設計図の盲点

最近は3Dで立体画像を見ていただきながら
プランの説明をしているので、
家のイメージがつかみやすくなったと思います。

外観についても、360度回転しながら見ることができるし、
内観も、まるでそこに居るかのよな状態で
見ることができるし、
光の入り具合も、月ごと、そして時間ごとに見ていただけます。

こんにちは!
小笠原です。

現在家を建てている方は家が仕上がった時、
「なんか思っていたのと違う・・・」
という状況に遭遇することが
ほとんどなくなったと思いますが、
とはいえ、この立体画像にも盲点があるので、
今回はその点についてお伝えしていきたいと思います。

表示されない部材がある

実は、立体画像には実際あるものなのに
表示されない部材がいくつかあります。
(設計図の立面図にも表示されません)

・エアコンの室外機
・エアコンの配管
・水回りの換気扇
・給湯器
・雨樋
などです。

なので、立体画像を見るときには、
これらが一体どこに配置されるのか想像しながら、
注意深く外観を見なければいけません。

例えば、北向きの土地の場合、
一般的に水回りを北に並べて
配置することが多いのですが、
そうなれば、玄関と同じ面にたくさんの窓とともに、
たくさん換気扇があらわれます。

そして、そうなると
窓から垂れジミとともに、
換気扇からの黒い汚れが
正面の壁に付着することになります。

北面は太陽の日が当たらないため、
汚れやすいだけではなく
汚れも分解されにくいです。

また、水回りを北に配置すれば、
その近くに給湯器を置くことになるので、
家の正面に給湯器が出てきてしまう
なんてことも珍しくありません。

これらの結果、余分な部材によって
不細工な仕上がりになってしまうとともに、
家が汚れやすくなることで
よりいっそう不細工になりやすく、
メンテナンスに余分なコストが
かかりやすくなります。

次に南向きの土地の場合、
日当たりの恩恵を最大限享受するために、
玄関と共に、リビングやダイニング、
そしてキッチンまで全て南向きで
間取りをつくっているおうちがたくさんありますが、
この場合、まず玄関のすぐ横に、
リビングの室外機があらわれてくることになります。

また、この場合、 
キッチン脇に勝手口をつくった方が
ゴミ出しが便利なので、
必然的にキッチン脇にドアがつき、
そうなれば外には勝手口の下り段ができることになります。

そして、そこには壁付けの照明と、
雨をしのぐための庇がつga
くことになり、
また、ゴミやゴミ箱が並べられることになるので、
正面の景観悪くなると同時に、
それらの正面の壁を汚す原因となります。

設計図を見るときの注意点

間取りはとても大切ですが、
かといって間取りばかりに夢中になって
外観を厳かにしてしまうと、
このような残念な結果になってしまいます。

そして、これらに
後から気づくのですが、
気づいた時には「時すでに遅し」です。

なので、提案してもらっている設計図を見るときは、
エアコンや換気扇がどこにつくのか、
雨樋がどのようにつくのかまで
意識しながら見るようにしてみてください。

また、それと同時に
部屋の窓から外がどのように見えるかと、
外から部屋の中がどのように見えるかを
想像しながら見るようにしてみてください。

単純に障害物がないからと
大きな窓をつくっても、
そこが外から丸見えになってしまうのでは、
結局カーテンが開けられなくなり、
せっかくの光を殺してしまうことになるからです。

想像力が必要となるので、
難しいと感じるかもしれませんが、
これらのことは動線や使い勝手に
匹敵するくらいとても大切なことです。

なので、今回の内容を頭に入れていただきつつ、
間取りばかりに夢中になりすぎず、
もっと家全体を見ながら
家づくりをしていただけたらと思います。

大きさの固定概念

一般的には35~40坪くらいが
家の適切な大きさとして認知されています。
そして、実際それぐらいの大きさのおうちが
たくさん建っているので、自分自身も
それくらいの大きさの家を
建てようとお考えになると思います。

現在住んでいる賃貸は、
収納は少ないし、部屋数も少ないしで
荷物が納まらなくて
うんざりしていませんか?

せっかく家を建てるのなら、
部屋や収納に困らない家にしたいと
思うのが普通ですもんね。

こんにちは!
松岡です。

とはいえ、実際のところは
そこまで面積はいらなかったりします。

ということで今回は、
その理由を家の大きさを分解しながら
お伝えしていきたいと思います。

36坪の間取りとは?

現在建てられているおうちの多くは、
1階と2階の大きさがほぼほぼ等しい2階建てのおうちです。

そうなると、このおうちの1階と2階は
それぞれ18坪ずつということになり、
これを帖数に換算すると
36帖ずつということになります。

(36帖の1階を分解)
・玄関&ホール:2帖
・玄関土間収納:3帖
・LDK:16帖
・和室:6帖
・収納:1帖
・洗面脱衣:3帖
・トイレ:1帖
・風呂:2帖
・階段:2帖(うち1帖階段下収納)
*リビング階段を前提

(36帖の2階を分解)
・階段:2帖
・廊下:3帖
・トイレ:1帖
・寝室:10帖
・ウォークインクローゼット:3帖
・子供部屋:6帖×2室
・クローゼット:1帖×2室
・書斎or納戸:3帖


一般的にはこういった感じになるかと思います。
では、ここからちょっと突っ込んで
考えていってみたいと思います。

平屋が高くない理由

仮にあなたが家を建てる土地が
55坪以上あるとしたら、
そこには平屋を建てることができます。

そして、平屋を建てるとしたら、
先程からいらなくなるものが出てきますよね?

階段・2階のトイレ・2階の廊下です。
そうなると8帖分家が小さくなります。

また、全ての部屋と収納が
1階にある平屋の場合、
和室も必要なくなります。
自分たちの部屋をフル活用できるため、
わざわざ余分な部屋をつくる必要がなくなるからです。

子どもたちのものは子ども部屋に片づければいいし、
自分たちのものも寝室に片づければいいし、
そうなればLDKをいつもきれい状態で保ちやすく、
来客をLDKに招くことができるからです。


ということで、
和室の6畳も省くとすると、
合計で14帖(7坪)省くことができます。

つまり、2階建てという選択肢ではなく、
平屋という選択肢にしてみただけで、
家の大きさは36坪から29坪まで縮んだということですね。

もちろん、なにかに不自由することも無ければ、
むしろ使い勝手が格段によくなったうえで、です。
全ての部屋と収納が同じフロアにあることによって、です。

となると、
実は建築コストも安く納まりやすくなります。
仮に36坪の2建てが
坪60万円で建てられるとしたら、
建築費は2160万円になりますが、
これが平屋となることによって、
坪単価が10万円上がったとしても、
建築費用は2030万円になるわけですからね。

そんなこんなで結論

一般的には、
35~40坪くらいの家を建てることが
当たり前となっていますが、
建てる家を「平屋」にすれば、
ざっと計算しただけでも、
7坪くらい小さくなりますし、
もっと突き詰めて考えていけば、
さらに3~5坪くらい小さくしても全然問題なかったりします。

そして、そうなると
更に建築コストを抑えることができます。

なので、居住性という観点でも、
そして経済性という観点でも、
これからの暮らしの質を高めたいとお考えであれば、
家の大きさの固定概念に縛られることなく
家づくりをしていただければと思います。