家づくりの税金について

家を所有すると2つの税金がかかります。
1つは「不動産取得税」、
もう1つが「固定資産税」です。

いずれも地方税と呼ばれる税金で、
不動産取得税は、土地・建物を
取得した時だけにかかる長野県に払う税金であり、
固定資産税は、土地・建物を所有している限り
ずっとかかり続ける各地方に払う税金です。

こんにちは!
小笠原です。

今回は、あまり存在を知られていないというか、
いきなり納付書が届いて、驚いてしまうことが多い
不動産取得税についてお伝えしていきたいと思います。

結論から申しあげると、
この税金は、新築マイホームの場合、
よほど広い土地を買うとか、
よほど大きな家を建てない限りは、
0円または微々たる金額です。

そんなこんなでついつい、
説明し忘れてしまいますが、
土地を買った数か月後に、
自宅に身に覚えのない税金の納付書を見て
焦って連絡があります。
ぜひ、この税金のことを覚えておいていただければと思います。

不動産取得税について

まず、この税金は
土地・建物それぞれの固定資産税評価額に対して、
3%の税金がかかると言われています。

(本来は4%のようなのですが、2024年3月31日の取得までは
特例で3%のようです)

固定資産税評価額とは、
各市町村が算定する固定資産税の基準となる価格のことで、
実際の売買金額ではなく、
土地の場合、時価の7割程度で、
建物の場合、時価の5~6割程度が目安とされています。

つまり、実際の土地価格が1000万円だとしたら
評価額は約700万円で、
実際の建築費が2000万円だとしたら、
評価額は1000万円~1200万円ということですね。

でも、この不動産取得税は
新築マイホームを購入するにあたっては、
単純にこの評価額に先程の税率を掛けるのではなく、
土地・建物いずれにも軽減措置があり、
それらを控除して計算するようになります。

土地の場合は、そもそも評価額の2分の1が課税標準額になってる上に、
A:45,000円
B:土地1㎡当たりの価格×2分の1×住宅の床面積の2倍
×税率(3%)
(*住宅の床面積は200㎡が限界)
A・Bのいずれか高い方が税額から控除されるし、
建物の場合は評価額から1200万円が控除されます。

文字で見ると少し難しい感じがしてしまうので、
分かりやすく
200㎡(約60坪)の土地を1000万円で購入
100㎡(約30坪)の家を2000万えんで建築したとして
計算してみましょう。

この場合、土地の評価額は700万円となり、
建物の評価額は1200万円となります。
(1000万円~1200万円の間くらいです)


では、税額はどうなるのかというと、
土地→700万円×2分の1×3%-105,000円=0円
建物→(1200万円-1200万円)×3%=0円
となります。

よほど広い土地を買うとか、
よほど大きい家にしない限りは、
ほぼほぼ不動産取得税はかからない
(かかっても知れている)
ということを覚えておいててもらえたらと思います。

とはいえ、土地の不動産取得税の軽減措置は、
家が建っていることが前提であるため、
まだ家が建ってない状態だと
軽減措置がなされていない納付書がどうしても先に
届いてしまうので、
その時は一旦納付して、
家ができた後に還付してもらうか、
あるいは納付先である税事務所に連絡して、
指定の書類を持っていくことで
免除してもらうのいずれかを選択していただくようになるので、
それも一緒に覚えておいてくださいね!

60坪の土地に建つ家

土地の固定資産税額は、200㎡(約60坪)までは
6分の1なのに対し、200㎡を超える部分は、
3分の1となっています。

つまり60坪を超えてしまうと、
超えてしまった部分に関しては、
固定資産税額が倍に跳ね上がってしまいます。

仮に土地の評価額が
坪あたり15万円の土地が100坪あるとしたら、
15万円×60坪÷6=1,500,000円
15万円×40坪÷3=2,000,000円となります。

つまり、60坪以上の土地は
固定資産税額が割高になってしまうので、
この観点からしても
土地を購入する目安としては、
60坪を最大とすることをおすすめしています。

こんにちは!
松岡です。

今回はそんな60坪の土地には
どんなおうちが建つのかについて、
お伝えしていきたいと思います。

これまで同様に、
「家の周囲には約10坪の余白が必要だ」と
「車1台につき約4.5坪必要だ」という
2つの前提条件をベースに考えていきたいと思います。

車を4台置きたい場合

この場合、駐車スペースには
4.5×4台=18坪が必要となり、
これに加えて家の周囲の余白が約10坪必要となるので、
合わせて28坪が家以外に必要になります。

そして60坪から28坪を差し引いた、
残り32坪を家に使うことができます。
帖数に換算すると64坪ですね。

これまで同様に
玄関ポーチ:1帖
玄関:1帖
玄関ホール:1帖
LDK:16帖
トイレ、洗面:1帖ずつ
脱衣場、お風呂:2帖ずつ
必要だと仮定して、
残りの39帖をどうつくるのかを考えてみましょう。
(平屋1本で考えていくので今回も階段を省きます!)

まず、寝室に6帖、寝室用のクローゼットに3帖、
次に子ども部屋を4.5帖ずつ2室と、
クローゼットとして合計1.5帖取るとしたら、
残りは19.5帖となります。

続いて、
玄関収納に2帖、パントリー収納に4帖とるとします。
そうなると、残りは13.5帖になるのですが、
ここから仮に中庭を7.5帖つくったとしても、
まだ6帖ものスペースを何かにつくことができます。

畳コーナーをつくりつつ、書斎をつくるとか、
または畳コーナーや書斎がいらないのであれば、
その分、納戸(収納)をつくるとか、
いつも室内干しされるのであれば脱衣室を広げるとか
といった感じになります。

かなり、フレキシブルに
間取りを考えることができそうですね。



大切なことは広く買い過ぎないこと

このように、60坪広さがあれば、
ゆったりとした平屋を建てることができるし、
置く車の台数がもっと少なくていいのであれば、
さらに広々とした平屋を建てることもできます。

そもそも地域的に、もっと広い土地が
売ってない場合は仕方ありませんが、
そうでない場合は、たとえ平屋を建てる場合でも
これ以上の広さの土地を購入する必要はありません。

理由は、そもそも土地費用が高くなってしまうからです。
そして、土地が広くなり余白ができれば、
外構費用が高くなってしまうからです。

さらに冒頭でもお伝えしたように、
土地にかかる固定資産税が高くなってしまうからです。

つまり、イニシャルコストが高くなると同時に、
ランニングコストまで高くなってしまい、
負担が大きくなるからですね。

また、、それと同時に庭の維持管理にも
余分な手間とコストがかかってしまいます。

ということで、
少しでも土地を広く購入したい気持ちも分かりますが、
やみくもに広い土地を買わないように
気を付けていただきたいと思います。

家づくりを無理のない予算で
行うためには、
土地や、外構費用を
どれだけ抑えられるかにも、
家の費用をどれだけ抑えられるかと
同じくらい大切なことです。

土地探しは、予算とどんな家が建てたいのかを
知ってから始めても決して遅くないので、
焦ってフライングしないように
気を付けてくださいね!!