面積が重要じゃない理由

家を建てる多くの方が、
35坪くらいの家にしたいと
おっしゃるのですが、
ほとんどの方にその広さは必要ありません。

というわけで今回は、
家の広さが35坪も必要ではない理由について
お伝えしていきたいと思います。

では、まずは35坪という広さの家が、
どれくらいの家なのかを解剖していきたいと思います。
その上で、これっていらなくない?
という流れで進めていきますね。

最もポピュラーな家の内訳

35坪の家を総2階建てとするならば、
(1階と2階の面積が同じ家です)
この家は1・2階それぞれ17.5坪ずつとなり、
これを帖数に変換すると35帖ずつです。

そして、それぞれのフロアに必要な
部屋と広さを当てこんでいくと、

(1階)玄関・ホール2帖、土間収納3帖、
LDK16帖、階段2帖、水回り6帖、和室(洋室)6帖

(2階)階段2帖、廊下3帖、トイレ1帖、
寝室10帖、ウォークインクローゼット3帖、
納戸(リモート部屋)2帖、
子ども部屋7帖(クローゼット含)、
子ども部屋7帖(クローゼット含)

といった感じになります。

おそらく、等身大と謳われているモデルハウスや
完成見学会でご覧になる家の多くが
こんな感じではないでしょうか?

では、仮にあなたが資金計画の結果、
ここから家の予算を削らないといけないとしたら
この中の何をどのように削ればいいのでしょうか?

住みやすさや使いやすさを
一切損なうことなく、
また将来も困ることなく暮らし続けられる家に
するためには、
どのように考えればいいのでしょうか?

用途を特定しない

まず、考えるべきことが、
部屋の用途を1つに絞り込まないということです。

例えば、この家では1階に
LDKとは別で部屋を1つつくっていますが、
その理由は、子どもたちが小さいうちは、
この部屋をおもちゃ置き場や遊び場にしようと思っているから、
そして、親御さんが泊まりに来た時に使ってもらえるから、
さらに、老後2階に上がるのが億劫になった時
寝室として使えるから、
この3つではないでしょうか。

しかし、こう考えれば、
この部屋を丸ごと削ることができます。
「子ども部屋をあえて1階につくる」と。

2階建住宅がまだまだ当たり前の中
この発想は一見非常識に感じますが、
こうすれば、子どもたちのおもちゃ置き場や
遊び場を子ども部屋と別につくる必要がなくなるし、
親御さんが泊まるとしても
この部屋を使ってもらえます。

また、子どもたちはやがて家を
出て行くでしょうから、
老後、その部屋を寝室や、
あるいは別の用途として使えるようになります。

そんなわけで、発想1つで
和室(洋室)を6帖丸ごとカットすることが
できるというわけです。
もちろん、この部屋がなくなったことで
不自由になることもなく。

また、この発想は2階にできる廊下も
カットできます。
子ども部屋が1階になれば、
廊下から出入りする部屋が少なくなるからです。
ということで、この発想の副産物として
2階の廊下も2帖カットしますね。

適切な部屋の広さ

では、続いて部屋の広さについてです。
言及するのは寝室と子ども部屋です。

部屋の広さを考える時に、
想像してもらいたいことが、
・その部屋で過ごす時間とタイミング
・その部屋にどんな家具を置くのか?
の2つです。

まずは寝室からいきますが、
寝室で過ごすのは、
おそらくというか確実に「寝るときだけ」
ですよね?
そして置くのはベッドだけですよね。

併設してウォークインクローゼットがあるため、
荷物は全部そこに置くでしょうし、
もはや部屋にテレビすら必要ないかもしれません。

なので、ただ寝るだけの寝室には
10帖もとる必要はないんですよね。
ということで、あっさりと4帖削り
6帖という広さに調整したいと思います。

子ども部屋に関しても
寝室同様にそれだけの広さが必要なのかを
考えるべきなのですが、
合理的な判断をする上で知っておいてもらいたいことが、
「子供たちはいつか家を出て行く」
ということです。
つまり、LDKや寝室とは違って、
いつまでも1つの用途で使わない部屋ということですね。

なので、そこにどんな家具を置くのかも
踏まえた上で、
広さを考えていただければと思います。
面積は価格に直結しますからね。

そんなわけで子ども部屋に関しても
6帖ではなく4帖半で十分ではないでしょうか?
部屋と別にクローゼットもありますからね。

住みやすさが損なわれると感じますか?

ここまで考えてきたことを
全て合計すると実は面積が7.5坪小さくなります。
つまり、35坪から27.5坪まで縮まったわけですが、
では、そうなったことで
住みやすさが損なわれるでしょうか?
使いやすさが損なわれるでしょうか?

決してそんなことありませんよね。
このように、部屋のつくり方や使い方、
そして間取りの発想1つで家づくりは
大きく違ってくるので、
家を建てるときには
「〇〇坪は欲しい」と決めたり、
家の価値を面積で計るようなことは
しないでくださいね!

では、家の話は一旦ここまでとして、
次回からは土地の話をしていきたいと思います。

住宅ローンよりも恐ろしい電気料金

家を建てる時、太陽光発電を設置した方がいいと思っているのですが、
10年前に比べて随分と買い取り金額が下がったことから、
設置しても採算が合わないという理由で
後ろ向きな方もけっこういらっしゃるのではないでしょうか。

また、10年もしたら発電が悪くなるとか、
廃棄処分料が高いとか、
廃棄が環境に悪いという話を人から
聞かされたことで、
設置に後ろ向きになっている方もいらっしゃることと思います。

しかし、仮にあなたがこれらを理由として設置せず、
結果的に35年後手元に残るお金が設置した方より
400万円以上少なくなってしまう可能性が高いとしたら、
一体どちらの選択をされるでしょうか?

というわけで、
今回は賛否両論ある太陽光発電について、
お伝えしていきたいと思います。

電気代が高くなっている2つの理由

太陽光発電を設置した方がいい理由は、
電気代が高くなっているからと、
今後さらに高くなっていく可能性が高いからです。

電気代が高くなっている理由は、
1つが売電金額の原資となるお金を電気代に加算して、
国民全員が払わされているからです。
電気料金の明細をご確認いただくとわかりますが、
「再生可能エネルギー賊課金」と書かれている項目ですね。

そして、この賊課金は
売電制度が始まって以来毎年値上がりし続けていて、
電気使用量が多い家庭では、
実は月3,000円~4,000円も電気代にプラスして
この賊課金を払っています。

2つ目の理由は、
そもそもの電気料自体がどんどん高くなっているからです。
10年前に比べて3倍くらいに上がっています。

この理由は、ざっくり言うと
発電コストが安い原発が東日本大震災をきっかけに
停止になってしまったからなのですが、
加速する脱炭素の流れからすると、
電気代はさらに高くなっていくと
考えた方がいいのではないでしょうか。

脱炭素の目標を実現するためには、
火力発電の比率を大幅に減らし、
再生可能エネルギーの比率を
増やしていくことになるのですが、
再生可能エネルギーは
発電コストが火力発電より高いからです。

では、仮に今後電気料金が毎年3%ずつ
上がっていってしまうとしたら
一体どうなるのか?

恐ろしいことに24年後には
電気料金が2倍になります。
「さすがにそれは絶対にありえない!!!」
と思った方もいらっしゃると思いますが、

リアルにそれぐらいの比率で、
電気代が上がっているのが現実です。

そんなわけで、太陽光発電は
高騰していく電気を電力会社から買わないようにするために
設置しなければいけないというわけですね。

省エネ住宅だけでは無意味

巷では、省エネルギー性を高めることによって
電気料金を抑えるという提案が普及してきていますが、
実は、家の性能を高めただけでは、
電気代はほとんど安くなりません。

家庭に占める電気使用量の中で、
エアコンをはじめとした冷暖房機器が占める割合は、
わずか10%にも満たないからです。

つまり、仮に電気代が毎月平均15,000円だとしたら
そもそも冷暖房機器には
わずか1,500円しかかかってないということですね。

なので、断熱を強化しこの電気代が20%カットできたとしても、
それこそ採算が合わないのではないでしょうか。
毎月に換算すると300円の節約効果ですが、
断熱強化にはこれ以上のコストが確実にかかるはずです。

そんなわけで、省エネ住宅は快適な住まいには
してくれるものの、
決して電気代を安くする家ではないということを、
覚えておいてもらえたらと思います。

かつ、高騰する電気代を抑えるためには
太陽光発電の設置が必須であることも覚えてもらえたらと思います。

太陽光発電だと冷暖房機器はもちろん、
給湯器や冷蔵庫、照明、テレビといった
全ての電気をまかなうことができます。

もちろん、設置方法や載せるパネルの品質、
そして建てる家によって享受できる経済効果の恩恵は
バラバラですが、
まずは太陽光に対する偏った見方だけは頭の中から
取り除いてください。

太陽光パネル自体の保証も25年もあるし、
パワコンの保証も15年もあり、
たった1年しか保証がない食洗機やIHクッキングヒーターなどの
電気製品とは比べものにならないくらい手厚い保証証がついてきます。

参考にしてみてください!!

住宅ローン選びで大事な2つのコト

家を建てるとなれば、
ほとんどの方が、住宅ローンを利用すると思いますが、
この住宅ローン金利は高いより、
安いに越したことありませんよね。

仮に3000万円借りるとした場合、
0.6%という金利で貸してくれるのと、
1.2%という金利で貸してくれるのとでは、
毎月の返済が8,302円も違うし、
利息を35年トータルすると、3,486,840円も違います。

そんなわけで、多くの方があっさりと
安い金利を選んでしまうのですが、
果たしてほんとに金利は安い方がいいのでしょうか?
そこに落とし穴はないのでしょうか?

では、今回は貯金・保険の話に引き続き、
住宅ローンのことについてお伝えしていきます。

理解しておくことはたった2つだけ

住宅ローンで知っておくべきことは2つです。
1つが住宅ローンの種類とそのメリットとデメリット。
そしてもう1つがそれを踏まえた上で
あなたがどれに向いているのかということです。

まず住宅ローンの種類ですが、
大きく分けると
「変動金利」と「固定金利」の2つがあります。

変動金利とは、文字通りで途中で金利が変動するローンで、
固定金利はその逆で最後まで金利が変わらないローンです。

「フラット35」という住宅ローンが固定の代表的な商品ですね。

ちなみに地方銀行が取り扱っている
変動金利の住宅ローンは、
「3年固定」とか「10年固定」と
パンフレットに書かれているため、
固定と誤解しそうになるのですが、
変動金利なので間違えないようにしてください。

では、まずは「変動金利」について
分かりやすく説明していきますね。
先程の3年固定や10年固定ですね。

これらの最大のメリットは、
固定金利よりも金利が安いということです。
つまり冒頭でもお伝えした通り、
同じ金額を借りるとしたら
毎月の返済が安くなるというわけですね。

そして、返済が終わるまでずっと
固定よりも金利が安い状態が続いた場合、
固定に比べて圧倒的に利息が少なく済むことになります。
しかし、そう上手くいくかどうかが誰にも分からないのが
変動金利の怖いところであり、
デメリットでもあります。

過去にバブルがはじけて以来、
日本はずっとデフレが続き物価が上昇せず、
金利も低い水準を推移しているので、
もしかしたら、35年後も変わらず
こんな状態かもしれないのですが、
とはいえ、これから先のことなんて
誰にも予測できませんからね。

また、変動金利で知っておかないといけないことが、
3年や10年という固定期間が終わるとき、
金利が上がるということです。

なので、変動金利を選ぶ場合、
その期間が満了するときに銀行と金利の交渉をするか、
あるいは他の銀行に借り換えるか、
あるいは繰上げ返済をすることで返済負担が増えないようにする、
のいずれかを選択しなければいけません。

ざっと言うとこれらが変動金利の特徴です。
あとは、銀行によって設定されている金利が微妙に違うこと、
交渉やその人の属性(仕事・会社・収入など)によって
金利が違ってくるといったところでしょうか。

では、続いて「固定金利」について。
固定金利に関しては変動金利より金利が高く設定されていて、
かつ、変動金利のように人によっては金利が安くなる
ということは基本ありません。
なので、パンフレットやネットに
記載されている金利がそのまま適用になるという感じです。

また、固定金利を選ぶ場合、
融資手数料という手数料がどの銀行でも余分に発生するのですが、
この手数料は変動金利には存在しないので、
この分、家そのものに掛けられる費用が減ってしまうというのも
固定金利のデメリットとなります。

要するに、固定金利を選ぶ場合、
変動金利に比べて
家そのものに掛けられる予算が減るにも関わらず、
返済額は大きくなってしまうというわけですね。
そして、その代わり返済額はずっと一定となるため、
安心感があるという感じですね。
これが固定金利の特徴です。

いかがでしたか?

住宅ローンは大きく分けるとこの2つしかないのですが、
自分はどっちが向いているか
なんとなくお分かりいただけましたか?

ぜひ参考にしてみてください!

家を建てるタイミングで生命保険を見直すべき理由

家を建てるにあたり銀行からお金を借りるとしたら
団体信用生命保険という
掛け捨ての定期保険に加入することになるため、
現在入っている生命保険を見直すべきだと思います。

また、生命保険の仲間には
医療保険や学資保険などがありますが、
これらも家を建てると同時に見直すことを
おすすめしています。

そもそも学資保険は、
以前のように掛け金以上にお金が増えることも
なくなってしまいました。
今の日本の金利水準を見る限り、
当たり前と言えば当たり前のことですが・・・

では、その理由について
もう少し詳しくお伝えしていきたいと思います。
まずは生命保険からです。

保険はお金が増えるのか?

生命保険には、
「定期保険」「養老保険」「終身保険」の3つがあり、
後者2つは死亡保障と同時に貯蓄機能を
備えているのですが、
もしもの時の保証に備えつつ、
ほぼノーリスクでお金が増えるという
魅力に惹きつけられ、
銀行にお金を預けるくらいなら
こっちの方がいいなと思い、
加入している方も決して少なくないのではないでしょうか?

確かにこれらの保険は
中長期的に保険料払い続けていくことによって
それなりにお金は増えるので、
銀行に貯金するよりはいいとは思いますが、
自分自身で積立投資を長期的に
していった方が、比べものにならないくらい
お金が増えていくので、
保険よりも積立投資を優先するべきかなと思います。

とはいえ、積立投資の商品には
保険のように死亡保障がついていないし、
リスクもゼロではないので、
それも考慮したら保険の方がいいのでは?
と思ってしまいますよね・・・

死亡保障はそこまで必要ない?

