明るさと開放感の方程式

多くの方がリビングダイニングに求めることが、
「明るさ」と「開放感」だと思います。

そして、その手段として大きな窓をつくり、
天井を高くするのですが、
実はこの2つを採用しただけで、
十分な「明るさ」と「開放感」を
得ることができるとは限りません。

まず、なぜ大きな窓をつくるだけで
十分な明るさが得られないのかと言うと、
基本的にほぼすべての窓が
カーテンありきの設計になっているからです。

つまり、光を採り込むために
窓をつくったにも関わらず、
カーテンで光を遮っているから
家の中が薄暗くなってしまうというわけですね。

そして、大きな窓があるリビングはまだしも
北に追いやられがちなキッチンや、
北に追いやられつつ、
窓のサイズまで小さい洗面などの水回りは、
照明なしでは居られないくらい暗くなってしまいます。

また、天井だけ高くしても、
窓や室内ドアが低いままでは、
天井付近まで光が拡散しないため、
かえって天井付近が薄暗くなってしまいます。

となると、南向きでつくった
リビングやダイニングさえも、
朝から照明に頼らざるを得なくなる
ということですね。

では、開放感についてはどうでしょうか?
朝から夜までずっと
照明に頼り続けないといけない家は、
果たして開放感あふれる住まいなのでしょうか?

視線を遮るために
閉じた状態となったカーテンによって、
全く外が見えなくなってしまうとしたら、
果たしてその空間から開放感を
感じることができるのでしょうか?

カーテンが閉まっているということは、
1面壁に囲まれているのと
変わりないということです。

「明るさ」と「開放感」の方程式

家全体に満遍なく自然光を届けるためには、
まず窓から入ってくる光を遮らないこと、
そして、その光が全体に届くように
しないといけません。

では、そうするためには、
一体どうすればいいのか?

まず、大前提として、
窓は基本的に視線を遮るための
カーテンがいらないようにつくらないといけません。

そして、その上で窓から入ってきた光を
家全体に拡散する工夫を施さなければいけません。

その1つが、
窓と室内ドアと天井の高さを
全て揃えるということです。

こうすることによって、
室内に入ってくる光量が増えるし、
天井付近まで光が拡散しやすくなるからです。

また、
天井とドアの高さを揃えることによって、
空間に奥行きが感じられる視覚効果が得られるので、
窓の高さも相見えて開放感を感じてもらいやすくなります。

そして、光を拡散させるもう1つの工夫が、
内装を白やアイボリーを基調とすることです。

また、床や家具の色なども、
ダークトーンのものではなく、
ライトトーンのものを(オークやメープルなど)
選んでいただくとさらに明るさが増すと思います。

まとめ

リビングダイニングに
「明るさ」と「開放感」を出すためには、
一般的には「大きな窓」+「天井を高くする」
と考えられていますが、
近隣住宅が100mくらい離れているようなところに
家を建てない限り、
これだけでこの2つは実現できません。

一方で、
「カーテンがいらない窓」
     +
「窓とドアと天井の高さを揃える」
     +
「内装を白基調とする」
を全て実現していただくと、
たとえ隣近所が全て家に囲まれていたとしても、
明るくて開放的な住まいを実現することができます。

なので、これから50年以上
住み続けていくであろう住まいを
より良いものにするために、
間違えた方程式ではなく、
この正しい方程式を覚えておいてくださいね!

脱炭素時代に不必要な2つのもの

時代の流れは、
確実に脱炭素へと向かいつつあります。
ガソリン車ではなくEV車。
火力発電ではなく再エネ発電。
そして、新築住宅にも
太陽光発電の設置が義務付けられようとしています。

また、新築住宅には、
脱炭素に向けた重要な取り組みとして、
高断熱化が義務付けられているのですが、
これに加えて間取りの効率化が図れれば、
さらに冷暖房効率が高く、
快適な住まいがつくりやすくなります。

では、今回は
快適な住まいづくりに欠かせない
間取りの効率化について
お伝えしていきたいと思います。

効率化を図ることによって、
快適性が増すだけではなく
それなりにコストカットもできるので
押さえておいてもらうといいと思います。

その前にまずは断熱と気密を強化することで、
どのような効果があるのか?から
簡単にお伝えさせていただきます。

断熱と気密を強化する意味

断熱を強化すれば、
室内が外気の影響を受けにくくなります。
つまり、夏は暑さが中に入ってきにくく、
冬は寒さが中に入ってきにくいということですね。

となると、必然的に冷房や暖房の使用量が減るため、
その分電気料金が安くなるし、
より快適に過ごしやすくなります。

これに加えて気密も強化されれば、
中から外に空気が漏れにくくなり
さらに冷暖房効率が高くなるし、
家全体に出来る温度差を
できるだけ縮めることができるというわけですね。

これが、住宅の断熱と気密を強化することの
メリットというか意味合いです。

そして現在は、断熱と気密が
いずれも強化されているのが
当たり前となっているのですが、
これに加えてある2つのモノをなくせば
さらに冷暖房効率が上がり、
さらに温度差も少なくなり、
さらに快適に過ごしやすくなります。

これができれば、
コストカットできると同時に、
家の使いやすさや住みやすさも
グンとアップするはずです。

なくてもいい場所!?

