすさだけを
考えてつくればいいわけではないので、
これが家づくりの難しいところです。



固定概念がもたらす後悔

そして、北向きの土地の場合、
「南向きで部屋をつくらなければいけない」と思いながら
家づくりをしてしまうと、
家の見た目が悪くなるとともに、
家が汚れやすくなってしまいます。

トイレ、洗面、お風呂などの水回りが北面、
つまり家の正面に配置されやすくなるからです。

水回りが家の正面に配置されると、
窓がたくさん正面にできると同時に、
サイズや位置も不均一なため、
外観のバランスが崩れやすくなります。

また、水回りには換気扇も必要なので、
外観が崩れてしまいます。

そして、この窓や換気扇が、
外壁を汚す大きな原因となります。
窓や換気扇から伝う垂れジミや、
換気扇から出る黒ずんだ汚れが、
家の正面にその数だけできてしまうからです。

結果、見た目が美しくない家になってしまうだけではなく、
非常に汚れも目立ちやすく、
後悔が絶えない家になりやすいというわけです。

なので、北向きの土地で気を付けるべきことは、
「部屋を優先して日当たりの良い場所に配置しなければいけない」
という思い込みを持ったまま家づくりをしないということです。

安定した採光を確保するためには、
隣接する建物から十分な距離を確保する必要があるのですが、
北向きの土地の場合、
単純に部屋を南に配置するだけでは、十分な採光は確保できません。

また、光を阻害する建物がない方向に
窓をつくることによって採光を確保するにしても、
その方向が丸見えになるのだとしたら、
プライバシーの担保のためにカーテンをせざるを得ません。

この問題を解決するためには、
その部屋の役割と使い方をよく考えた上で、
どんな窓をどこに配置するべきなのかを
考えながら部屋の配置を決めなければいけません。

そして、それには
周りの家の位置関係が密接に関係してきます。

ということで、家を建てるときは
単純に動線や使い勝手だけではなく、
こういった視点も持ちながら、
土地選びと間取りづくりをしていただければと思います。

鍵を握るのはバランス感覚

「土地は南向きでいい形にした方が良い」
「家は2階建てにしてできるだけ広くしたほうが良い」

これらの考え方は、
多くの方の家づくりのベースとなっているのですが、
この2つを採用すると、家づくりにかかる総コストが
確実に高くなります。
土地と家にかかるコストがいずれも
割高になってしまうからです。

なので、個人的にはこの2つとは
真逆の道の家づくりを、
つまり、できるだけ予算を抑えながら
家を建てる方法を推奨しています。

必要かどうか再考してみる

年々、共働き世帯の数は増えていっていますが、
その結果、奥様は家事と育児と仕事に追われ、
ホッと一息つく間もないくらい
忙しい日々を過ごしているのではないでしょうか。

なので、現在は家事負担が減るような
家づくりが主流となっているし、
リビングダイニングが仕切りなく1つの空間となり、
対面キッチンになっているのも、
実は忙しい女性にとって優しいつくりなんです。

例えば、キッチンがダイニングやリビングの方に
向かっているということは、
ダイニングで勉強する子供の様子を見ながら、
食事の準備や片付けができるということですよね。

また、リビングで遊ぶ子供の様子を見ながら、
食事の準備や片付けもできますよね。

さらに、広々としたリビングで勉強したり、
遊んでる子供たちの様子を見ながら、
取り込んだ洗濯物を畳むこともできます。

つまり、現在では
スタンダードとなっている対面キッチンは、
忙しい現代人にとって「ながら作業」ができる
ベストな形ということですね。

そして、そう考えると
わざわざ洗濯物を畳んだり
アイロンがけをするためだけにつくる「家事室」は、
別段つくる必要もなさそうな気がしませんか?
わずか3帖という広さだとしても、
100万円前後のコストがかかってしまいます。

また、客間(和室)も
本当に必要かどうか考えるべきではないでしょうか。
というのも、そもそもの問題は、
使ってない時間の方が圧倒的に高いからです。

仮に親御さんが泊まることがあるとしても、
年に数回でしょうし、その時もわざわざ客間で
寝なくても、リビングに布団を敷いて寝るか、
おそらく寝室として使っていないであろう子供部屋に
布団を敷いて寝てもらえばいいですよね。

ということで、ざっと大体200万円ほどかかるこの部屋も
本当に必要なのかどうかを再考していただくと
いいのではないかと思っています。

最大と最小のどちらも考える

仮にあなたが子育て真最中だとしたら、
家族の人数が最大か、最大になろうとしている
タイミングで家を建てている状態です。
また、現在の暮らしが賃貸アパートだとしたら
リアルタイムで部屋と収納の少なさに
苦しめられている状態だと思います。

なので、保険的な意味合いも込めて
少しでも広い家を建てたいとお考えになるでしょう。

しかし、やがて子供たちは家を出て行き、
いつかは夫婦だけでそこで暮らすことになります。
つまり、やがて部屋は確実に余るということです。
なので、最大の時のことだけを考えて
家づくりを計画するのではなく、
いつか訪れる最小になるときのことも同時に考えながら、
家づくりを計画してもらえたらと思います。

家の価格も含め物価が上昇しつつある現在は、
こういった合理的な考え方を持っていただくことが
より大事なのではないでしょうか。