しかし、実際のところ、
そこまで死亡保障を手厚くする必要はありません。

債務者にもしものことが起こった時、
ローンが全額返済される掛け捨ての保険に
住宅ローンを申し込むと同時に加入するからです。

仮にご主人が単独名義でローンを借りた数年後、
不幸にも亡くなってしまったとしましょう。

この場合、あなたのご主人の給料は
全くなくなってしまいますが、
逆に必要じゃなくなる費用もたくさんできます。

まずは住宅ローンの返済です。
そして、ご主人に掛けていた保険も
全ていらなくなるし、
車の維持費もいらなくなります。
また、携帯代や食事、雑費、交際費...
といった費用も全ていらなくなります。

また、これに加えて
遺族には国から年金が支給されることになります。

となると、おそらくトントンか
あるいは、今より家計に少しゆとりが生まれるかもしれません。
あるいは、あなたががっつり仕事をしているとしたら、
けっこうゆとりが生まれるのではないでしょうか。

さらに、お子様が成長し大学に行きたいとなった時も、
最悪、その家を売却し実家に帰り親御さんと
一緒に暮らせば、
その資金の多くを捻出できるでしょう。

そんなわけで、家を建てた瞬間に
全ての保険を見直し、
なんならその多くを解約してもいいと
思っている次第です。

あるいはもし入るとしたら、
子どもたちが大学を卒業するまでの間、
掛け捨ての定期保険に
ちょっとだけ入っているぐらいで
いいのではないでしょうか。

もはや子どもたちが仕事をし始めた時点で、
もしもの時に備える必要はありませんからね。

医療保険が最小限で良い理由

医療保険に関しても、
国民健康保険が充実している
日本ではほぼ入る必要がないと思います。
治療費がわずか3割しかかからないからです。

また、日本では国民健康保険さえ
きちんと払っていれば、
高額療養制度が適用されるため、
大きな病気をしたとしても
それほど大きな治療費を請求されることがありません。
そのほとんどを国が負担してくれるからです。

そんなわけで基本的には医療保険にも
入る必要がないし、
仮に入るとしても高額療養費でまかなえないものにだけ
入るくらいでいいと思っている次第です。

以上を踏まえて、家を建てる機会に
今入っている生命保険をしっかりと見直し、
浮いた資金を積立資金に回すという
マインドに切り替えていただければと思います。

では次回は、家づくりでとても大切な
住宅ローンについて
お伝えしていきたいと思います。

アップデートすべき8つの常識

✓貯金は定期預金でしている
✓生命保険に入っている
✓住宅ローン金利は安いほど良い
✓太陽光発電はつけても無駄だ
✓家は35坪以上欲しい
✓土地は南向きじゃないとだめだ
✓土地は少しでも広く買いたい
✓投資は危険だから絶対にしない

この8つの項目は、
多くの方にとって当たり前に
なっていることかもしれませんが、
これら8つの全てか、
あるいはその多くに該当するとしたら、
将来、苦しい生活になる可能性が高くなる
と言っても過言ではありません。

一方で、この8つに該当しない方は、
家を建てた後もお金の不安なく暮らし続けられる
可能性が高くなります。

というのも、
これを知っているか知らないかで、
35年後に手元に残る資金が
数千万円違ってくるかもしれないからです。

そんなわけで、
これから家を建てようと思っているあなたに
家を建てる前に絶対に知っておいた方がいいお話を
数回に渡ってしていきたいと思います。

まずは、貯金の選択肢を
銀行だけにしてはダメですよ!
というお話からです。

現在の銀行の預金金利を
知っているかどうかにかかわらず
多くの方が薄々気づいている話かとは思いますが、
より「なるほど!」と思ってもらいやすいように
具体的に数字をあげて説明していきますね。

定期預金ってお得なの?

定期預金はいつでもお金が引き出せない代わりに、
普通預金より金利が高いのが特徴ですが、
問題点はその金利がかなり低いということです。

以前(と言っても数十年前)は数%もあった金利が、
今や10年定期ですらわずか0.01%ですからね。

では、これがどれくらい低いのか
計算していきたいと思います。
ということで手元に300万円があって、
これを全額10年の定期預金に入れると
仮定して計算していきましょう。

ほんとは増えたお金に対しては
約20%の税金がかかるのですが、
計算を簡単にするために割愛させてもらいますね。

(1年目)
300万円×1.0001=300万300円
(2年目)
300万300円×1.0001=300万600円
(3年目)
300万600円×1.0001=300万900円
(4年目)
300万900円×1.0001=300万1200円
(5年目)
300万1200円×1.0001=300万1500円
(6年目)
300万1500円×1.0001=300万1800円
(7年目)
300万1800円×1.0001=300万2100円
(8年目)
300万2100円×1.0001=300万2400円
(9年目)
300万2400円×1.0001=300万2700円
(10年目)
300万2700円×1.0001=300万3000円

こうやって数字にしてみると
けっこう酷い数字だと思いませんか?

10年間もの長い間ずっと寝かしておいて、
たったの3000円しか利息がつきません。

他の銀行宛に3万円以上振り込んだら、
それだけで一発で2~3年分の金利が
吹っ飛んでしまいます。

また、振込手数料とともに
気を付けておかないといけないのが、
時間外手数料です。
平日の18時以降とか休日に預金を
引き出す際に取られる手数料のことですね。

この手数料も110円とか220円かかるので、
一度やってしまっただけで、
利息がけっこう吹っ飛ぶことになります。

そんなこんなで、お金を増やしたいと思っているなら
銀行には貯金していくべきではないし、
銀行の使い方もよく考えた方がいいというわけです。
(毎月の支払いと突然の出費に備えて
普通預金口座に最低限のお金だけは
預金しておくところだと思ってください)

昔のように銀行にお金を預けておけば、
10年後には預金が2倍になっていたなんてことは、
99.9%起こるわけがありませんからね。

では、預金は一体どこにしておけばいいのか?

生命保険に預けておけば、
保証という恩恵も受けながら中長期で
お金が増えそうだから
終身保険や養老保険を上手く使って
貯めていくのが正解なのか?
そのように保険会社から言われ、
保険を充実させている人も
決して少なくないのではないでしょうか。

ということで、次回は
生命保険についてお伝えしていきたいと思います。

数とコストと管理のしやすさと

「明るくて開放的で風通しの良い家にしたい」
という願いから、
ついつい窓の数が多くなってしまうのですが、
窓が多くなれば、耐震性も悪くなるし、
断熱性も悪くなるし、
掃除場所も増えるし、
外壁も汚れやすくなるし、
戸締りの心配も増えます。

なので、窓のつくり過ぎで後から
後悔しないために、
今回は、窓をつくり過ぎた方が
どんな風に暮らしているのかを
お伝えしたいと思います。

多くの方が家を建てる前は、
賃貸アパートかマンションに
住まれているかと思いますが、
これらの住まいにはそもそも窓がそれほどありません。

おそらくベランダに出られる窓が1つか2つと、
玄関脇の共有部分に面した窓が1つの、
計2つか3つといったところでしょうか。
なので、賃貸住宅では、
窓の管理が全然大変ではありません。

一方で、家を建てると窓の数が一気に増えます。
賃貸では2方向しか窓がなかったのに対し、
東西南北4方向全てに窓ができるし、
かつ、それが1・2階両方となるからです。

また、防犯性や意匠性を考慮してか、
小さなデザイン窓をたくさん使うので、
窓だらけになってしまいます。

これまで2~3か所だった窓が
一気に20か所以上になってしまうというわけです。
(30か所くらいになる家もあります)

そして、最初のうちは
風通しを良くするために、
こまめに窓を開けたりするのですが、
これが新たな心配事を発生させます。

「あれ?あの窓閉めたかな?」
「あれ?あの窓鍵かけたかな?」

という心配事を。

そして、いつの間にか
窓を開けなくなっていきます。
開けてしまうと、いつ閉めたかどうかが
気になるからです。

そして、いつしか決まった窓しか
開けなくなってしまいます。
それどころか、開けない窓はカーテンも
閉まったままになり、
光すら入ってこなくなるかもしれません。

管理できる範囲で作る

この事実から言えることは、
窓はやみくもに増やすべきではないということです。
増えたら増えた分だけ管理が行き届かなくなり、
する必要のない心配事が増えるからです。

また、冒頭でもお伝えしたように、
確実に耐震性も悪くなるし、
確実に断熱性も悪くなるし、
確実に家も汚れやすくなるし、
確実に掃除の手間も増えるからです。

そして、窓が増えれば、
それに反比例するかのように
収納も減ってしまいます。

窓が増えるということは、
イコール家の壁が減ることであり、
家の壁が減れば、
設置できる棚の範囲が少なくなるからです。

その結果、思っていたよりも
モノが置けず収納の中に所狭しと、
ギュウギュウ詰めにモノを詰め込まざるを得なくなり、
どこに何があるのか分からなくなってしまいます。

つまり、収納までも
管理しにくくなってしまうというわけですね。

ということで、
これから家を建てるあなたは、
明るさや解放感にこだわるあまり
窓をつくり過ぎないように注意しつつ
家づくりをしていただければと思います。


提供すべき品質以外の2つの価値

以前に比べると、
平屋を建てる方が増えているようですが、
求められているニーズからすると
これは意外でもなんでもなく
ごく当たり前の事実だと思います。

というもの、
家が満たしておくべき
安全・快適・便利の3つの条件を
天然で満たすのが平屋だからです。

「安全」という点では、
=耐震と考えると、
当然重心が低い方が
大きな地震の時はもちろん、
強風の風圧抵抗や
重量車両通行による振動も受けにくくなるし、

「快適」という点では、
=家の中の温度差と考えると、
当然、階層が分かれてない方が
温度差が生まれにくいし、
家をコンパクトにすれば、
より快適に過ごしやすくなります。

また「便利」という点では、
=家事や掃除の楽さと考えると、
上下を行き来する必要がなく、
同じフロアで作業できる平屋は、
動線の工夫なんてしなくても
十分便利な住まいではないでしょうか。


とは言ったものの、
間取りによっては
かえって住みにくくなる場合もあるし、
金額が高くなることもあるので、
もちろん、住みやすかどうかは
設計次第です。

でも、安全で快適な
家にしたいと思っているなら、
迷わず平屋一択でいいのではと思っている次第です。

住宅会社が提供する価値

先程お伝えした
安全・快適・便利の3つは
私たち住宅会社が
例外なくすべての方に提供すべき
最低限の要素なのですが、
私たち住宅会社がすべきことは、
これらを当たり前のように
提供するとともに、
別の付加価値をお客様に
提供することだと思っています。

そして、付加価値に関しては
各社考え方が違うものだとは思いますが、
弊社が考える付加価値は以下の2つです。

暮らしの豊かさ

自分が心底気に入ったものを
手に入れることができれば、
とても心が豊かになります。

想像してみてください・・・・
出かけるとき、そして帰ってきたとき
美しい我が家を見たときの感情を。
そして、友達から
「私もこんな家建てたかったなー!!!」
と言われる快感を。

想像してみてください・・・・
空を眺めながら過ごす優雅さを。
カーテンがなく自然の光に包まれた明るく
開放感に満ちた心地よい時間を。

想像してみてください・・・・
星空と月明りの下、
人目を気にすることなく
外で食事が楽しめる楽しさを。
家に居ながらアウトドア気分が味わえる贅沢さを。

ここでするバーベキューはもちろん、
きっと朝マックやカップヌードルを
ここで食べるだけでも、
幸せを感じていただけると思います。
これらが、私たちが
あなたにぜひ提供したい価値です。

経済的な豊かさ

そして、私たちがもう1つ
提供すべきだと思っている価値が、
建てた後の経済的な豊かさです。

具体的には、家を建てた後も、
時々は外食したりお出かけしたり、
旅行に行けるゆとりを持ちながら家を建てることです。
さらにしっかりと貯金できるような
ゆとりを持ちながら家を建てることです。

そんなこんなで、弊社では
この2つが 充たせる範囲内で予算を設定し、
家を建てるべきだと思っていて、
そのつもりで資金計画を行っています。

この経済的な豊かさは
とても大事なことなので、
真摯に向き合って、
無理なく家づくりをしていきましょう!!!

単独名義と共有名義

家を建てるにあたって、
名義は単独の方がいいのか?
それとも夫婦共有にするべきなのか?で
悩まれている方もいらっしゃると思います。

基本的には、単独名義をおすすめしているのですが、
事情によっては
共有名義にせざるを得ない場合があるのと、
共有名義にした方がいい場合があるので、
今回はこの2つの場合について
お伝えしていきたいと思います。

では、まずは
共有名義にせざるを得ない場合から
お伝えしていきますね。

収入合算が必要な人

仮に、あなたが家を建てるにあたって
銀行から3000万円借りたいとしても、
あなたのご主人の年収が400万円以内では、
基本、銀行から満額借りることができません。

銀行が貸してくれる限度額は、
年収の5~6倍程度だからです。
(常識的に考えると、
この範囲を超えてお金を借りるのは、
ローン破綻の可能性を高めるだけです)

なので、この場合、
奥様が働いているとしたら、
奥様の収入も合算して
ローンを申し込まざるを得なくなります。

結果、奥様も名義人になるということですね。
(名義を入れなくていい場合もありますが、
住宅ローン控除のことも考えると
名義人になった方がいいので詳しくは後ほど)

では、続いて
共有にした方がいい場合について
お伝えしていきますね。

住宅ローン控除を最大に使い切る

例えば、
住宅ローン控除の対象となる金額が3500万円で、
ご主人の年収が400万円、
奥様の年収が200万円だとしたら、
ご主人の持分を3分の2、奥様の持分を3分の1、
にすると、住宅ローンの控除の枠を
いっぱいまでに使い切ることができます。

では、ご主人の所得税を8万円、
住民税を16万円、
奥様の所得税を4万円、
住民税を8万円と仮定して、
簡単に計算していってみましょう。

1年目の年末の借入残高を
3430万円とし、毎年70万円ずつ
借入が減っていくと仮定すると、
このご夫婦が受けられるローン控除額は、
1年目:24.01万円
2年目:23.52万円
3年目:23.03万円
4年目:22.54万円
5年目:22.05万円
6年目:21.56万円
7年目:21.07万円
8年目:20.58万円
9年目:20.09万円
10年目:19.6万円
11年目:19.11万円
12年目:18.62万円
13年目:18.13万円

となるのですが、
仮にご主人の単独名義で借入をした場合、
この恩恵を上限いっぱいに受けることができません。

今後13年間、ご主人の給料が変わらないとしたら、
ご主人が受けられる控除のマックスは
所得税8万円+住民税13.65万円を
合わせた計21.65万円だからです。
(住民税は控除の上限は13.65万円です)

つまり、13年のうち、
最初の5年間は控除枠を
使い切れていないということですね。

一方で、ご主人の名義を3分の2にし、
奥様の名義を3分の1入れてみると、
1年目から上限いっぱいまで
使えることになります。

以下、1年目の計算式です。

1年目の借入残高の0.7%=24.01万円
(↓控除可能な所得税と住民税の合計額↓)
ご主人:24.01万円×3分の2=約16万円
奥様:24.01万円×3分の1=約8万円
(↓返してもらえるお金の上限↓)
ご主人:8万円+13.65万円=21.65万円
奥様:3万円+6万円=9万円

共有名義にし、
持分比率さえ間違えなければ、
住宅ローン控除の恩恵を最大まで
引き出すことができるということですね。

予算設定の基本

この2つに該当する場合は、
夫婦で住宅ローンを申し込むことになるのですが、
忘れてはいけないのが、
自分たちの収入とバランスが取れないような借入は、
絶対にしてはいけないということです。
ここで、この話をすると長くなるので、
今回は割愛しますが、
これからの暮らしのことを考えると、
銀行から借りてもいい額は、
年収をベースで考えるとしたら、
ご主人の年収の6倍までに
とどめておくべきだと思います。

400万円としたら2400万円だし、
500万円だとしたら3000万円だし、
600万円だとしたら3600万円ですね。

これを超えて借り入れするのは、
これからの不確実で不安定な社会の中では、
かなり危険だと思っています。

なので、できれば収入合算しなくていい範囲で、
家づくりをしてもらえたらと思います。

建築コストが上がってしまった現在、
これは難しい話かもしれませんが、
できるだけこれを心がけながら
資金計画をしてもらってくださいね!