まず、なくてもいい1つ目のモノが
「廊下」です。
廊下があることによって、
廊下が空気の流れを遮断してしまい、
これが家の中にできる温度差の原因となるからです。

廊下につながるドアって
開けっ放しにしておくと、
なんだか空気が逃げていっているような
感覚になってしまいます。

必然的に空気の流れを遮断する
断熱材的な役割を果たしてしまう
廊下はなくした方がいいというわけです。
せっかく、家全体に空気が循環しやすいように
住宅の断熱と気密を強化していますからね。

もちろん、廊下にも
部屋や収納と同じようにコストがかかっているし、
廊下の分だけドアの本数も多くなり、
それも地味にコストアップにつながります。

そして、もう1つなくした方が
いいモノが「階段」です。

これに関しては、
敷地にゆとりがない場合はなくすことができないので、
あくまで「平屋」が建てられる土地であることかが前提です。

階段がなくなり平屋になれば、
上下階で生じる温度差がなくなります。
(夏は2階が暑く、冬は1階が寒いという
昔の家に「あるある」の最悪の温度差です)

また、2階建ての場合、
各部屋で冷暖房を運転させないと
夏の暑さや冬の寒さに対処できませんが、
平屋で、かつ廊下がない場合、
リビングの冷暖房の空気が
家全体にうっすらと流れていくため、
そもそも2階建てほど温度差が出にくいので、
冷暖房の使用を抑えながらも、
快適な環境をつくることができます。

そして、もちろんこの階段にも、
先程の廊下同様にコストがかかっているので、
(階段には上下合わせて2坪あるので、
最低でも120万円くらいのコストがかかっています)
その分のコストカットもできます。

以上のような理由から、
これからの住宅においては、
「廊下」と「階段」はいずれも
できることならなくした方がいいというわけです。

とはいえ、
「言うは易く行うは難し」で、
この2つをなくすのは簡単そうで、
そう簡単なことではありません。

あなたがお持ちである要望を
叶えることを優先すれば、
必然的にそれらができてしまうからです。

なので、住宅会社で
間取りを描いてもらうときは、
結果的に間取りを指定してしまうような
要望はできるだけお伝えしないようしてくださいね。

これが、よりコストを抑えながら、
より使いやすく住みやすい
快適な住まいをつくる秘訣です!

窓は少ない方がいい理由

「窓を増やせば増やすほど
家の中は明るくなる!」
多くの方が、このように思うかもしれませんが、
残念ながら窓の多さと家の中の明るさには、
ほとんど相関関係はありません。

つまり、やみくもに窓を増やしたとしても
それだけで家の中が明るくなるわけではない
ということなのですが、
この行為は逆に様々なデメリットを生んでしまいます。

例えば、窓が増えれば、
その分窓掃除をする場所が増えます。
ガラスを拭いたり、網戸を拭いたり、
サッシそのものを拭く場所が
増えるということです。

また、それらの窓の多くにカーテンが必要だとしたら、
窓が増えればその分カーテン代が高くなってしまいます。

しかし、カーテンがあることによって
ガラスやサッシの結露に気づきにくくなり、
これがカビを増やす原因になることも
決して少なくないのではないでしょうか。

窓が増えれば、
その分家の断熱性能も悪くなってしまいます。
いくら以前に比べて、
ガラスやサッシの性能が良くなったとはいえ、
壁に入っている断熱材よりも、
断熱性能が良いわけではありませんからね。

そして、断熱性能同様に、
窓が増えることによって悪くなるのは家の耐震性です。

窓があるところは耐力壁にできなくなるので、
窓が増え、逆に壁が減れば、
その分耐震性が悪くなるということですね。

さらに、窓は外壁を汚す1番の原因でもあるため、
窓を増やせば、その分外壁の汚れも目立ちやすくなります。

家の正面に窓をたくさんつくってしまうと、
家の正面が汚れやすくなるので、
外壁のメンテ周期が早まることになるし、
訪問販売のリフォーム会社のターゲットになり、
出費が増えることになりかねません。

この他、窓が増え、壁が減ることによって
収納が減ってしまうという隠れデメリットもあるので、
できる限り窓が少なくなるように設計しないといけません。

もちろん、明るさや解放感を一切犠牲にすることなく、です。

窓が少なくていい家の条件

では、窓を最小限にするためには、
どのようにすればいいのか?

