平屋の誤解

前回の記事で、
安全・快適・便利をよりよくするために
弊社が行っている工夫について
お伝えさせていただきましたが、
この3つに共通していた答えが
「平屋にする」ということです。

つまり、平屋にすればよりいい家をつくりやすくなるし、
かつ、家をコンパクトにできれば、
2階建てより割安なコストで建てることができるので、
弊社では、平屋が建てられる土地では
平屋を提案しています。

とはいえ、百歩譲って
たとえ平屋を割安で建てられたとしても
逆に平屋を建てるとなると、
それなりに土地の広さがいるのではないか?
そして、そうなると土地代が高くなり、
結局、家づくりのコストが高くついてしまうのではないか?
と思っている方も少なくないと思うので、
今回はその点についてお伝えしていきたいと思います。

では、具体的に
縦横10mずつの100㎡(約30坪)の平屋を建てるとして、
一体どれくらいの土地が必要なのか考えてみましょう。

自分に必要な土地面積の求め方

この場合、車を置く方向に5.5mとり、
それ以外の方向を全て通路として1mずつとるとしたら、
間口として必要な長さは、
1m+10m+1m=12mとなり、
奥行きとして必要な長さは、
5.5m+10m+1m=16.5mとなります。

なので、12m×16.5m=198㎡(=約60坪)が、
この平屋を建てるに必要な広さということになります。

そして、この場合
車を4~5台置くことができるのですが、
仮にこんなにも駐車スペースが必要ないとしたら
もっと面積を小さくすることも出来ます。

この時に覚えておいていただくといいのが、
車1台あたりに必要な広さは
4.5坪だということなのですが、
仮にあなたに必要な駐車スペースが2〜3台だとしたら、
9坪面積を小さくした50坪強の広さで土地を探してもいい
ということになります。

もちろん、建てる家の大きさや、
土地の形によっては不可能な場合もあるので、
絶対にというわけではありません。
あくまで物理的に可能という意味合いです。

とはいえ、要は50坪あれば
平屋という選択肢がとれるわけなので、
間違えても、平屋を建てたいがために
新規分譲地を2区画買うとか、
やみくもに広い土地を買うなどは
しないようにしてくだいね。

土地代だけではなく、
外構工事代も高くなるし、
ずっと払う固定資産税も高くなってしまいます。

解決すべきは明るさ問題

ただし、平屋を建てるとなると
周りが家に囲まれている場合、
家が暗くなってしまうのではないかという
ネガティブな懸念点が出てくると思います。

駐車スペースが南であれば、
家の中が丸見えながらも
少なからず南からの光が入ってくるので、
その問題も幾分解決されそうですが、
それ以外の土地だと、セオリー通りの間取りでは、
どう考えても薄暗い家になってしまいそうですよね。

先程説明したように
敷地をいっぱいに使って
家を建てるとなればなおのことです。

そこで、家を建てるにあたって
知っておいてほしいことが、
平屋の家で室内に十分な光を採り込むためには
隣家との間に十分な距離が必要だ
ということです。

例えば、すぐ南に家が建っている土地で、
南にリビングを配置しても全く光は入ってきませんが、
南の家の最も遠い位置にある北にリビングを配置してみると、
そして、そのリビングの南に大きな窓をつくってみると、
リビングには南からの光がたっぷりと入ってきます。

つまり、リビングの南に外をつくるということですね。
これが【中庭】です。

すると、必然的に
東に建っている家とも、
西に建っている家とも、
十分な距離をとることができるため、
1日中安定的に光を採り込むことが
できるようになります。

また、南からの光が採れない南に配置した部屋にも、
中庭の壁に反射した光を窓から入れてあげれば、
その部屋も自然光だけで明るさを保つことができます。

これはあくまで一例ですが、
言いたいことが何かというと、
土地に合わせた設計さえできれば、
日当たり問題もあっさりとクリアできるということですね。

なので、たとえあなたが平屋を希望しているとしても、
日当たりを気にしすぎて必要以上に広い土地を買ったり、
南向きにこだわって買う必要は全くない
ということを覚えておいてください。

設計力さえあれば、どんな土地でも
常に安全・快適・便利な家を
建てることができます!!