頭金は入れた方がいいのか?

資金計画の時に
良く質問されることの1つが
「頭金を入れた方がいいのかどうか?」
というとです。

もちろん、いれなかった頭金を
そのまま銀行の口座の中に
ずっと眠らせておくつもりなら、
99.9999%入れた方がいいのですが、
(住宅ローン金利1%に対して、
普通預金金利が0.001%だからです)
今回は、少し違った視点から
この答えを考えていってみたいと思います。

では、総予算を3500万円として、
500万円を頭金として入れる場合と
全く入れない場合とで比較してみましょう。
それぞれ35年返済、全期間固定型、金利1%で
数字をはじき出していきますね。

頭金を入れない場合

この場合、
毎月の返済額は98,799円となり、
総支払額が41,495,820円となります。
(98,799円×12ヶ月×35年)
つまり、支払利息は
6,495,820円ということですね。

一方で、一切手をつけていない
頭金として準備していた500万円を、
今後35年間、毎月コツコツと
積み立て投資していくと仮定します。
500万円÷35年÷12ヶ月=11,905円を、
毎月積み立てていくというわけですね。

そして、その運用利率が毎年約2%だとしたら、
ざっくりと計算してみると、
この500万円というお金は、
35年後には約2倍の1000万円にまで
増えることになります。

では続いて、この比較対象として、
頭金として500万円入れた場合、
どうなるのかについて
計算していきたいと思います。

頭金を入れる場合

この場合、借入額が3000万円となるので、
毎月の返済額は84,685円となり、
3500万円借りたときよりも、
毎月の返済額が14,114円少なくなります。

そして、総返済額が35,567,804円となるので、
支払利息が5,567,804円となり、
3500万円借り入れする時よりも、
928,016円少なくなります。

では、毎月のフローとなる
この14,114円を先程と同じように、
今後35年間、毎月積み立てし、
同じ利率(2%)で増えていったとしましょう。

となると、
14,114円×12ヶ月×35年=5,927,880円
が約2倍に膨れ上がることになるので、
ざっと35年間で600万円弱増えた
ということになります。

結論

このように数字で表してみると
非常に分かりやすいのですが、
頭金は入れないよりも
入れた方がいいということが
お分かりいただけたのではないかと思います。

この例で言うなら、頭金を入れた方が
利息を約90万円圧縮しつつ、
積み立てによって約100万円
余分にお金が増えています。

もちろん、この比較は
選ぶ住宅ローン会社の種類や、
積み立ての方法によって違ってくるので、
一概には言えませんが・・・。

とはいえ、
単純に理屈で考えてみたところ、
頭金は入れないより入れた方が
よりお金を手元に残しやすくなる
ということなので、
もしそれに迷われているようならば、
頭金は入れるようにしてもらえたら
いいのではないかなと思います。

ただし、頭金を入れるからといって、
不用意に予算を上げてしまわないようにだけ
注意していただけたらと思います。

手元に残る貯金はなくなってしまいますし、
毎月のフローもなくなってしまったり、
増やす元手がなくなってしまうだけですからね。

短期的思考と中期的思考

家を建てれば、
隣近所に気をもむことなく
子どもたちをのびのびと
遊ばせてあげられるようになります。

また、子どもたちに自分の部屋を
与えてあげることができるので、
自分の部屋を持てることに
きっと大喜びすることでしょう。

そして、子どもたちが喜ぶ姿を想像すると、
より家を建てることに
わくわくしてくると思いますが、
家を建てるときは
子育て中のことだけではなく、
子育て後のことまで見据えて
間取りを考えなければいけません。

言い換えるなら、子どもたちは
やがて家を出ていく可能性が高いので、
そうなった時に備えて、
子ども部屋は使い勝手よくつくっておいた方がいい
ということですね。

では、これからの暮らしを
時系列で考えてみた上で、
子ども部屋はどうつくるのがベターなのかを
一緒に考えていきたいと思います。

子供たちが小さいうち

多くの方にとって家を建てるときは、
おそらく子どもが小さい時だと思いますが、
では、小さな子どもたちにとって使いやすい部屋とは、
一体どんな部屋なのでしょうか。

例えば、一般的に
子ども部屋は2階につくられることが多いですが、
残念ながら小さな子どもたちは
2階にある自分の部屋を全く使いません。

小さなこどもたちは
親から離れた場所で過ごさないからです。

となると、子どもたちのおもちゃや絵本などは、
自分たちの部屋ではなく、
リビング周辺に置かざるを得ないか、
あるいはそれが嫌なら
1階にもう1つ部屋か大きな収納を
つくらざるを得なくなります。

結果、前者の場合、
リビングが片付かなくなり、
イライラしながら過ごすことになるし、
後者の場合、家づくりのコストが
跳ね上がり、ローンに負担がかかってきます。

一方で、子ども部屋を1階につくると
余分な部屋も収納も作る必要がなくなります。
子どもたちが自分の部屋を使いやすくなるからです。

結果、家づくりのコストを抑えやすくなる上、
リビングが片付きやすくなり、
いつもスッキリした家を保ちやすくなります。

つまり、友達が突然遊びに来ても、
焦ることなく迎え入れることができるし、
散らかった部屋にイライラしながら
過ごす可能性も圧倒的に低くなるというわけですね。

そんなこんなで、
子育て期間中にフォーカスすると、
子ども部屋は1階につくる方が
ベターだというわけです。

思春期を迎えた時

では、子どもたちが成長し、
思春期を迎えたときはどうでしょうか。
この場合、子どもたちのプライバシーが
低くなりそうな気がしますよね。

子どもとして、それなりの歳になれば、
親との距離を取りたくなるものですからね。

なので、自分たちの昔のことを
思い出してか、
この時期に備えて子ども部屋を
2階につくるのが
当たり前になっていると思いますが、
1階に子ども部屋をつくりつつも
それなりにプライバシーをとってあげることもできます。

なので、この時期のことが
どうしても気になる方は、
その旨をお伝えいただければと思います。

この時期に最もフォーカスすると、
幼少期はもちろん、
これから説明する将来にも
困ったことが起きやすくなってしまいます。

歳をとってから

子どもたちが出て行ったあとは、
夫婦2人だけの生活がずっと続くことになります。

そして、時が過ぎ、
やがて誰もが歳をとると思いますが、
この家でずっと暮らしていく以上、
これも想像しておかないといけません。

では、子ども部屋も寝室も2階にある
2階建ての家を建てた場合、
数十年後どのような暮らしになるのでしょうか。
おそらく2階は全く使わないと思いませんか?

また、健康ならいいのですが、
やがて足腰が弱くなったり、
体が不自由になってしまったら
どうなるのでしょうか。

日常生活で支障なく
暮らせるように
部屋を増築せざるを得なくなりますよね。

そんなこんなで、
老後のことを想像してみると、
子ども部屋を1階につくっておいた方が
いいというわけですね。

使わなくなった子ども部屋を、
部屋や収納として使えば、
わざわざ貴重な老後資金を捻出して
増築する必要はありません。

家づくりに必要な柔軟な思考

このように考えてみると、
子ども部屋は2階につくるより、
1階につくった方がいいかなとか
1階につくるのもありかなと
思っていただけたのではないでしょうか。

これは
あくまで一例ですが、
実は、家づくりには子ども部屋の考え方のように
なぜか勝手に決めつけてしまっている
セオリーというものがいくつもあります。

そして、それらは家づくりの範囲を大幅に縮め、
さらに暮らしにくさをつくりだす原因になっていたり、
コストがかさむ原因になったりします。

なので、人から聞いた話を鵜呑みにし、
そのまま実行するのではなく、
こういった視点でも考えた上で、
家づくりをしていただけたらと思います。


住宅の現状と予算計画のアップデート

建築価格が急上昇した現在、
これから家を建てる人が心がけておくべきことは、
これまでの価格を基準に考えないこと、
そして、同じ予算で建てるためには、
家のサイズを抑えなければいけないということ、
ではないでしょうか。

今回は、
これからはどのように家づくりをすべきなのか
考えていきたいと思います。

年収400万円の旦那様と年収200万円の奥様の
共働き世帯が家を建てると仮定して、
世帯年収600万円のご夫婦の場合、
どのように考えた方がいいのか
個人的な意見を述べていきたいと思います。

まず、この世帯の手取り収入を
毎月に換算するとざっと36万円くらいに
なるのですが、
このうち奥様の収入は
できるだけ多く【貯金】していくべきだと考えています。

子どもたちの教育資金、
家の維持管理費用、やがて必要となる増改築資金、
老後資金の積立など、
これから先に向けて準備しておくべき費用が
たくさんあるからです。

そんなわけで、
個人的には、ご主人の給料の範囲内で
実現できる家づくりを行うことが
ベストであると考えています。

具体的には、毎月の返済額は
手取り金額の3分の1以内、
つまり、手取りが24万円だとしたら
どう頑張っても8万円が限界ではないでしょうか。

8万円の返済でできる家づくり

では、毎月の返済額8万円では、
どのような家づくりができるのでしょうか?

頭金もなくて、固定金利という選択肢が
もっとも現実的な場合で考えていってみましょう。

この場合、銀行から借りられる金額は、
2850万円前後になります。
なので、この予算の中で、
土地を買い、家を建て、外構工事をし、
諸経費を払わなければいけないのですが、
冒頭でお伝えしたように、
家だけで2000万円を超えるのが、
当たり前となりつつある今、
土地を買い、家を建てるのは
なかなか現実的なことではありません。

外構工事と諸経費を合わせると、
ざっと300万円~400万円ほどかかります。

なので、
仮にあなたやあなたの配偶者のご実家に
土地があるとすれば、
有難くその土地を使わせてもらうことを
まずは検討してみても
いいのではないかなと思います。

とはいえ、
どうしてもそれは嫌だ
という方もいらっしゃるでしょうし、
そもそもそんな土地がないため
絶対に買わないといけないという方もいるでしょう。

では、そんな方はどうするべきなのか?
この場合、考えるべきことは
まず家をコンパクトにすることです。
かつ、住むエリアにこだわらないこと、
そして、土地の形や広さ、道路の向きにもこだわらない
ことです。

さらに、それでも家の予算はオーバーすると思うので、
車にかけるお金も圧縮するべきだし、
これにプラスして収入を上げる方法を
夫婦で話し合って具体的に考えるべきだと思います。


奥様の収入を増やす方が現実的だとしたら、
家事や育児の分担を変えるべきだし、
旦那様の収入を増やす方が現実的だとしたら、
負荷をかけてもっと働くといった感じで・・・

もちろん、これから先に備えた貯金を削り、
その資金を家づくりに充てれば
こんなことをしなくても、
買いたい土地を買い、
建てたい家を我慢することなく
建てることもできるでしょう。

しかし個人的には、
それは賢明な選択だとは思いません。
必ず、後からなんらかの皺寄せがやってくるし、
貯金がなければ心にゆとりが全く持てなくなるからです。

なので、これらのことを全て踏まえた上で、
家づくりの予算を計画してもらえたらと思います。


一戸建ての修繕積立金

分譲マンションを買った場合、
住宅ローンの返済とは別に、
共有スペースの維持管理費用として、
「管理費」が必要になるのと、
やがて必要となる外壁の修繕や
エレベーターの故障などに備えて
「修繕積立金」が必要になります。
(駐車場代も別にかかります)

なので、分譲マンションの購入時には
単純にマンションの価格だけを
見ればいいわけではなく、
これらの別途費用のことも考慮した上で
検討しなければいけません。

一方で、一戸建を買う場合は、
そもそも管理費も必要なければ、
駐車場代も必要ないし、
修繕費用の積立も
分譲マンションのように
義務化されているわけではありません。

なので、ついつい修繕費用についての
見立てが甘くなり、
その分、家に予算を突っ込んでしまいがちなのですが、
これでは間違いなく将来困ることになるので、
建てる前にこれらの費用についてもある程度試算し、
コツコツと積み立てていく必要があります。

では、今回は、
それらにどれくらいかかるのかと、
どれくらい積み立てしていった方がいいのか
についてお伝えしていきたいと思います。

60年住むことを前提として試算

家を建てる年齢も、
いつまで生きるのかも人によって違うので、
取り急ぎ35歳で家を建て95歳まで生きる
という前提のもとで考えてみましょう!

まず必要となるのが
外壁や屋根などの外部塗装費用です。

では、これが約15年に1回のペースで
必要になるとして、
毎回その費用に150万円かかるとしたら、
生涯で3回ほどこの費用が必要となります。
つまり150万円×3回=450万円ですね。

また、30年~35年後には、
キッチン・お風呂・洗面・トイレなどの
水回りもリニューアルすることになるでしょう。

なので、これらのリフォーム費用も
計上しておかないといけないのですが、
おそらく、このタイミングで
床や壁などもリフォームすると思うので
これらには360万円くらい予算をとっておきましょう。

さらに、忘れてはいけないのが
家電にかかるお金です。
電化製品は基本10年ごとに故障すると言われているし、
製品のクオリティもどんどん進化していくでしょう。

なので、これらについても拾い出しておく必要があります。
まずはエアコンですね。
子どもたちが2人居るとして考えてみましょう。

この場合、リビングと部屋を合わせると
合計4台のエアコンが必要ですが、
リビングと寝室はずっと部屋を使い続けるので、
5回買い換えが必要ですね。

一方で子どもたちは途中で家を出て行くので
おそらく1回しか買い替える必要がない
可能性が高いのではないでしょうか。

となると、今後エアコンにかかるトータル費用は、
リビング用の価格を取付費も合わせて20万円、
それ以外の費用を10万円ずつと考えると、
20万円×5回+10万円×5回+10万円×2台×1回=170万円
ということになります。

では、続いては冷蔵庫と洗濯機です。
これらは、思っているより高いし、
間違いなくこれから先もずっと必要なものなので、
しっかりと予算に組み込んでおくべきですね。

ということで、
冷蔵庫が25万円で洗濯機が15万円だとして、
(ドラム式or縦型+乾燥機の価格です)
10年ごとに買い替えるとしたら、
これらには合計で200万円ほど必要ですね。

このほか、テレビやパソコン、
電子レンジ、掃除機などなどありますが、
これらを合わせた分にも
10年ごとに20万円くらいかかるとして、
合計100万円の予算をみておきましょう。

いわゆる、これら全てを合わせた金額が、
生涯メンテナンス費用としてかかる
ということになります。
足してみると1280万円です。

では、これらのお金は
今後60年の間で必要となるお金ですが、
できれば働けるうちに
このお金をためておきたいですよね。

歳をとり収入が減ったり、
あるいはなくなった状態で、
大きなお金がまとまって出ていくのは、
精神的にもかなりきついですからね。

となると、かなり高い確率で
健康で働くことができるであろう
これから30年の間で、
これらのお金を貯めていかなければいけません。

つまり、1280万円÷30年=42.6666666万円
月に換算すると約3.5万円ずつは修繕費用として、
お金を置いていった方がいいということですね。

思ったよりだいぶお金がかかりませんか?