この答えは、
「カーテンありきの窓をつくらないようにする」
ということです。

視線の遮断と共に、
光まで遮断してしまうのが、
カーテンだからです。

視線を遮るためのカーテンが、
必要ない窓をつくることができれば、
その窓からはふんだんに光が入ってきます。
そして、壁や天井に反射して
家全体が自然光だけで明るくなります。

つまり、カーテンありきの窓にしなければ、
やみくもに窓をたくさんつくらずとも
家の中が明るくなるということです。

なので、設計をするときは
方位や環境に配慮しながら、
それぞれに適した窓の形やガラスの種類を
選んでいただければと思います。

外観をシンプルに仕上げる5つの理由

施工事例をご覧いただければ一目瞭然ですが、
SINPLE NOTEの家には正面に窓がありません。

そして、それが家の美しさを際立たせているのですが、
とはいえ、ただ単に美しさだけを追求して
そうしているわけではなく、
そこには、それなりにちゃんとした意味合いがあります。

では、今回は5つあるその理由について
お伝えしていきたいと思います。

結論としては、
この5つが全て絡み合うことによって
住まいにとって大切な
居住性と経済性を高めているというお話です。

理由①汚れにくいから

まず1つ目の理由がこれです。
外壁が汚れる最大の原因は、
窓や換気扇といった外壁から突起した部材です。
窓からダラーっと流れる垂れジミと
換気扇から出てくる黒ずんだ汚れですね。

なので、家の正面にそれらをつくらないことによって
そもそも汚れの原因を排除しているということです。

北が正面になる場合は、
直射日光が当たらない分、
余計に汚れやすいです。

そして、あまりにも汚れが目立つことになれば、
外壁の塗り替え頻度が高くなり、
維持管理コストが高くついてしまいます。

また、汚れが目立つおうちは、
訪問販売のリフォーム業者にも目をつけられやすく、
さらに出費がかさむことになるかもしれません。
(不安を煽られて工事する方向に持っていかれちゃうからです)

そんなこんなで、
建てた後の維持管理費を少しでも抑えるために、
汚れの原因を元から排除しているというわけです。

理由②:間取りが分かりにくいから

そして、2つ目の理由がこれです。
言うなれば泥棒に狙われにくくしている
という感じです。
日本は外国に比べて治安がいいので、
そこまで心配する必要もないかもしれません。

とはいえ、パッと見ただけで
間取りが分かってしまう家より、
どこからどう見ても間取りの想像つかない家の方が、
安心して暮らせそうな気がしませんか?

理由③:プライバシーが担保しやすいから

3つ目の理由がこれです。
家の正面には何も建たないため光も採り入れやすいですが、
その分、視線も入ってきやすいという
隠れデメリットがありますからね。

そして、視線を遮るために
カーテンを閉め切ってしまったら、
家の中が暗くなってしまいますよね。
これに関しては特に注意しなければいけないのが、
南向きの日当たりが良い土地ですね。

南向きの土地の場合、
南から光を家の中にたっぷり採り込みたいあまり、
大きな窓をたくさん正面につくってしまいがちですが、
そうなれば防犯性もプライバシー性も
最悪の状態になってしまいます。
なので、家の中への
光の採り込み方を工夫することによって
家の正面からの採光に頼らなくていいように
している次第であります。

理由④:意匠性を高めるため

ちょっとカッコよく書いてみましたが、
要はデザイン性を高めるということです。
携帯電話や家具や車同様に、
かっこ悪いデザインのものより
かっこいいデザインの方が良いからです。

あくまでこれに関しては、
理屈ではなく感情的な要素となるので、
説明はこのくらいにしておきます。

しかし、デザイン性を高めることは、
実は裏に隠された大きなメリットがあります!

理由⑤:外構費が安くなるから

それが、この最後の理由です。
家のデザインが美しくなると、
庭に装飾をする必要がなくなります。

家そのものが美しい場合、
庭もそれに合わせてシンプルに仕上げた方が、
家をより引き立たててくれるからです。

そしてその結果、
庭の予算を押し上げる余分な工事の
一切をなくすことができます。

また、防犯性とプライバシー性を
高めるための植栽や目隠しや塀などの
余分な工事も一切必要なくなります。

庭に掛ける費用も、
安くなるというわけです。
もちろん、無意味に広い土地を買ってしまうと
この限りではありません。

いかがでしたか?
端的に説明させていただきましたが、
こんな外観にしている理由を
大体ご理解いただけたでしょうか?

とはいえ、間取りが分かりにくい分、
家の中身がどんななのか
いまいち掴めないと思うので、
弊社のおうちを見きてくださいね!