短期的思考と中期的思考

家を建てれば、
隣近所に気をもむことなく
子どもたちをのびのびと
遊ばせてあげられるようになります。

また、子どもたちに自分の部屋を
与えてあげることができるので、
自分の部屋を持てることに
きっと大喜びすることでしょう。

そして、子どもたちが喜ぶ姿を想像すると、
より家を建てることに
わくわくしてくると思いますが、
家を建てるときは
子育て中のことだけではなく、
子育て後のことまで見据えて
間取りを考えなければいけません。

言い換えるなら、子どもたちは
やがて家を出ていく可能性が高いので、
そうなった時に備えて、
子ども部屋は使い勝手よくつくっておいた方がいい
ということですね。

では、これからの暮らしを
時系列で考えてみた上で、
子ども部屋はどうつくるのがベターなのかを
一緒に考えていきたいと思います。

子供たちが小さいうち

多くの方にとって家を建てるときは、
おそらく子どもが小さい時だと思いますが、
では、小さな子どもたちにとって使いやすい部屋とは、
一体どんな部屋なのでしょうか。

例えば、一般的に
子ども部屋は2階につくられることが多いですが、
残念ながら小さな子どもたちは
2階にある自分の部屋を全く使いません。

小さなこどもたちは
親から離れた場所で過ごさないからです。

となると、子どもたちのおもちゃや絵本などは、
自分たちの部屋ではなく、
リビング周辺に置かざるを得ないか、
あるいはそれが嫌なら
1階にもう1つ部屋か大きな収納を
つくらざるを得なくなります。

結果、前者の場合、
リビングが片付かなくなり、
イライラしながら過ごすことになるし、
後者の場合、家づくりのコストが
跳ね上がり、ローンに負担がかかってきます。

一方で、子ども部屋を1階につくると
余分な部屋も収納も作る必要がなくなります。
子どもたちが自分の部屋を使いやすくなるからです。

結果、家づくりのコストを抑えやすくなる上、
リビングが片付きやすくなり、
いつもスッキリした家を保ちやすくなります。

つまり、友達が突然遊びに来ても、
焦ることなく迎え入れることができるし、
散らかった部屋にイライラしながら
過ごす可能性も圧倒的に低くなるというわけですね。

そんなこんなで、
子育て期間中にフォーカスすると、
子ども部屋は1階につくる方が
ベターだというわけです。

思春期を迎えた時

では、子どもたちが成長し、
思春期を迎えたときはどうでしょうか。
この場合、子どもたちのプライバシーが
低くなりそうな気がしますよね。

子どもとして、それなりの歳になれば、
親との距離を取りたくなるものですからね。

なので、自分たちの昔のことを
思い出してか、
この時期に備えて子ども部屋を
2階につくるのが
当たり前になっていると思いますが、
1階に子ども部屋をつくりつつも
それなりにプライバシーをとってあげることもできます。

なので、この時期のことが
どうしても気になる方は、
その旨をお伝えいただければと思います。

この時期に最もフォーカスすると、
幼少期はもちろん、
これから説明する将来にも
困ったことが起きやすくなってしまいます。

歳をとってから

子どもたちが出て行ったあとは、
夫婦2人だけの生活がずっと続くことになります。

そして、時が過ぎ、
やがて誰もが歳をとると思いますが、
この家でずっと暮らしていく以上、
これも想像しておかないといけません。

では、子ども部屋も寝室も2階にある
2階建ての家を建てた場合、
数十年後どのような暮らしになるのでしょうか。
おそらく2階は全く使わないと思いませんか?

また、健康ならいいのですが、
やがて足腰が弱くなったり、
体が不自由になってしまったら
どうなるのでしょうか。

日常生活で支障なく
暮らせるように
部屋を増築せざるを得なくなりますよね。

そんなこんなで、
老後のことを想像してみると、
子ども部屋を1階につくっておいた方が
いいというわけですね。

使わなくなった子ども部屋を、
部屋や収納として使えば、
わざわざ貴重な老後資金を捻出して
増築する必要はありません。

家づくりに必要な柔軟な思考

このように考えてみると、
子ども部屋は2階につくるより、
1階につくった方がいいかなとか
1階につくるのもありかなと
思っていただけたのではないでしょうか。

これは
あくまで一例ですが、
実は、家づくりには子ども部屋の考え方のように
なぜか勝手に決めつけてしまっている
セオリーというものがいくつもあります。

そして、それらは家づくりの範囲を大幅に縮め、
さらに暮らしにくさをつくりだす原因になっていたり、
コストがかさむ原因になったりします。

なので、人から聞いた話を鵜呑みにし、
そのまま実行するのではなく、
こういった視点でも考えた上で、
家づくりをしていただけたらと思います。


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