プラスαの価値

安全・快適・便利の3要素は、
私たち住宅会社が提供すべき最低限の要素です。

まず、1つ目の【安全】とは、
大きな地震からあなたの家族の身を守るということ、
そして犯罪から家族の身を守る防犯性の高さのことですね。

2つ目の【快適】とは、
家の中が明るいこと、
暑い寒いに悩むことなく過ごせるということ、
ゆったり落ち着いて暮らせるといったことですね。

そして、3つ目の【便利】とは、
家事動線がいいこと、
家事の手間や時間が短縮できること、
掃除がラクなこと、といったことですが、
もちろん弊社でもこの3つの価値を提供するために、
それぞれに独自な工夫を凝らしています。

では、今回はその独自な工夫について
お伝えしていきたいと思います。

コストを上げずに質を高める工夫

この3つの要素を高めるにあたり、
弊社が行っている工夫は、
いかにコストを上げずにこれら全てをよくするのか
ということです。

少しいい方は悪くなりますが、
コストを上げながら質を高めるのは、
どこの住宅会社でもできるからです。

また、コストが上がるということは、
その分、あなたの負担が増えることになり、
別の何かが犠牲になるかもしれないからです。

では、1つ1つ具体的にお伝えしていきますね。

まずは【安全】から。
地震に強い家にするために弊社が
推奨していることが、
「平屋」にすることです。
重心が低くなればなるほど揺れにくくなるからです。

その結果、耐震等級3も格段に取りやすくなるし、
2階建ての家では当たり前となっている
「制震ダンパー」もつける必要がなくなり、
これだけでも4~50万円コストを抑えることができます。

そして防犯に関して弊社が行っている工夫は、
間取りを分からないようにすることですが、
これに関しても余分なコストが一切かからないどころか、
むしろ無駄なコストを削ってくれます。

丸見えの大きな窓を隠すための
植栽や目隠しや塀などをつくる必要がなくなるからです。

では、続いて【快適】について。
これに関しては、いい断熱材を使うと共に、
温度差がでにくくなるように2つの工夫をしています。

1つは平屋にすることで、
もう1つはいらない場所を削ることによって
家をコンパクトにすることです。

平屋だと、上下階の温度差ができないし、
家をコンパクトにすれば、
冷暖房の効果が家全体に行き渡りやすくなるからです。
家がコンパクトになれば、
その分、家の価格も安くなります。

また、快適に過ごすためには、
家の中の温度や湿度も大切ですが、
プライバシーが担保されているかどうかも
肩を並べて大切な要素となります。
家の中が外から丸見えだと、
全くリラックスして過ごせないからです。

なので、弊社では
できるだけカーテンが必要ない窓しか
つくらないようにしています。
カーテンがいらないということは、
全く光が遮断されないということなので、
窓をやみくもに増やさなくても、
自然光だけで家の中が明るくなるし、
そうなれば、窓のコストも下がるし、
カーテン代もいらなくなります。

では、最後に【便利】について。
これに関して1番声高に言われているのが、
家事動線だと思いますが、これに関しても、
平屋にすればそれだけで簡単に解決してしまいます。

平屋だと、上下階を行き来する必要がないからです。
動線が悪くなるのは、
上と下を行ったりきたりしなければいけないからです。

片付けに関しても、
平屋にすれば必然的に子供部屋が1階になるので、
それだけでずいぶんと手間がカットできます。
リビングやダイニングが散らかる1番の原因は、
その近くに子どもたちのものを片付ける場所がないことですからね。
誰だって、いつも使うものをわざわざ2階に
持っていくのは面倒くさいと思います。

コストを上げずに安全・快適・便利を実現している理由

以上のように、
弊社では無駄にコストを上げることなく、
より安全で、より快適で、
より便利な家をつくるようにしているのですが、
このような提案をしている理由は、
できるだけ家計の支出を減らすべきだと考えているからです。

今後は、社会保険や税金が上がっていくだけではなく、
歯止めが利かない円安の影響を受けて、
電気料金やガソリン代はもちろん、
全ての物価が高止まりしそうな感じなのに対し、
それに連動して所得が増えていくかというと、
決してそうではなさそうですからね。

したがって、これから先に備えて
できるだけ家づくりのコストを抑え、
少しでも余力資金をつくり
そのお金を積立投資に回していただきたいと思います。

ここまで全て網羅することが、
これからの家づくりに必須なことだというのが、
弊社の基本的なスタンス(考え方)です。

美しい家をつくるたった1つのルール

SIMPLE NOTEの家の特徴の1つに
「窓がないフラットな外観」がありますが、
もちろんこれにもきちんとした理由があります。

1つは、間取りを分からないようにすることで、
防犯性とプライバシー性を高めるため。
つまり、より居住性の高い住まいを実現するためです。

そして2つ目が、窓をはじめとした一切の部材を
正面からなくすことによって
家を汚れにくくするため。
つまり、美しい状態が維持しやすくなれば、
外壁のメンテサイクルが長くなり、
結果、ランニングコストが抑えられるからです。