そんなこんなで、
この積立資金のことも考えた上で、
毎月の返済金額を決めるべきと
いうわけですね。

間取りづくりの重要性

そして最後に、
もう1つ大切な考え方について
お話したいと思います。

それは、将来増築しなければ
いけないような間取りづくりを
絶対にしてはいけないということです。

将来、水回りも含めたリフォームの時、
増築までしなくてはいけないとなると、
さらに300万円~500万円ほど、
余分な出費が必要となるからです。

つまり、さらに毎月1万円以上の
お金を積み立てしていかないといけないか、
あるいは、大切な老後資金から
そのお金を捻出しなければいけなくなる
というわけです。

ということで、
間取りもお金も将来のことまで
見据えた上で計画していただけたらと思います。


中庭がある平屋の現実

「平屋にしただけでも
家が高くなると思うんですけど、
さらに中庭をつくるとなると、
外壁の面積も増えてしまって
高くなりませんか?」

時々、このようなご質問をいただくのですが、
この質問は、なかなか的を射ているといってもいい質問です。

つまり、この質問に対する答えは
基本的には「YES」であり、
そうなってしまうがゆえに、
平屋や中庭の提案ができない住宅会社もあるのではないでしょうか。
(そもそもその発想さえない会社も多いと思います)

しかし、中庭をつくることによって
カットできるものもあれば、
平屋にすることによってカットできるものもあり、
その2つを上手く組み合わせることさえできれば、
コストを上げることなく「中庭がある平屋」を
建てることができるので、
今回は、このことについてお伝えしていきたいと思います。

では、まずは「中庭」をつくることによって
カットできるものについてからです。

そもそも中庭をつくる理由

SINPLE NOTEの家になぜ中庭が多いのかというと、
本当に居心地のいい空間をつくるためには、
採光の確保とプライバシーの担保を
両立させる必要があるからです。

たとえば、多くの家が
周囲に向かって大きな窓をたくさんつくっていますが、
そこからは光とともに視線も入ってきます。

となると、カーテンなしでは
居心地の悪い家になってしまいますよね?
いつも誰かに見られながら
暮らすことになるからです。

そして、ほとんどの窓にカーテンを設置するわけですが、
となると、当然光まで遮ってしまうことになりますよね?
レースだけでは部屋の中が見えてしまいます。

一方で、中庭をつくると
中庭につくった窓は、
外からの視線を全く気にする必要がありません。
見えるのは自分の家の中のどこかの部屋か
自分の家の外壁のどちらかです。

なので、その窓には視線を遮るために
カーテンを付ける必要がなくなります。
(方位によっては陽射しを調節するために必要となりますが)

また、カーテンいらずの中庭の窓は、
日中ずっと安定的に光を届けてくれることから
家の外周部に大きな窓を設置する必要がなくなるし、
窓の数をやみくもに増やさずとも、
十分家の中を明るくすることができます。

以上のような理由から、「中庭」には、
窓にかかるコストをカットできるという効果と、
カーテンにかかるコストをカットできるという
2つの効果があるということですね。

では、続いては平屋にすることによって
カットできるものですね。

圧倒的な住みやすさが平屋の特徴

平屋には、あなたが想像している以上に
多くのメリットが存在するのですが、
そのうち1つが「圧倒的な住みやすさ」です。

アパート暮らしの方なら、
共感いただけると思いますが、
これまでと同様にワンフロアのまま
部屋や収納が増えるわけですからね。

例えば、2階建ての場合、
子ども部屋を2階につくる方が圧倒的に多いと思いますが、
実はこれがリビングを汚す最大の理由となります。

小さな子供たちは
親と離れた場所に居たがらないし、
いちいち2階まで自分の物を
持っていかないですよね。

なので、このような家には
1階に和室をつくっている場合が多いのですが、
仮に子供部屋を1階につくることができれば
この部屋をつくる必要なんてないような気がしませんか?

となると、この部屋分
丸々家を小さくすることがでできるので、
その分建築コストを縮めることができますよね?

平屋だと階段も必要ないし、
トイレも1つ減らすことができます。

この他、設計のやり方によっては
ただ通るだけの廊下も省くこともできるし、
それぞれの部屋(寝室・子供部屋)の広さも、
寝るだけだと考えると、
最小限にしても支障ないかと思います。

そんなこんなで「中庭がある平屋」を
こなれた価格で建てることができるということですね。

ただし、後者の家をコンパクトにするというアイデアには、
あなたの理解が必要不可欠となります。
部屋の数や広さ、配置を指定されたり、
坪数や坪単価にこだわると
実現できません。

ということで、
上記のような価値観にこだわらず
居心地がよくて住みやすく、
おまけにおしゃれなデザインの家を
こなれた価格で建てたいなーとお考えの方は、
ぜひ、このアイデアを参考にしていただければと思います。

平屋の誤解

前回の記事で、
安全・快適・便利をよりよくするために
弊社が行っている工夫について
お伝えさせていただきましたが、
この3つに共通していた答えが
「平屋にする」ということです。

つまり、平屋にすればよりいい家をつくりやすくなるし、
かつ、家をコンパクトにできれば、
2階建てより割安なコストで建てることができるので、
弊社では、平屋が建てられる土地では
平屋を提案しています。

とはいえ、百歩譲って
たとえ平屋を割安で建てられたとしても
逆に平屋を建てるとなると、
それなりに土地の広さがいるのではないか?
そして、そうなると土地代が高くなり、
結局、家づくりのコストが高くついてしまうのではないか?
と思っている方も少なくないと思うので、
今回はその点についてお伝えしていきたいと思います。

では、具体的に
縦横10mずつの100㎡(約30坪)の平屋を建てるとして、
一体どれくらいの土地が必要なのか考えてみましょう。

自分に必要な土地面積の求め方

この場合、車を置く方向に5.5mとり、
それ以外の方向を全て通路として1mずつとるとしたら、
間口として必要な長さは、
1m+10m+1m=12mとなり、
奥行きとして必要な長さは、
5.5m+10m+1m=16.5mとなります。

なので、12m×16.5m=198㎡(=約60坪)が、
この平屋を建てるに必要な広さということになります。

そして、この場合
車を4~5台置くことができるのですが、
仮にこんなにも駐車スペースが必要ないとしたら
もっと面積を小さくすることも出来ます。

この時に覚えておいていただくといいのが、
車1台あたりに必要な広さは
4.5坪だということなのですが、
仮にあなたに必要な駐車スペースが2〜3台だとしたら、
9坪面積を小さくした50坪強の広さで土地を探してもいい
ということになります。

もちろん、建てる家の大きさや、
土地の形によっては不可能な場合もあるので、
絶対にというわけではありません。
あくまで物理的に可能という意味合いです。

とはいえ、要は50坪あれば
平屋という選択肢がとれるわけなので、
間違えても、平屋を建てたいがために
新規分譲地を2区画買うとか、
やみくもに広い土地を買うなどは
しないようにしてくだいね。

土地代だけではなく、
外構工事代も高くなるし、
ずっと払う固定資産税も高くなってしまいます。

解決すべきは明るさ問題

ただし、平屋を建てるとなると
周りが家に囲まれている場合、
家が暗くなってしまうのではないかという
ネガティブな懸念点が出てくると思います。

駐車スペースが南であれば、
家の中が丸見えながらも
少なからず南からの光が入ってくるので、
その問題も幾分解決されそうですが、
それ以外の土地だと、セオリー通りの間取りでは、
どう考えても薄暗い家になってしまいそうですよね。

先程説明したように
敷地をいっぱいに使って
家を建てるとなればなおのことです。

そこで、家を建てるにあたって
知っておいてほしいことが、
平屋の家で室内に十分な光を採り込むためには
隣家との間に十分な距離が必要だ
ということです。

例えば、すぐ南に家が建っている土地で、
南にリビングを配置しても全く光は入ってきませんが、
南の家の最も遠い位置にある北にリビングを配置してみると、
そして、そのリビングの南に大きな窓をつくってみると、
リビングには南からの光がたっぷりと入ってきます。

つまり、リビングの南に外をつくるということですね。
これが【中庭】です。

すると、必然的に
東に建っている家とも、
西に建っている家とも、
十分な距離をとることができるため、
1日中安定的に光を採り込むことが
できるようになります。

また、南からの光が採れない南に配置した部屋にも、
中庭の壁に反射した光を窓から入れてあげれば、
その部屋も自然光だけで明るさを保つことができます。

これはあくまで一例ですが、
言いたいことが何かというと、
土地に合わせた設計さえできれば、
日当たり問題もあっさりとクリアできるということですね。

なので、たとえあなたが平屋を希望しているとしても、
日当たりを気にしすぎて必要以上に広い土地を買ったり、
南向きにこだわって買う必要は全くない
ということを覚えておいてください。

設計力さえあれば、どんな土地でも
常に安全・快適・便利な家を
建てることができます!!

プラスαの価値

安全・快適・便利の3要素は、
私たち住宅会社が提供すべき最低限の要素です。

まず、1つ目の【安全】とは、
大きな地震からあなたの家族の身を守るということ、
そして犯罪から家族の身を守る防犯性の高さのことですね。

2つ目の【快適】とは、
家の中が明るいこと、
暑い寒いに悩むことなく過ごせるということ、
ゆったり落ち着いて暮らせるといったことですね。

そして、3つ目の【便利】とは、
家事動線がいいこと、
家事の手間や時間が短縮できること、
掃除がラクなこと、といったことですが、
もちろん弊社でもこの3つの価値を提供するために、
それぞれに独自な工夫を凝らしています。

では、今回はその独自な工夫について
お伝えしていきたいと思います。

コストを上げずに質を高める工夫

この3つの要素を高めるにあたり、
弊社が行っている工夫は、
いかにコストを上げずにこれら全てをよくするのか
ということです。

少しいい方は悪くなりますが、
コストを上げながら質を高めるのは、
どこの住宅会社でもできるからです。

また、コストが上がるということは、
その分、あなたの負担が増えることになり、
別の何かが犠牲になるかもしれないからです。

では、1つ1つ具体的にお伝えしていきますね。

まずは【安全】から。
地震に強い家にするために弊社が
推奨していることが、
「平屋」にすることです。
重心が低くなればなるほど揺れにくくなるからです。

その結果、耐震等級3も格段に取りやすくなるし、
2階建ての家では当たり前となっている
「制震ダンパー」もつける必要がなくなり、
これだけでも4~50万円コストを抑えることができます。

そして防犯に関して弊社が行っている工夫は、
間取りを分からないようにすることですが、
これに関しても余分なコストが一切かからないどころか、
むしろ無駄なコストを削ってくれます。

丸見えの大きな窓を隠すための
植栽や目隠しや塀などをつくる必要がなくなるからです。

では、続いて【快適】について。
これに関しては、いい断熱材を使うと共に、
温度差がでにくくなるように2つの工夫をしています。

1つは平屋にすることで、
もう1つはいらない場所を削ることによって
家をコンパクトにすることです。

平屋だと、上下階の温度差ができないし、
家をコンパクトにすれば、
冷暖房の効果が家全体に行き渡りやすくなるからです。
家がコンパクトになれば、
その分、家の価格も安くなります。

また、快適に過ごすためには、
家の中の温度や湿度も大切ですが、
プライバシーが担保されているかどうかも
肩を並べて大切な要素となります。
家の中が外から丸見えだと、
全くリラックスして過ごせないからです。

なので、弊社では
できるだけカーテンが必要ない窓しか
つくらないようにしています。
カーテンがいらないということは、
全く光が遮断されないということなので、
窓をやみくもに増やさなくても、
自然光だけで家の中が明るくなるし、
そうなれば、窓のコストも下がるし、
カーテン代もいらなくなります。

では、最後に【便利】について。
これに関して1番声高に言われているのが、
家事動線だと思いますが、これに関しても、
平屋にすればそれだけで簡単に解決してしまいます。

平屋だと、上下階を行き来する必要がないからです。
動線が悪くなるのは、
上と下を行ったりきたりしなければいけないからです。

片付けに関しても、
平屋にすれば必然的に子供部屋が1階になるので、
それだけでずいぶんと手間がカットできます。
リビングやダイニングが散らかる1番の原因は、
その近くに子どもたちのものを片付ける場所がないことですからね。
誰だって、いつも使うものをわざわざ2階に
持っていくのは面倒くさいと思います。

コストを上げずに安全・快適・便利を実現している理由

以上のように、
弊社では無駄にコストを上げることなく、
より安全で、より快適で、
より便利な家をつくるようにしているのですが、
このような提案をしている理由は、
できるだけ家計の支出を減らすべきだと考えているからです。

今後は、社会保険や税金が上がっていくだけではなく、
歯止めが利かない円安の影響を受けて、
電気料金やガソリン代はもちろん、
全ての物価が高止まりしそうな感じなのに対し、
それに連動して所得が増えていくかというと、
決してそうではなさそうですからね。

したがって、これから先に備えて
できるだけ家づくりのコストを抑え、
少しでも余力資金をつくり
そのお金を積立投資に回していただきたいと思います。

ここまで全て網羅することが、
これからの家づくりに必須なことだというのが、
弊社の基本的なスタンス(考え方)です。

美しい家をつくるたった1つのルール

SIMPLE NOTEの家の特徴の1つに
「窓がないフラットな外観」がありますが、
もちろんこれにもきちんとした理由があります。

1つは、間取りを分からないようにすることで、
防犯性とプライバシー性を高めるため。
つまり、より居住性の高い住まいを実現するためです。

そして2つ目が、窓をはじめとした一切の部材を
正面からなくすことによって
家を汚れにくくするため。
つまり、美しい状態が維持しやすくなれば、
外壁のメンテサイクルが長くなり、
結果、ランニングコストが抑えられるからです。

最後に3つ目が、家がかっこいいからですね。
表向きには言い難いですけどね(;'∀')

家に関しては、
「かっこよさを優先した家=住みにくい家」
というレッテルがありますからね。

とはいえ弊社で建てるお施主様はもちろん、
潜在的にかなり多くの方が、
どうせならかっこいい家にしたいと
内心お考えだと思うので、
今回はかっこいい家をつくるためのルールについて
お伝えしていきたいと思います。

めちゃくちゃ簡単なルールなので、
ぜひ覚えておいてください!

シンプルで簡単なルール

そのルールとは、
「部屋の配置や動線などを指定しないこと」です。

理由は簡単。
そんなことをしたら、
設計士はそれを優先して間取りを
つくらざるを得なくなるからです。
そもそもの要望が、
その土地に合致しているかどうかに関係なく。

例えば、南向きの土地を買ったからといって、
リビングダイニングはもちろん、
寝室も子供部屋も全て南向きでつくってください
などと伝えてしまうと、これだけで描く前から
ほぼ間取りが決まったようなものになります。

1階だと、玄関・リビング・ダイニングが南で、
2階だと寝室・子供部屋が南、
そして、北には水回りと階段がくるといった感じですね。

で、この家がどうなるかというと、
まず、かなり高い確率で玄関の真横に
リビングのエアコン室外機が
置かれることになります。

また、南向きの窓は全て大きな窓になるでしょうから、
パッと見ただけで間取りがほぼ完璧にわかってしまいます。

さらに、洗濯物を寝室のベランダに干すとなると、
いつも周りから洗濯物が丸見えになり、
生活感が漂う住まいになってしまいます。

そして、この住まいは
住居性も決して良いとは言えません。
というのも2階につくった子供部屋は、
子どもが小さいうちは使わないため
リビングが散らかりやすくなるし、
進学とともに子供が出て行ったあとも
別の用途として使いにくいからです。

洗濯も上下を行ったり来たり
しないといけません。
毎日本当に大変です。。。

この他、玄関→玄関土間→ファミリークローゼット
→洗面→リビング(ダイニング)という風に、
通り抜け動線を指定したりするのも、
それだけで間取りを固定してしまうことになるし、
これに関しては、土地の向きによっては、
やるべきではない場合が多々あります。

そもそも通り抜けにすると、
それだけで収納力が大きく低下してしまいます。
(通路を確保しないといけなくなるからです)

そんなこんなで、
勝手に自分自身の中だけで
あれやこれやとつくりあげておかないことが
大事だということですね。
かっこいい外観にするためではなく、
住居性の高い住まいにするためにもです。

あとは設計士のセンス次第!

とはいえ、じゃあ要望を全く伝えない方がいいかというと
そういうわけでもなく、
やりたいと思っていることはしっかり伝えるべきです。
(それによって必然的に間取りが決まってしまうような
要望がNGということです)

しかし、これから家を建てる方に
覚えておいて欲しいことは、
間取りは環境によって決まる」ということ、
そして「外観は環境と間取りによって決まる
ということです。

つまり、間取りはあなたの要望だけでつくるのではなく、
その土地に合わせてつくるべきだということ、
そして、外観はそれによって出来上がった
間取りと環境を配慮しながらつくりあげていくものだ、
ということですね。

後は、設計士さんのセンス次第ですが、
これが居住性の高い住まいとともに、
美しい家をつくるためのたった1つのルールということです!

「賃貸」VS「マイホーム」の盲点

このまま賃貸に住み続けるのか?
いっそ家を建てた方がいいのか?
結婚してからある程度過ぎれば、
誰もがこの2つの選択の間で揺れ動くと思います。

・暮らしがより豊かになること
・電気の自給自足ができること
・住宅ローン金利の中に生命保険が含まれていること
以上の3つの理由から
少しでも早く家を持った方がいいと思っているのですが、
しかし一方で、
持ち方によっては取り返しがつかない失敗となり、
老後はもちろん、これからの暮らしまでも
窮屈になる可能性が高くなってしまうことから、
家を建てずにずっと賃貸で住み続けた方がいい場合も
あるなとも思っています。

ということで今回は、
この2つの比較をリアルな数字を入れつつやっていきたいと思います。

ずっと賃貸という選択肢

では、あなたが
現在支払っている家賃を7万円、
長期積立投資に回せるお金を6万円として、
(貯金ではなくて長期積立投資にしてください)
35年後の状況はどうなっているか
考えていってみましょう。

まず、将来手元に残る不動産という資産は
ありませんよね。
しかし、家を持たない分、
固定資産税や家の修繕費用などが一切かからないため、
これまで通り、ゆとり資金の6万円を
毎月コツコツ積立投資に回すことができます。

そうなると、仮にこのお金が毎年2%ずつ
増えていったと仮定すると、
35年後手元には約5040万円もの
お金が残っていることになります。

なので、仮に将来賃貸物件で
住みにくい状況になったとしたら、
この増えた資金を使って
ご実家をリフォームして住むもよし、
建て替えて住むもよし、
あるいはご実家がない場合は、
住みたい場所で土地を買って家を建ててもよし、
老人ホーム的な所に入ってもよしではないでしょうか。

新築するにしても、
子どもたちは巣立っていると想定すると
家をコンパクトにできるため
割安で家を建てることができるし、
土地を買うにしても
学校のことを考えなくてもいいことから
住む場所を柔軟に考えやすいでしょう。

おそらくそれ以降は、生きている間、
家に手を加える必要もないでしょう。

こういった見方をしてみると、
ずっと賃貸という生活も
決して悪くないとかなと思います。

家を持った場合

では、続いて家を持った場合
どうなるのかを考えてみましょう。

この場合、先程の家賃並みで
家を手に入れようとしたら、
銀行からの借入金額を2500万円前後に
納めなければいけないのですが、
もしこれが無理だとしたら
一体どうなるのでしょうか?

仮に1000万円オーバーの3500万円を
銀行から借りざるを得ないと仮定すると、
家賃よりも3万円も出費が増えることになります。

そして、家を持つことによって
必要となる固定資産税と火災保険、
そして定期的にメンテしていくための
積立費用を合わせると、
毎月さらに3万円程度の出費が
必要になってくると
考えておいた方がいいでしょう。

となると、賃貸暮らしの時より
6万円も毎月の出費が増えるわけですが、
こうなると積立投資をしていく
お金が全くなくなってしまいます。

つまり、家を持ったは良いが
全くお金は増えていかないということですね。

では35年後
一体どのようになっているのでしょうか?

まず、積立投資ができないので、
現金資産はゼロということになりますよね。

続いて、不動産という資産はどうでしょうか?
建物に関しては、価値はゼロですね。
木造建築の償却期間は22年なので、
これを超えると価値はゼロになります。


土地に関してはどうでしょう?
ここは東京や京都ではないので、
今後土地の価値が上がることはないでしょうし、
むしろ下がっていくと考えた方がいいでしょう。

となると、買った値段と同じか、
あるいは幾分価値が下落していると
考えるのが妥当ではないでしょうか。

つまり、仮に買った土地の値段が
1000万円だとしたら、
かろうじて1000万円くらいの
価値が残っているということなので、
売却した場合、それくらいの
現金にはなるということですね。

ただ、この場合土地を売却せず
それなりのリフォーム工事をして
住み続けていくでしょうから、
その費用が必要になりますよね?
キッチンやお風呂やトイレなどの設備品の
入れ替えも含めた大掛かりな工事費用も
必要になります。

となると、500~700万円ほどの
出費が再び必要となるし、
これに加えて1階に
部屋数を増やさないといけないような
家を建ててしまっているとしたら、
さらに増築費用まで必要になってきます。

結果、1000万円くらいの出費が必要となり、
再びローンを組むことになるか、
子どもたちが巣立った後、
できたゆとりで頑張って貯めてきた貯金を
捻出しなくてはいけなくなってしまいます。

これが家づくりのやり方を
間違えてしまった場合のリアルな結末です。

以下がでしたか?
想像したらゾッとする結末だと思いませんか?

というわけで、
こんな結末を迎えないようにするために、
土地探しやプランをする前に
よく考えて資金計画を行うようにしてください。

ポイントは、積立投資の余力を残しつつ
家を建てることができるかどうかですね。

それさえできれば、
絶対に家を持った方が良いというのが
私自身の考えです!!

明るさと開放感の方程式

多くの方がリビングダイニングに求めることが、
「明るさ」と「開放感」だと思います。

そして、その手段として大きな窓をつくり、
天井を高くするのですが、
実はこの2つを採用しただけで、
十分な「明るさ」と「開放感」を
得ることができるとは限りません。

まず、なぜ大きな窓をつくるだけで
十分な明るさが得られないのかと言うと、
基本的にほぼすべての窓が
カーテンありきの設計になっているからです。

つまり、光を採り込むために
窓をつくったにも関わらず、
カーテンで光を遮っているから
家の中が薄暗くなってしまうというわけですね。

そして、大きな窓があるリビングはまだしも
北に追いやられがちなキッチンや、
北に追いやられつつ、
窓のサイズまで小さい洗面などの水回りは、
照明なしでは居られないくらい暗くなってしまいます。

また、天井だけ高くしても、
窓や室内ドアが低いままでは、
天井付近まで光が拡散しないため、
かえって天井付近が薄暗くなってしまいます。

となると、南向きでつくった
リビングやダイニングさえも、
朝から照明に頼らざるを得なくなる
ということですね。

では、開放感についてはどうでしょうか?
朝から夜までずっと
照明に頼り続けないといけない家は、
果たして開放感あふれる住まいなのでしょうか?

視線を遮るために
閉じた状態となったカーテンによって、
全く外が見えなくなってしまうとしたら、
果たしてその空間から開放感を
感じることができるのでしょうか?

カーテンが閉まっているということは、
1面壁に囲まれているのと
変わりないということです。

「明るさ」と「開放感」の方程式

家全体に満遍なく自然光を届けるためには、
まず窓から入ってくる光を遮らないこと、
そして、その光が全体に届くように
しないといけません。

では、そうするためには、
一体どうすればいいのか?

まず、大前提として、
窓は基本的に視線を遮るための
カーテンがいらないようにつくらないといけません。

そして、その上で窓から入ってきた光を
家全体に拡散する工夫を施さなければいけません。

その1つが、
窓と室内ドアと天井の高さを
全て揃えるということです。

こうすることによって、
室内に入ってくる光量が増えるし、
天井付近まで光が拡散しやすくなるからです。

また、
天井とドアの高さを揃えることによって、
空間に奥行きが感じられる視覚効果が得られるので、
窓の高さも相見えて開放感を感じてもらいやすくなります。

そして、光を拡散させるもう1つの工夫が、
内装を白やアイボリーを基調とすることです。

また、床や家具の色なども、
ダークトーンのものではなく、
ライトトーンのものを(オークやメープルなど)
選んでいただくとさらに明るさが増すと思います。

まとめ

リビングダイニングに
「明るさ」と「開放感」を出すためには、
一般的には「大きな窓」+「天井を高くする」
と考えられていますが、
近隣住宅が100mくらい離れているようなところに
家を建てない限り、
これだけでこの2つは実現できません。

一方で、
「カーテンがいらない窓」
     +
「窓とドアと天井の高さを揃える」
     +
「内装を白基調とする」
を全て実現していただくと、
たとえ隣近所が全て家に囲まれていたとしても、
明るくて開放的な住まいを実現することができます。

なので、これから50年以上
住み続けていくであろう住まいを
より良いものにするために、
間違えた方程式ではなく、
この正しい方程式を覚えておいてくださいね!

脱炭素時代に不必要な2つのもの

時代の流れは、
確実に脱炭素へと向かいつつあります。
ガソリン車ではなくEV車。
火力発電ではなく再エネ発電。
そして、新築住宅にも
太陽光発電の設置が義務付けられようとしています。

また、新築住宅には、
脱炭素に向けた重要な取り組みとして、
高断熱化が義務付けられているのですが、
これに加えて間取りの効率化が図れれば、
さらに冷暖房効率が高く、
快適な住まいがつくりやすくなります。

では、今回は
快適な住まいづくりに欠かせない
間取りの効率化について
お伝えしていきたいと思います。

効率化を図ることによって、
快適性が増すだけではなく
それなりにコストカットもできるので
押さえておいてもらうといいと思います。

その前にまずは断熱と気密を強化することで、
どのような効果があるのか?から
簡単にお伝えさせていただきます。

断熱と気密を強化する意味

断熱を強化すれば、
室内が外気の影響を受けにくくなります。
つまり、夏は暑さが中に入ってきにくく、
冬は寒さが中に入ってきにくいということですね。

となると、必然的に冷房や暖房の使用量が減るため、
その分電気料金が安くなるし、
より快適に過ごしやすくなります。

これに加えて気密も強化されれば、
中から外に空気が漏れにくくなり
さらに冷暖房効率が高くなるし、
家全体に出来る温度差を
できるだけ縮めることができるというわけですね。

これが、住宅の断熱と気密を強化することの
メリットというか意味合いです。

そして現在は、断熱と気密が
いずれも強化されているのが
当たり前となっているのですが、
これに加えてある2つのモノをなくせば
さらに冷暖房効率が上がり、
さらに温度差も少なくなり、
さらに快適に過ごしやすくなります。

これができれば、
コストカットできると同時に、
家の使いやすさや住みやすさも
グンとアップするはずです。

なくてもいい場所!?

まず、なくてもいい1つ目のモノが
「廊下」です。
廊下があることによって、
廊下が空気の流れを遮断してしまい、
これが家の中にできる温度差の原因となるからです。

廊下につながるドアって
開けっ放しにしておくと、
なんだか空気が逃げていっているような
感覚になってしまいます。

必然的に空気の流れを遮断する
断熱材的な役割を果たしてしまう
廊下はなくした方がいいというわけです。
せっかく、家全体に空気が循環しやすいように
住宅の断熱と気密を強化していますからね。

もちろん、廊下にも
部屋や収納と同じようにコストがかかっているし、
廊下の分だけドアの本数も多くなり、
それも地味にコストアップにつながります。

そして、もう1つなくした方が
いいモノが「階段」です。

これに関しては、
敷地にゆとりがない場合はなくすことができないので、
あくまで「平屋」が建てられる土地であることかが前提です。

階段がなくなり平屋になれば、
上下階で生じる温度差がなくなります。
(夏は2階が暑く、冬は1階が寒いという
昔の家に「あるある」の最悪の温度差です)

また、2階建ての場合、
各部屋で冷暖房を運転させないと
夏の暑さや冬の寒さに対処できませんが、
平屋で、かつ廊下がない場合、
リビングの冷暖房の空気が
家全体にうっすらと流れていくため、
そもそも2階建てほど温度差が出にくいので、
冷暖房の使用を抑えながらも、
快適な環境をつくることができます。

そして、もちろんこの階段にも、
先程の廊下同様にコストがかかっているので、
(階段には上下合わせて2坪あるので、
最低でも120万円くらいのコストがかかっています)
その分のコストカットもできます。

以上のような理由から、
これからの住宅においては、
「廊下」と「階段」はいずれも
できることならなくした方がいいというわけです。

とはいえ、
「言うは易く行うは難し」で、
この2つをなくすのは簡単そうで、
そう簡単なことではありません。

あなたがお持ちである要望を
叶えることを優先すれば、
必然的にそれらができてしまうからです。

なので、住宅会社で
間取りを描いてもらうときは、
結果的に間取りを指定してしまうような
要望はできるだけお伝えしないようしてくださいね。

これが、よりコストを抑えながら、
より使いやすく住みやすい
快適な住まいをつくる秘訣です!

窓は少ない方がいい理由

「窓を増やせば増やすほど
家の中は明るくなる!」
多くの方が、このように思うかもしれませんが、
残念ながら窓の多さと家の中の明るさには、
ほとんど相関関係はありません。

つまり、やみくもに窓を増やしたとしても
それだけで家の中が明るくなるわけではない
ということなのですが、
この行為は逆に様々なデメリットを生んでしまいます。

例えば、窓が増えれば、
その分窓掃除をする場所が増えます。
ガラスを拭いたり、網戸を拭いたり、
サッシそのものを拭く場所が
増えるということです。

また、それらの窓の多くにカーテンが必要だとしたら、
窓が増えればその分カーテン代が高くなってしまいます。

しかし、カーテンがあることによって
ガラスやサッシの結露に気づきにくくなり、
これがカビを増やす原因になることも
決して少なくないのではないでしょうか。

窓が増えれば、
その分家の断熱性能も悪くなってしまいます。
いくら以前に比べて、
ガラスやサッシの性能が良くなったとはいえ、
壁に入っている断熱材よりも、
断熱性能が良いわけではありませんからね。

そして、断熱性能同様に、
窓が増えることによって悪くなるのは家の耐震性です。

窓があるところは耐力壁にできなくなるので、
窓が増え、逆に壁が減れば、
その分耐震性が悪くなるということですね。

さらに、窓は外壁を汚す1番の原因でもあるため、
窓を増やせば、その分外壁の汚れも目立ちやすくなります。

家の正面に窓をたくさんつくってしまうと、
家の正面が汚れやすくなるので、
外壁のメンテ周期が早まることになるし、
訪問販売のリフォーム会社のターゲットになり、
出費が増えることになりかねません。

この他、窓が増え、壁が減ることによって
収納が減ってしまうという隠れデメリットもあるので、
できる限り窓が少なくなるように設計しないといけません。

もちろん、明るさや解放感を一切犠牲にすることなく、です。

窓が少なくていい家の条件

では、窓を最小限にするためには、
どのようにすればいいのか?