最後に3つ目が、家がかっこいいからですね。
表向きには言い難いですけどね(;'∀')

家に関しては、
「かっこよさを優先した家=住みにくい家」
というレッテルがありますからね。

とはいえ弊社で建てるお施主様はもちろん、
潜在的にかなり多くの方が、
どうせならかっこいい家にしたいと
内心お考えだと思うので、
今回はかっこいい家をつくるためのルールについて
お伝えしていきたいと思います。

めちゃくちゃ簡単なルールなので、
ぜひ覚えておいてください!

シンプルで簡単なルール

そのルールとは、
「部屋の配置や動線などを指定しないこと」です。

理由は簡単。
そんなことをしたら、
設計士はそれを優先して間取りを
つくらざるを得なくなるからです。
そもそもの要望が、
その土地に合致しているかどうかに関係なく。

例えば、南向きの土地を買ったからといって、
リビングダイニングはもちろん、
寝室も子供部屋も全て南向きでつくってください
などと伝えてしまうと、これだけで描く前から
ほぼ間取りが決まったようなものになります。

1階だと、玄関・リビング・ダイニングが南で、
2階だと寝室・子供部屋が南、
そして、北には水回りと階段がくるといった感じですね。

で、この家がどうなるかというと、
まず、かなり高い確率で玄関の真横に
リビングのエアコン室外機が
置かれることになります。

また、南向きの窓は全て大きな窓になるでしょうから、
パッと見ただけで間取りがほぼ完璧にわかってしまいます。

さらに、洗濯物を寝室のベランダに干すとなると、
いつも周りから洗濯物が丸見えになり、
生活感が漂う住まいになってしまいます。

そして、この住まいは
住居性も決して良いとは言えません。
というのも2階につくった子供部屋は、
子どもが小さいうちは使わないため
リビングが散らかりやすくなるし、
進学とともに子供が出て行ったあとも
別の用途として使いにくいからです。

洗濯も上下を行ったり来たり
しないといけません。
毎日本当に大変です。。。

この他、玄関→玄関土間→ファミリークローゼット
→洗面→リビング(ダイニング)という風に、
通り抜け動線を指定したりするのも、
それだけで間取りを固定してしまうことになるし、
これに関しては、土地の向きによっては、
やるべきではない場合が多々あります。

そもそも通り抜けにすると、
それだけで収納力が大きく低下してしまいます。
(通路を確保しないといけなくなるからです)

そんなこんなで、
勝手に自分自身の中だけで
あれやこれやとつくりあげておかないことが
大事だということですね。
かっこいい外観にするためではなく、
住居性の高い住まいにするためにもです。

あとは設計士のセンス次第!

とはいえ、じゃあ要望を全く伝えない方がいいかというと
そういうわけでもなく、
やりたいと思っていることはしっかり伝えるべきです。
(それによって必然的に間取りが決まってしまうような
要望がNGということです)

しかし、これから家を建てる方に
覚えておいて欲しいことは、
間取りは環境によって決まる」ということ、
そして「外観は環境と間取りによって決まる
ということです。

つまり、間取りはあなたの要望だけでつくるのではなく、
その土地に合わせてつくるべきだということ、
そして、外観はそれによって出来上がった
間取りと環境を配慮しながらつくりあげていくものだ、
ということですね。

後は、設計士さんのセンス次第ですが、
これが居住性の高い住まいとともに、
美しい家をつくるためのたった1つのルールということです!