この答えは、
「カーテンありきの窓をつくらないようにする」
ということです。

視線の遮断と共に、
光まで遮断してしまうのが、
カーテンだからです。

視線を遮るためのカーテンが、
必要ない窓をつくることができれば、
その窓からはふんだんに光が入ってきます。
そして、壁や天井に反射して
家全体が自然光だけで明るくなります。

つまり、カーテンありきの窓にしなければ、
やみくもに窓をたくさんつくらずとも
家の中が明るくなるということです。

なので、設計をするときは
方位や環境に配慮しながら、
それぞれに適した窓の形やガラスの種類を
選んでいただければと思います。

外観をシンプルに仕上げる5つの理由

施工事例をご覧いただければ一目瞭然ですが、
SINPLE NOTEの家には正面に窓がありません。

そして、それが家の美しさを際立たせているのですが、
とはいえ、ただ単に美しさだけを追求して
そうしているわけではなく、
そこには、それなりにちゃんとした意味合いがあります。

では、今回は5つあるその理由について
お伝えしていきたいと思います。

結論としては、
この5つが全て絡み合うことによって
住まいにとって大切な
居住性と経済性を高めているというお話です。

理由①汚れにくいから

まず1つ目の理由がこれです。
外壁が汚れる最大の原因は、
窓や換気扇といった外壁から突起した部材です。
窓からダラーっと流れる垂れジミと
換気扇から出てくる黒ずんだ汚れですね。

なので、家の正面にそれらをつくらないことによって
そもそも汚れの原因を排除しているということです。

北が正面になる場合は、
直射日光が当たらない分、
余計に汚れやすいです。

そして、あまりにも汚れが目立つことになれば、
外壁の塗り替え頻度が高くなり、
維持管理コストが高くついてしまいます。

また、汚れが目立つおうちは、
訪問販売のリフォーム業者にも目をつけられやすく、
さらに出費がかさむことになるかもしれません。
(不安を煽られて工事する方向に持っていかれちゃうからです)

そんなこんなで、
建てた後の維持管理費を少しでも抑えるために、
汚れの原因を元から排除しているというわけです。

理由②:間取りが分かりにくいから

そして、2つ目の理由がこれです。
言うなれば泥棒に狙われにくくしている
という感じです。
日本は外国に比べて治安がいいので、
そこまで心配する必要もないかもしれません。

とはいえ、パッと見ただけで
間取りが分かってしまう家より、
どこからどう見ても間取りの想像つかない家の方が、
安心して暮らせそうな気がしませんか?

理由③:プライバシーが担保しやすいから

3つ目の理由がこれです。
家の正面には何も建たないため光も採り入れやすいですが、
その分、視線も入ってきやすいという
隠れデメリットがありますからね。

そして、視線を遮るために
カーテンを閉め切ってしまったら、
家の中が暗くなってしまいますよね。
これに関しては特に注意しなければいけないのが、
南向きの日当たりが良い土地ですね。

南向きの土地の場合、
南から光を家の中にたっぷり採り込みたいあまり、
大きな窓をたくさん正面につくってしまいがちですが、
そうなれば防犯性もプライバシー性も
最悪の状態になってしまいます。
なので、家の中への
光の採り込み方を工夫することによって
家の正面からの採光に頼らなくていいように
している次第であります。

理由④:意匠性を高めるため

ちょっとカッコよく書いてみましたが、
要はデザイン性を高めるということです。
携帯電話や家具や車同様に、
かっこ悪いデザインのものより
かっこいいデザインの方が良いからです。

あくまでこれに関しては、
理屈ではなく感情的な要素となるので、
説明はこのくらいにしておきます。

しかし、デザイン性を高めることは、
実は裏に隠された大きなメリットがあります!

理由⑤:外構費が安くなるから

それが、この最後の理由です。
家のデザインが美しくなると、
庭に装飾をする必要がなくなります。

家そのものが美しい場合、
庭もそれに合わせてシンプルに仕上げた方が、
家をより引き立たててくれるからです。

そしてその結果、
庭の予算を押し上げる余分な工事の
一切をなくすことができます。

また、防犯性とプライバシー性を
高めるための植栽や目隠しや塀などの
余分な工事も一切必要なくなります。

庭に掛ける費用も、
安くなるというわけです。
もちろん、無意味に広い土地を買ってしまうと
この限りではありません。

いかがでしたか?
端的に説明させていただきましたが、
こんな外観にしている理由を
大体ご理解いただけたでしょうか?

とはいえ、間取りが分かりにくい分、
家の中身がどんななのか
いまいち掴めないと思うので、
弊社のおうちを見きてくださいね!

使い勝手VS見た目

弊社が提案する家の特徴の1つに
キッチン裏にガッツリつくる
巨大なパントリーがありますが、
(これです↓)
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その意図は、
リビングやダイニングからキッチンを見たときに、
雑然としないようにするためです。

つまり、通常キッチンの背面に
あることが当たり前とされている冷蔵庫や家電類を、
全てこの収納の中に入れ込んでしまうことで
キッチン周辺に出がちな生活感を滲み出さないようにする
というわけです。

では、今回は
このパントリーをつくった場合の
メリットとデメリットについて
お伝えしていきたいと思います。

何事もそうですが、
デメリットがない万能なものなんて
ほとんど存在しないと思うので、
メリットだけではなくデメリットについても
正直にお伝えしていきたいと思います。

その上で、自分はどうしたいのか
考えてみていただければと思います。

メリット

キッチンの背面に冷蔵庫を置いた場合、
冷蔵庫にペタペタと貼ってしまう
学校や塾の予定表やゴミの日程表などが、
リビングやダイニングから丸見えになり、
これが生活感を滲み出してしまいます。

他方、パントリーの中に
冷蔵庫を置くようにすれば、
リビングやダイニング側から
冷蔵庫の姿が見えなくなるため、
冷蔵庫に予定表や日程表などを貼っても
リビングやダイニングから見えなくなります。

また、同じように
オーブンやレンジや炊飯器をはじめとした
家電類も全てパントリーの中に置くことになるし、
食品ストックなども全て
パントリーの中に置くことになるのですが、
これらも全てリビングやダイニングから
見えないようになるので、
少々雑然としていても生活感が出る心配もありません。

そして、パントリーをつくることによる
1番のメリットが、
リビングやダイニング側から見たとき、
死角の壁ができることです。

丸見えにならない壁があることによって、
予定表や日程表はもちろん、
子どもの名付けや連絡票など
見えるところで管理しておきたい書類関係を
全て心置きなく壁に貼り付けておくことができるからです。

つまり、パントリーという死角となる隠れ部屋を
キッチン裏につくることによって、
生活感が出やすいキッチン周りを
無理なくスッキリ維持しやすくなるのが、
パントリーが担う役割ということですね。

キッチンの背面は、
リビングやダイニングから見たら、
ただのスッキリとした壁になります。

デメリット

しかし、ここで多くの方が悩むことが、
冷蔵庫や家電が裏に隠れてしまうと
遠くて不便になってしまうのではないか
ということです。

確かに、コーヒーメーカーやポットなどは
使う時にキッチンに出してくることもできますが、
簡単に移動できないオーブンレンジなどは、
パントリーの中まで自分が移動していかないといけません。

また、食器などを片付けるのも
パントリーの中になると思うので、
それが面倒くさそうという方もいらっしゃると思います。

なので、振り向いたところに
それらがあってほしいと思う方にとっては、
この大型パントリーは
「良いけど、どうなんだろう?!」
と思ってしまうかもしれません。

冷蔵庫に関しては、
扉の向きが変わるものの位置に関しては、
キッチン背面に冷蔵庫を置く場合と変わらないので、
不便さは感じにくいかなと思います。

もちろん、家電置き場だけキッチン背面につくるという
この不安を解消するアイデアもあるんですが、
これを採用すると、
キッチンの背面の壁に凹凸ができてしまうことになります。

となると、
あくまで見た目の話になるのですが、
空間のスッキリ感が消えてしまうと同時に、
生活感が滲み出やすくなります。
キッチン背面にモノを置けるようにしたことで、
油断すると、そこに何でも置いてしまいやすくなるからです。

LDKのカッコよさは、
リビングやダイニングからがっつり見える
キッチンの背面のスッキリ感にかかっていると言っても
過言ではないと思います。

ということで、
「使い勝手」VS「見た目」という
この甲乙つけがたい難しい問題。
さて、あなたならどっちを選びますか?

家の性質と外構予算

土地と家それぞれに掛けられる
自分にフィットした予算を知り、
かつ、どんな家を建てたいのかを
分かった上で土地選びをすれば、
家にフィットしそうなサイズの
土地を選びやすくなります。

結果、土地にできる無駄な余白を
ミニマムに抑えることができ、
外構工事(庭)にかかるコストを
ミニマムに抑えやすくなるのですが、
外構工事というものは、
建てる家によっても価格差が大幅に変わるという
性質も持っているので、
予算の取り方に注意しないといけません。

例えば、SIMPLE NOTEの家は正面から見ると
装飾のないシンプルな箱となっているため、
このイメージに合わせた庭にしようと思うと、
塀や、アプローチ、門柱、花壇・・・といった
余計な装飾をする必要がありません。

というより、
たくさん装飾をしてしまうと、
せっかくのシンプルで美しい外観が、
台無しになってしまいます。

なので、ほとんどの方が、
車を置くところにのみコンクリを打ち、
残りは全部砂利、という
シンプルな仕上げになってくるのですが、
その結果コストは安く抑えられます。

他方、装飾することによって
デザインを整えているおうちは、
こういうわけにはいきません。
庭も家に合わせてコーデしないと、
せっかくのイメージが台無しになってしまうからです。

となると、
家のイメージに合わせた塀や、門柱、植栽、
アプローチ、花壇・・・
などを装飾することで、
家とのバランスをとっていくことになります。

結果、その1つ1つのコストが
外構工事費を押し上げしていきます。

また、SIMPLE NOTEのおうちは、
プライバシーの担保と防犯性も重視した結果、
外から見たら正面に窓がない
倉庫みたいな家になっているのですが、
この結果、プライバシーの担保や防犯性アップのために
塀や植栽や目隠しを一切する必要がありません。

家の外壁そのものが、
塀のような存在と化しているからです。

したがって、さらに外構工事費用を
カットすることができるということです。

他方、プライバシーが担保されておらず、
防犯性の低そうなおうちは、
つまり、外から家の中が丸見えとなるおうちは、
塀や植栽や目隠しなどによって、
それらを強化せざるを得なくなります。

そして、この結果、
外構工事費用がさらにかさむことになります。

このように、外構工事の予算は、
あなたがどんな家にしたいのかにもよって
大きく違ってきます。

また、これに加えて、
選ぶ土地のサイズを間違えてしまうと
さらに外構工事が高くなってしまうし、
平屋が建つ土地なのに
わざわざ2階建てを建ててしまうのも、
不用意に外構工事を高くする大きな原因となります。

なので、この事実を理解した上で家づくりを行い、
また資金計画を行っていただければと思います。

現地での土地の見方

新しく造られた分譲地の利点は、

・基本的に土地の形が整っていること
・道路幅がゆったりしていること
・水道や排水が整っていること
・隣地との境界が明確なこと
・親子ともに同世代の人たちがご近所さんになること
ですが、基本的に価格が
高めに設定されています。

他方、新しく造られた分譲地ではない場合、
それらの利点のいくつかが欠けていることもあって、
新規分譲地に比べると価格が安いことが多いのですが、
予算的な都合であなたがこっちの土地を
選ばないといけないとしたら、
現地での土地の見方を知っておく必要があります。

では、今回は
こういった土地を選ぶ際に
現地で確認しておくことについて
お伝えしていきたいと思います。

おそらく
・日当たり、形の良し悪し
・浸水しそうな場所かどうか
・近隣の雰囲気や環境
・道路の広さや車の止めやすさ
・学校や職場へのアクセス
などはみなさんチェックすると思うので、
それらは割愛して
コストに直結する部分に絞って
お伝えしていきたいと思います。

境界がどうなっているか?

まず1つ目が「境界」の状況です。
隣地との間に境界がない場合、
境界をつくらないといけないため、
その費用が土地代と別に掛かるからです。

また、境界があったとしても、
塀が古く傾いている場合や
壊れてしまっている場合は、
一旦それらを壊してつくり替えないといけません。

したがって、土地を見に行った際に、
境界がどんな状況なのかまで
チェックしておく必要があります。

そして、不動産屋さんに
これらを売主負担でやってくれるのか、
あるいは自己負担でやらなければいけないのかを
確認しなければいけません。

そもそも境界が明確ではない場合、
境界を明確にするための境界確定を
売主負担でやってくれるかどうかも、
買う意思表示をする前に
確認しておかないといけません。

水道があるかどうか

次に見ておくことが、
水道が敷地内に入っているかどうかです。

過去に入ってた場合は、
水道メーターボックスがあるか、
ここに引き込まれていますよという目印が
現地にあるかもしれませんが、
これも見落とさずに確認するべきです。

もし入っていなければ、
前の道から引き込まないといけないし、
そうなれば、結構な工事代が
別で掛かることになります。

あるいは、敷地内に引き込まれていても
現在の基準を満たしていない場合は、
基準を満たした太さに新たに引き込み直さないといけないので、
この場合も同じだけの費用がかかります。

なので、これも現地にて
チェックすることを忘れないようにしてください。

ちなみに、これは確実に
自己負担でやらないといけない工事です。

道路に側溝があるかどうか

そして、水道ついでに見ておくべきことが
道路の端に蓋がされた溝があるかどうかです。
つまり、排水先があるかどうかですね。

自分が検討している土地に沿って
溝があるなら問題ないのですが、
仮に自分側ではなく道路の反対側にある場合は、
そっちに排水を接続しなければいけないので、
その分水道工事が余分にかかるし、
もし、排水先が見当たらないとなれば、
そもそも建築することができません。

なので、これも水道とともに
しっかり現地でチェックし、
排水先がある場合、
排水のために別で費用がかからないかまで
確認するようにしてくださいね!

多くの地域で、溝を管理している
水利組合という組織があり、
そこに支払う費用が必要だったりします。

見えない費用に注意!

ここまで、境界・水道・排水の3つについて
お伝えしてきましたが、
分譲地とそうでない土地の1番大きな違いは、
この3つが整っていることが当たり前か否かです。

そして、これらが整っていない場合、
例え土地価格が安かったとしても、
場合によってはこれらの工事代によって
土地にかかる総額が新規分譲地より高くなる
可能性もあります。

したがって、この3つを確認し、
これらの工事がもし別途で必要そうなのであれば、
これらの費用を算出した上で、
土地の価格が妥当なのかどうかを
見極める必要があります。

ということで、
見える価格だけではなく、
見えない費用まで知った上で、
価格も含めた土地の良し悪しを
判断していただければと思います。


土地を安く買う秘訣

多くの方が、
新しく造られた分譲地を好んで購入しようとしますが、
この場合、やってはいけないことが、
南向きの土地を買おうとすることです。

理由は簡単。

1番価格が高いからです。
かつ、値段交渉も不可能だからです。

土地探しをするときは、
できれば南向き以外の土地にしていただくことを
推奨しているのですが、
その理由は一体なんなのでしょうか。

日当たりがいい土地をスルーするべき理由

それは、日当たりがいい土地ほど、
想像とかけ離れた家になってしまいやすいからです。

例えば、南向きの土地で南向きに部屋をつくり、
その南面に大きな窓をつくれば、
とっても明るい家の完成を想像するでしょう。

しかし、いざ住みだすと、
そこに設置したカーテンを開けることができません。
中が丸見えになってしまうからです。

結果、室内に十分な光が採り込めず
奥の方に配置した部屋が全て暗くなってしまうし、
同時に、風を家の中に入れることもできません。

また、リビングの外に設けた
ウッドデッキを使えるようにするために、
目隠しや塀や植栽などが必要となり、
外構工事(庭づくり)にコストが必要となります。

つまり、土地を買う時の期待値と
実際得られる成果との間に大きな開きが出てしまう上、
土地に加えて外構工事まで価格が跳ね上がることによって、
経済的な負担をさらに押し上げてしまいます。

他方、土地の日当たりの良さと
家の明るさや心地よさには全く相関関係がなく、
むしろ一見条件が悪そうな土地の方が、
明るくて心地いい家を設計しやすいと
家づくりをする前に知っていれば、
日当たりを無視して土地選びをすることができます。


そして、南向きの土地に建つ家より、
明るくて心地いい家を
南向きの土地よりも価格を抑えながら
建てることができます。

美しく整えられた分譲地がいいという方には、
南向き以外の土地はもちろん、
1番価格が安い土地をおすすめしている次第です。

土地の探し方

推奨している土地の探し方ですが、
資金計画で出た現実的な土地価格の範囲内で、
できるだけ情報を集めて
1つ、1つ現地を見に行くことです。

これは、弊社が実際にやっている方法で、
とにかく良い悪いに関係なく、
その予算の範囲内である土地情報を集めて
それを全て下見した上で、
良さそうな土地を厳選して
ご提案させていただいています。

この方法で土地選びをすると、
リアルに同じ地域で買う分譲地よりも、
数百万円も価格を抑えながら土地を買うことができます。
(場合によっては半値くらいのこともあります)

ただし、この方法をやるためには、
土地を探す前にどんな家を建てたいのかを
ある程度決めておかないといけません。

あなたが家に掛けられる予算がどれくらいなのか?
その予算でできる家はどれくらいの広さになりそうなのか?
平屋が良いのか?2階建てでも良いのか?
などなど・・・です。

これが分かっていると、
そのために必要な土地の広さが
どれくらいなのかがわかるため、
土地探しの依頼をしやすくなります。

そして、集まってきた土地情報に対して、
どんな家になるのかをイメージしながら
下見に行くことができるため、
より土地選びがしやすくなります。

ただ、分譲地ではない土地を狙っていく場合、
境界や水道や排水などを現地でチェックしておく必要があるので、
その点に注意しながら土地を見なければいけないし、
それらに余分な費用がかかる場合が多々あるので、
それらも考慮した上で、
土地の良し悪しや価格の良し悪しを
判断しないといけません。

とはいえ、大胆に土地価格を抑えるためには、
こういった分譲地ではない土地も
視野に入れるべきだと思うので、
どうしても土地を買わなければいけない状況の方は、
ぜひ参考にしてもらえたらと思います。

家づくりの現実と打ち手

昨今、住宅の価格は
原材料費の上昇と税負担の上昇、
そして基本スペックの上昇によって、
上昇の一途を辿っています。

また、それに加えて
インターネットやSNSの普及に伴い
追加オプションがどんどん加わり、
より家の価格が押し上げられていっているのが現状です。

結果、3年前と比べると、
ざっと400万円~500万円くらい
価格差があると感じているのですが、
これを踏まえた上で
私たちが考えなければいけないのが、
今後はどのような家づくりを提案すべきか
ということです。

これまで通りの家づくりをしていたら、
明らかに家を建てる人が背負う負担が大き過ぎ、
これから迎える人生100年時代を
豊かに生きていくことが出来なくなってしまいます。

ということで今回は、
家づくりの負担を下げる打ち手を
一緒に考えていきたいと思います。

家づくりは大きく分類すると
「土地」「家」「庭」
の3つがあるのですが、
まずは、負担額の最大のカギを握る「土地」から
行きたいと思います。

毎月の返済額の基準

今までに何回かお伝えしていますが、
個人的には、毎月のローン返済額は、
ご主人の手取り金額の30%以内に
抑えるべきだと思っています。

家以外にも、子どもの将来や
自分たちの老後のための
積み立てをしていかないといけないし、
家を持ったらそれで終わりではなく、
家を維持していくためにも
それなりの費用がかかり続けるからです。

そして、それらの費用に
奥様の給料は全額飛んでいくと言っても
過言ではないからです。

仮にご主人の毎月の手取りが
25万円だとした場合、
返済額の上限は75,000円ということになるのですが、
この場合、35年ローンで逆算した借入額は
ざっと2650万円になります。

なので、このローン額に
自己資金を合わせた額が
あなたが家づくりに掛けられる
上限ということですね。

では、350万円自己資金があり、
建てる家に2200万円かかるとしたら、
あなたはどのように家づくりをすべきなのでしょうか?

外構工事(庭)に100万円、
地盤改良工事に100万円、
諸経費に150万円かかるとして
考えてみてください。

この場合、土地に掛けられる費用は、
土地に掛かる別途経費も含めて、
450万円ということになります。

なので、土地から買わなければいけない場合、
土地そのものに掛けられる予算は、
350万円~400万円ということですね。

「話にならない!!」
と思われたかもしれませんが、
実は、これが家を建てるほとんどの人たちが
目を向けなければいけない現実です。

経済的な面を重視してみたら、
とてもじゃないけど
土地に1000万円も予算をかけている場合ではないんです・・・
全額、親からの援助でもない限りは。

1000万円の土地を買った場合、
100万円ほど別途経費が掛かると考えると、
ざっと650万円予算が押し上がり、
毎月の返済負担が20,000円くらい
上がってしまいます。

かつ、それは35年もの長い間、
固定されてしまいます。

負担が増えた分、
貯金の原資も減るため
繰上げ返済のために貯金するにしても、
思っている以上にお金も貯まらないでしょう。

それに加えて、今後は
ますます社会保障費や税負担が上がり、
20,000円手取りを増やそうと思うと、
40,000円近く給料が上がらなければ
いけないようになると思うので、
その点から見ても、
住居費の割合を抑えることは大事なことです。

土地を買わないという選択肢

そこで、個人的におすすめなのが、
土地を買わないという選択肢です。
つまり、実家に土地が余っているなら、
そこに建てるということです。

もちろん、
実家に土地が余っていない人は、
土地を買わざるを得ないし、
「親の近くで暮らすのは嫌だな」と
思っている方もいると思うので、
絶対にそうした方が良いというわけではありません。

ですが、「それもありかも!?」と
思える余地があるのなら
もう少し具体的に検討してみても
いいんじゃないかなと思います。

仮に、実家に土地があり、
土地に掛かる負担を
全額親が負担してくれたとしたら、
あなたは丸ごと土地に掛かる費用を
削り落とすことができます。

先程の場合であれば、
2550万円で家づくりをすることができる
ということですね。

また、ご両親の年齢や
仕事状況にもよりますが、
実家の近くに住めば、
お子さんを見てもらいやすくなります。

結果、夫婦そろって
がっつり働き続けることができるし、
お子さんが休んだり早退するようなときも
仕事を休む必要もなくなるでしょうから、
仕事の選択もしやすくなります。

実家に住んだ場合の、
メリットばかり挙げてみましたが
とはいえ、親の近くに住むということは、
逆に言うと生活に干渉される恐れもあるため、
感情的に大丈夫なのかが結構大きいと思います。

なので、その点も夫婦でじっくり話し合った上で、
最良な家づくりの選択を行ってください。

とにかく、土地は
家づくりの予算を最も左右する材料なので、
ここを1番よく考えてから
家づくりを始めてくださいね!


コストを下げる打ち手も知る

家のコストを最も左右するのは家の面積ですが、
これは、みんなができるだけ広くつくりたいと思っている
リビングダイニングキッチン(LDK)とて
決して例外ではありません。

つまり、LDKも広くつくればつくるほど
それに連動して家の価格が高くなるということですね。

となると、
①家の価格が高くなるか
家の価格が高くなるのが嫌であれば、
②高くならないようにLDKを削る
③LDKを削るのが嫌なら別のところを削る
の3つのうちのどれかを
選択していただくことになるのですが、
あなたならどの選択をされるでしょうか?

では、具体的に数字を当てはめて
考えてみましょう。
個人的には、LDKの広さは
16帖がちょうどいいと思っているので、
独断と偏見でこの広さを基準として、
数字を当てはめてみます。

(対面式のキッチンに4~6人掛けのダイニングテーブル、
そして3人掛けのソファが収まるのがこの広さです)

①の選択の場合

例えば、あなたがLDKを
20帖でつくりたいとお考えだとしたら、
4帖家が大きくなるということになります。

となると、2坪家が大きくなるのですが、
そうなれば約120万円家の価格が高くなります。

なので、それでもLDKを大きくしたい
とお考えであるとしたら、
また、予算的にも全く問題ないのであれば、
そうした方が良いでしょう!!

②の選択の場合

他方、LDKは広くしたいけど、
それに逆行して予算は削らなければいけないとしたら、
LDK以外で削れるところがないか
考えてみていただきたいのですが、
それが難しいとしたら、
余分に広くつくろうとしている
LDKを削らざるを得なくなります。

つまり、20帖ではなく
16帖でつくるということです。

この場合、そうするかしないかを判断する基準は、
LDKに置こうと思っている家具のサイズが
16帖になったとしても問題ないかどうかです。

例えば、L型の大型ソファを
リビングに置きたいとお考えであれば、
もしかしたら、ダイニングとリビングの間に
全くゆとりがなくなってしまうかもしれないし、
ソファを置かないのであれば、
そうしていただいても全く問題はないでしょう。

なので、LDKの広さを決める基準として
どんな家具を置こうと思っているのかと
そのサイズ感を把握してもらっておくと
どうするかの判断がよりつきやすいかと思います。

③の選択の場合

LDKは広くつくりたい・・・
でも予算は上げたくない・・・
おそらくこうお考えの方が大多数ではないでしょうか。

ここで大半の時間を過ごす
と言っても過言ではないことから、
できるだけ開放感のあるLDKにしたいという方が多いと思います。

例えば、10帖にしようと思っていた寝室を6帖にすれば、
コストを増やすことななく
LDKを広くつくることができます。

あるいは、6帖にしようと思っていた
子ども部屋を4帖半にすれば、
そして子ども部屋が2部屋だとしたら、
わずかなコストアップでLDKを広くつくることができます。

あるいは、壁面を有効活用して収納をつくれば、
床面積を減らしながらも
よりたくさんのモノが片づけられる
収納にすることができるし、
そもそも平屋にすれば、
階段分面積を削ることができるし、
廊下をなくすことができれば、
部屋も収納も縮めずとも
面積を縮めることができます。

なので、どうしてもLDKを
小さくしたくないという方は、
これらをバランスよく採用することによって、
コスト調整していただければと思います。

最後に

LDKは16帖でちょうどいいと思っているので、
個人的におすすめなのは、
「LDKも小さくしながらそれ以外の所も削る」という
また別の選択肢です。

理由は、家にお金を掛け過ぎるよりも
もっと別のことにお金を掛けるべきだと
思っているからです。

例えば、この選択をすることによって
240万円コストが下がったとしましょう。

となると、ローンの利息も含めると
300万円お金が浮いたことになるのですが、
そうなれば家族で旅行に行く回数が増えるし、
旅行プランもより良いものにでき、
思い出づくりや子供たちに貴重な体験価値を
与えてあげることができます。

また、そのお金を老後のための
運用資金に回すことができれば、
これからの暮らしの不安を少しでも
和らげることができます。

もちろん、せっかく建てるので
妥協したくない気持ちがあるでしょうし、
SNSやインターネットの普及によって
かつてないほど広告にまみれた世界に生きているため、
その誘惑に負けてしまうのもある程度仕方ないと思います。

ですが、35年と言う長期間
負債を背負ってしまうのが家づくりでもあるため、
未来とも向き合ったうえで予算を考えるべきだと思います。

なので、これから家づくりをしようと思っている方も、
今まさに家づくりをしている方も、
コストが上がるコトばかりではなく、
コストを下げるための知識も、
同時に身につけていっていただければと思います。

合理的に考えるべき子供部屋

子ども部屋の広さは
6畳がスタンダードですが、
ここ最近は4帖半へ変わりつつあるようです。

実際、弊社も4帖半で
提案させていただくことが多いのですが、
2.6m×2.6mのこの空間に
置こうと思っているものが
シングルベッドと学習机だとしたら
これでも問題ありません。

また、子どもたちの多くは、
高校卒業とともに家を出て行くでしょうし、
となると、そのまま帰ってこないかもしれないので、
その点も考慮すると、
そこにかけるコストを最小限にしておくことは、
賢明な選択ではないでしょうか。

ということで、前回の寝室に引き続き、
今回は子ども部屋について
お伝えしていきたいと思います。

主な論点としては、
子ども部屋の広さではなく、
2階につくるべきなのか、
それとも1階につくるべきなのか、
ということです。

子どもが小さいうち

まず、子どもが未就学の時に
家を建てる方が多いと思いますが、
では、子ども部屋を2階につくった場合、
果たして子どもたちは
自分の部屋を使いやすいのでしょうか。

もちろん答えは「NO」ですよね。
子どもたちは、お母さんの姿が
見える場所でずっといますからね。

つまり、子どもたちは
ずっとリビングやダイニング付近で過ごすため、
そこに子どもたちの絵本やおもちゃなどを
集中して置くことになり、
いつもリビングダイニングが
散らかった状態になってしまいます。

全く使われてもなく散らかってもいない
2階の部屋とは裏腹に、です。

一方で、子ども部屋が1階にあると、
絵本やおもちゃを
子ども部屋に置いておきやすくなるし、
常に母親の姿が見え、気配が感じられれば、
自分の部屋でも安心して過ごすことが出来ます。

結果、リビングやダイニングを
比較的片付いた状態のまま保ちやすくなります。

子どもたちは、片づけてもすぐに散らかすでしょうから、
それが自分の部屋であるなら、
少々散らかっていても全く気にならないし、
来客時もそのドアさえ締めておけば、
片付けにあたふたすることもありません。

子どもが思春期に入ってから

多くの方が、
主に思春期のことを想定して
子ども部屋をつくろうとします。

十分なプライバシーを担保するために、
親が居るリビングやキッチンとは
階層を隔てた2階にすべきだと。

もちろん思春期のこどもたちにとって、
これは嬉しいことかもしれませんが、
この時期に重視すると、
2階に子ども部屋をつくってしまう可能性が
高くなります。

結果、先程お伝えした通り、
子どもが思春期に入るまでの間、
リビングやダイニングが散らかりやすく、
10年余りもの長期間片付けや掃除に悩みながら
過ごし続けることになります。

なので、子どもの思春期の時を
重視したいという方は、
必要な時、子どものプライバシーが確保してあげられるように
1階に子ども部屋をつくることを
おすすめしています。

子供が出て行った後

悲しい現実かもしれませんが、
進学や就職、結婚を機に
やがて子どもたちは家を出て行きます。

となると、子どもたちの部屋は空き部屋となるのですが、
家を建てるときは、
そうなることを想定した上で、
間取りを考えておくべきです。

そして考えると、子ども部屋は
2階にあるより1階にある方が、
使い勝手がいいような気がしませんか?