「賃貸」VS「マイホーム」の盲点

このまま賃貸に住み続けるのか?
いっそ家を建てた方がいいのか?
結婚してからある程度過ぎれば、
誰もがこの2つの選択の間で揺れ動くと思います。

・暮らしがより豊かになること
・電気の自給自足ができること
・住宅ローン金利の中に生命保険が含まれていること
以上の3つの理由から
少しでも早く家を持った方がいいと思っているのですが、
しかし一方で、
持ち方によっては取り返しがつかない失敗となり、
老後はもちろん、これからの暮らしまでも
窮屈になる可能性が高くなってしまうことから、
家を建てずにずっと賃貸で住み続けた方がいい場合も
あるなとも思っています。

ということで今回は、
この2つの比較をリアルな数字を入れつつやっていきたいと思います。

ずっと賃貸という選択肢

では、あなたが
現在支払っている家賃を7万円、
長期積立投資に回せるお金を6万円として、
(貯金ではなくて長期積立投資にしてください)
35年後の状況はどうなっているか
考えていってみましょう。

まず、将来手元に残る不動産という資産は
ありませんよね。
しかし、家を持たない分、
固定資産税や家の修繕費用などが一切かからないため、
これまで通り、ゆとり資金の6万円を
毎月コツコツ積立投資に回すことができます。

そうなると、仮にこのお金が毎年2%ずつ
増えていったと仮定すると、
35年後手元には約5040万円もの
お金が残っていることになります。

なので、仮に将来賃貸物件で
住みにくい状況になったとしたら、
この増えた資金を使って
ご実家をリフォームして住むもよし、
建て替えて住むもよし、
あるいはご実家がない場合は、
住みたい場所で土地を買って家を建ててもよし、
老人ホーム的な所に入ってもよしではないでしょうか。

新築するにしても、
子どもたちは巣立っていると想定すると
家をコンパクトにできるため
割安で家を建てることができるし、
土地を買うにしても
学校のことを考えなくてもいいことから
住む場所を柔軟に考えやすいでしょう。

おそらくそれ以降は、生きている間、
家に手を加える必要もないでしょう。

こういった見方をしてみると、
ずっと賃貸という生活も
決して悪くないとかなと思います。

家を持った場合

では、続いて家を持った場合
どうなるのかを考えてみましょう。

この場合、先程の家賃並みで
家を手に入れようとしたら、
銀行からの借入金額を2500万円前後に
納めなければいけないのですが、
もしこれが無理だとしたら
一体どうなるのでしょうか?

仮に1000万円オーバーの3500万円を
銀行から借りざるを得ないと仮定すると、
家賃よりも3万円も出費が増えることになります。

そして、家を持つことによって
必要となる固定資産税と火災保険、
そして定期的にメンテしていくための
積立費用を合わせると、
毎月さらに3万円程度の出費が
必要になってくると
考えておいた方がいいでしょう。

となると、賃貸暮らしの時より
6万円も毎月の出費が増えるわけですが、
こうなると積立投資をしていく
お金が全くなくなってしまいます。

つまり、家を持ったは良いが
全くお金は増えていかないということですね。

では35年後
一体どのようになっているのでしょうか?

まず、積立投資ができないので、
現金資産はゼロということになりますよね。

続いて、不動産という資産はどうでしょうか?
建物に関しては、価値はゼロですね。
木造建築の償却期間は22年なので、
これを超えると価値はゼロになります。


土地に関してはどうでしょう?
ここは東京や京都ではないので、
今後土地の価値が上がることはないでしょうし、
むしろ下がっていくと考えた方がいいでしょう。

となると、買った値段と同じか、
あるいは幾分価値が下落していると
考えるのが妥当ではないでしょうか。

つまり、仮に買った土地の値段が
1000万円だとしたら、
かろうじて1000万円くらいの
価値が残っているということなので、
売却した場合、それくらいの
現金にはなるということですね。

ただ、この場合土地を売却せず
それなりのリフォーム工事をして
住み続けていくでしょうから、
その費用が必要になりますよね?
キッチンやお風呂やトイレなどの設備品の
入れ替えも含めた大掛かりな工事費用も
必要になります。

となると、500~700万円ほどの
出費が再び必要となるし、
これに加えて1階に
部屋数を増やさないといけないような
家を建ててしまっているとしたら、
さらに増築費用まで必要になってきます。

結果、1000万円くらいの出費が必要となり、
再びローンを組むことになるか、
子どもたちが巣立った後、
できたゆとりで頑張って貯めてきた貯金を
捻出しなくてはいけなくなってしまいます。

これが家づくりのやり方を
間違えてしまった場合のリアルな結末です。

以下がでしたか?
想像したらゾッとする結末だと思いませんか?

というわけで、
こんな結末を迎えないようにするために、
土地探しやプランをする前に
よく考えて資金計画を行うようにしてください。

ポイントは、積立投資の余力を残しつつ
家を建てることができるかどうかですね。

それさえできれば、
絶対に家を持った方が良いというのが
私自身の考えです!!