自分たちの部屋として使うにせよ、
収納部屋として使うにせよ、
客間として使うにせよ、です。

また、もっと長い目で考えると、
歳をとり足腰が悪くなったとしても、
1階だけで過ごせるようにしておけば、
生活に困ることもなければ、
1階に部屋や収納が足りないことによる
増築工事をする必要もなくなります。

いかがですか?

子ども部屋に関しては、
ずっとその用途で使い続ける空間ではないため、
この部屋をライフスタイルに応じて活用できれば、
より使いやすく、利便性に富み、
暮らしやすい住まいをつくることができます。

なので、この子供部屋に関してもまた
固定概念に縛られず、
柔軟に考えてみてもらえたらと思います。


寝室の適切な広さ

住宅展示場に行くと、リビングはもちろん、
寝室もかなりゆったりとつくられているし、
普通に建てられているおうちでも、
寝室は子ども部屋よりも広めにつくられるのが一般的です。

なので、家を建てえるにあたって
いくつか家を見て回っているうちに、
「どの家も、寝室は広めに設計されている」
  ↓
「寝室は広めなのが普通なのかな」
「寝室は広めがいいんだな」
  ↓
「我が家も寝室は広めにしておこう」

となり、自然とゆったりとした寝室を
つくることになります。

しかし、家の床面積が増えれば
家のコストも高くなってしまうので、
できれば大きくする必要がない場所は、
最小限のサイズでつくるべきではないでしょうか。

例えば、寝室で多いのが10帖という広さですが、
そもそもこの広さがいったいどれくらいなのか
ご存知でしょうか?

感覚的にどれくらいとかではなく、
縦横それぞれ何㎝ずつあるのか
知っているかどうかということです。

10帖という広さは、
長手方向の有効寸法が4m42㎝で、
短手方向の有効寸法が3m51㎝なのですが、
これを知ったうえで考えていただきたいことが、
この部屋には一体何を置く予定なのかということです。

シングルベッドを2台並べるのか?
それともクイーンサイズのベッドが1台なのか?
それともダブルベッドを2台並べるのか?
それともベッドは置かず布団を敷いて寝るのか?

そして、もしベッドを置くとしたら、
それぞれのベッドのサイズを知っておくことも重要です。

一般的なサイズとしては、
シングルベッド=幅90㎝
セミダブルベッド=幅120cm、
ダブルベッド=幅140cm、
クイーンベッド=幅180cm、
といったところでしょうか。
(長さは全て2mくらいです)


では、これを踏まえたうえで、
あなたはどのベッドを何台置く予定でしょうか?

ここで、仮にダブルベッドを
2台並べて置くとして考えてみると、
ベッドが占有するスペースは
140cm×2台=2m80cmとなり、
どちらも長さは2mなので、
4m42cmー2m80cm=1m62cm、
3m51cmー2m=1m51cmとなり、
かなりの余白が部屋にできることになります。

では、寝室に隣接して
広々したウォークインクローゼットを
つくっていると仮定して考え、
そこに衣類も布団も雑貨も全て片付けられるとしたら、
あなたはベッド以外寝室に置くものはあるでしょうか?

タンス?
おそらく持ち込まない人が多いだろうし、
持ち込んだとしても、
ウォークインクローゼットの中に
納めるよう設計しますよね?

ドレッサー?
おそらく化粧も洗面かリビングでするので、
これもいらないですよね?
だとしたら、リビングや洗面に
それらを片づける場所を確保しておくことが大事ですよね?

テレビ?
スマホを持つのが当たり前の今、
テレビも寝室には必要ないですよね?
そして、仮に必要だとしても
壁掛けにすれば全く場所を取らないですよね?

そんなこんなで、
寝室は10帖も必要なく、
もっと削ることができるというわけですね。

たとえダブルベッドを2台並べて置くとしても、です。
この部屋は、文字通り寝るだけの部屋なので、
寝ている時間以外ここで過ごすことは
ほとんどないかと思います。

仮に、6帖にすることができれば、
4帖(=2坪)家を小さくすることができるため、
平屋なら約120万円。2階建てなら約100万円、
これだけで建築コストをカットすることができます。

もちろん、資金的にゆとりがあり、
どうしても寝室は広い方がいいとお考えなら、
そうする必要もありません。

でも、この浮いたお金分予算が削れるとしたら、
これを家以外の何かに使うことができるし、
あるいは、この浮いたお金を
グレードアップや本当はやりたかったこと
(漆喰壁や塗り外壁、ステンレスキッチンなど)
に使うことができます。

なので、たとえ他のみんなが、
当たり前のように広々と寝室をつくっていたとしても、
あなたにとってそれは必要ないと思ったら、
そんなの気にせず必要な広さでつくってもらえたらと思います。

今回は、寝室に集中してお伝えさせていただきました。
ぜひ参考にしてみてください!

光の種類と間取りの可能性

前回、土地に合わせて家を建て、
無駄な余白をつくらないことが、
外構工事の予算を大幅に狂わせないために必要だと
お伝えさせていただきましたが、
とはいえ、これを実行するのは、実はそう簡単なことではありません。

なぜなら、できるだけ敷地いっぱいに
家を建てようと思えば、
土地の日当たりの良し悪しに関係なく
建物を配置せざるをえないからです。

つまり、日当たりが悪い場所にも
部屋をつくってもいいですよとならなければ、
この実現は難しいということですね。

例えば、すぐ南に家が建っている土地に家を建てる場合、
真夏以外はその敷地には日陰ができることになります。

なので、一般的には日陰となる部分を避け、
直射日光が入る位置に家を配置します。
そして、できるだけ全ての部屋を南向きでつくります。

結果、必然的に2階建ての家が完成します。
かつ、敷地に余白がたくさんできることになります。

しかし、ここで立ち止まって考えてもらいたいことが、
「すべての部屋の日当たりを
本当に良くする必要があるのか?!」

ということです。

まずは「寝室」です。
なぜなら、寝室は文字通り寝るだけの部屋なので、
太陽が昇っている時間に使うことがないからです。

つまり、それなりに明るくはしたいものの、
そのためにわざわざ直射日光が入り続ける
南に位置させる必要はないのでは?ということですね。

また、「子供部屋」に関しても、
同じことが言えるのではないでしょうか?

子どもたちは、平日の昼間は学校に行っているし、
休日も自分の部屋ではなく、
広々としたリビングで家族と共に過ごすでしょう。

そして、やがて受験を迎え、
部屋で過ごすことが多くなったとしても、
直射日光が日中ずっと差し込む部屋では
かえって勉強に集中しにくいのではないでしょうか?

光は直射日光だけではない?

家づくりをするときに知っておくべきことが、
光=直射日光だけではないということです。

例えば、北の窓からは
1日を通してずっと直射日光が入ってきませんをが、
かといって北窓は暗いわけでもなければ、
むしろ日中ずっと安定した光を室内に採り込んでくれます。

また、家の中の壁を白くする理由は、
室内に入ってきた光を反射させ
家全体に拡散するためです。

この2つのことから言えることは、
光は何かに反射して拡散していくということなのですが、
この反射光をうまく使えば、
家全体に満遍なく光を届けることができます。

とはいえ、
カーテンで光を遮ってしまうと、
光が入ってくることもなければ、
光が拡散していくこともないので、
そもそも論として、
いかにカーテンがいらない窓をつくることが出来るかが
鍵になってきます。

しかし、光にはこの2種類がると
建てる前に理解しておけば、
どの部屋にどちらの光が必要なのかがわかるため、
部屋の配置に柔軟性を持たせることができます。

また、日陰にも部屋を配置することができるため、
わざわざ直射日光のために、
部屋を2階につくる必要もなくなり、
敷地をより有効活用できるようになります。

そして、外構工事のコストを落とすことができます。
同時に、1階が大きくなれば、
家の使い勝手もいいでしょうし、
将来的にもその方がいいかもしれません。

ということで、家を建てる前に
「光は直射日光だけではないよ」ということを、
ぜひ知っておいてくださいね!

家づくりの3つの基本

外構工事にかかるコストは、
建てる家や土地の状況によって
大きく異なるのですが、
その相関関係をよく理解していないまま
家づくりを進めてしまうと、
終盤で家づくりの予算が
大きく狂ってしまうことになります。

結果、泣く泣く貯金を切り崩すか、
親に援助してもらうか、
中途半端な状態で放置するか、
の選択を迫られることになります。

なので、後からそんな悲惨な状態にならないためには、
外構工事のことまで考えて、
予算、土地、家の計画を立てていかなければいけません。

では、今回は
外構工事の予算が大きく狂わされないために
知っておくべき3つのことについて
お伝えしていきたいと思います。

どれも言われてみると、
「確かにそうですよね!!」と思うことですが、
案外気が付いていなくて、
この3つを原因に工事費用がかさんでしまっているので、
ぜひこの機会に知っておいてください!

土地は広くしない!

当たり前のことですが、
土地を広くすればするほど、
外構工事は高くなります。

なので、新たに土地を買うにせよ、
田んぼや畑を造成するにせよ、
できるだけ土地は小さくすべきです。

ですが、いざ土地を探しだすと、
更地の状態では土地は狭く感じてしまうがゆえに、
土地を広げようとしてしまいます。

また、田んぼや畑を造成する場合は、
「せっかくなので広めにしておこう!」となりやすく、
意味なく広い土地をつくってしまいがちです。

結果、工事面積が広がり、
想定以上の工事見積が出てきて、
後からびっくり(゚д゚)!となってしまいます。

土地に合わせて家を建てる!

土地を広げ過ぎると
外構工事面積が広がるのと同じように、
土地に余白をつくり過ぎるのも、
外構工事面積が広がる原因になります。

例えば、土地面積が60坪もあれば
十分平屋を建てることができるのですが、
多くの方が当たり前のように、
この広さの土地に
総2階建ての家を建てようとします。

もし、30坪の平屋を建てれば、
外構工事面積は残りの30坪だけで済むのに、
ここに上下15坪ずつの2階建てを建ててしまったら、
さらに15坪分外構工事面積が増えることになりますよね?

もっと酷いのは、
平屋を建ててもまだ余り過ぎるくらい
広い土地であるにも関わらず、
総2階建ての家を提案することです。

おそらく、これはそうした方が
家のコストが安くなるから
そういう提案をしているのだと思いますが、
そうすることによって
安くなった家のコスト以上に
外構工事のコストがかかってしまうとしたら、
意味がないと思いませんか?

家と外構は必ずセットで考える!

最後に覚えておいていただきたいことがこれです。

例えば、SIMPLE NOTEのおうちは見た目がおしゃれなので、
庭に華美な装飾を加える必要もなければ、
防犯性とプライバシー性に配慮した住まいになっているので、
目隠しや塀や植栽などをする必要もありません。

結果、最低限の外構工事だけで良いので、
工事費用も最小限に抑えられます。

他方、失礼な言い方にはなりますが、
見た目がおしゃれではないおうちは、
庭に装飾を施すことによってそれをカバーしなければいけません。

また同時に、防犯性とプライバシーが担保されていないおうちは、
目隠しや塀や植栽などによって、
そのどちらも補ってあげないといけません。

となると、外構工事にかかる予算は、
最低でも2倍は違うし、
場合によっては3~4倍のコストがかかることも
決して珍しくありません。

なので、外構工事のコストは、
建てる家によっても違ってくるということも
建てる前に覚えておいていただければと思います。

理想の予算とその実現方法

今や共働きはごく当たり前となっていますが、
共働きであることを前提としても、
毎月の返済額は
ご主人の手取りの30%以内で抑えるべきかなと
考えております。

仮に手取りが
30万円だとしたら9万円以内、
25万円だとしたら7.5万円以内、
20万円だとしたら6万円以内、
といった感じですね。

理由は、家という資産を持った以上、
資産を維持するためには
それなりの費用がかかるため、
その時に備えてコツコツと貯めていかないといけないし、
子どもたちの進学の費用も
コツコツと貯蓄していかないといけないし、
働き続けるために自分への投資も怠ってはいけないし、
豊かな老後を過ごすために
長期積立投資もしていかないといけないからです。

そして、旅行に行ったり、遊びに行くなど
非日常を体験するためには、
まとまった資金が必要になってくるからです。

つまり、こういった費用に
おそらく奥様の給料の大部分が
消えていくことになる可能性が高いから、
できるだけご主人の収入の範囲内で
家づくりをした方がいいということですね。

とはいえ、そんな想いとは裏腹に、
無情にも建築コストは大幅に上がってしまったので、
これから家を建てる方は、
これまでの常識を一掃しなければ、
この作戦を実現するのが難しいのではないでしょうか。

例えば、ご主人の手取りが25万円だとしたら、
あなたが設定すべき毎月のローン返済額は
7.5万円以内ということになりますが、
仮に35年返済でローンを組み、
1%の固定金利を選択したとしたら、
借り入れできる額は2650万円となります。

そして、これに自己資金に合わせた額が、
あなたが家づくりに掛けていい金額となります。
つまり、貯金の一部と親からの援助を
足した金額が300万円だとしたら、
合計2950万円が総予算ということですね。

では、土地と家と庭以外に250万円かかるとしたら、
あなたは残りの2700万円で
どのような選択をするべきなのでしょうか。

土地がない場合、どこで買うべきなのでしょうか。
どれくらいの予算を土地に掛けるべきなのでしょうか。
そもそも土地を買わず、実家の余った土地に
建てさせてもらうべきなのでしょうか。

まずは、ここから夫婦で話し合って
よく考えて決断しなければいけません。

この場合、個人的には土地を買うとしたら、
土地の予算を500万円以内に抑えるべきかなと思います。
そして、庭に50万円、家に2150万円
という予算設定をします。

理由は、子育て世代の家族が
不便なく暮らしていくための家を建てようと思えば、
家にはこれくらいの予算が必要だからです。

とはいえ、この予算で建てられるおうちは、
周りの人に比べて大きなおうちではありません。
むしろ面積だけ聞くと「えっ?」と驚く広さでしょう。
周りの人よりも部屋数も少なくなるでしょうし、
1つ1つの部屋も少しずつコンパクトになるでしょう。

なので、あなたが家に多くを望むのだとしたら、
土地は買わずに実家に余っている土地に建てる
という選択をおすすめします。

そうすれば、土地を買うよりも
土地に掛ける予算を抑えることができ、
家の予算を増やすことが出来ます。

最悪の選択肢とその理由

家づくりをするうえで
最も取ってほしくない行動は、
予算の枠を大幅に超えてしまうような
土地を買おうとしたり、
家を建てようとすることです。

もちろん、共働きであれば
土地と家の予算を両方増やしたとしても、
ローンも組めるし、
たちどころに返済が苦しくなるわけではないと思います。

しかし、その上がった予算を
奥様の収入から補填するとなれば、
必然的に先程申し上げた費用のどれかを
削らなければいけなくなります。

500万円予算が上がったら毎月1.5万円分、
1000万円予算が上がったとしたら毎月3万円分、
何かを削らないといけないということですね。

仮に「つみたてNISA」を利用した
長期積立投資の掛け金を削ることになったとしたら、
35年後には2000万円~3000万円くらい
持っているお金に違いが生じているかもしれません。

なので、行先が不透明な
これからの時代に備えていくためにも、
まずは家づくりの予算を
ご主人の収入だけでやっていけるくらいに設定すること、
そして、その予算の中でどんな家づくりができるかを
自らの選択肢と照らし合わせて、
これまでの常識や周りの意見に振り回されることなく
冷静にじっくりと考えてみていただければと思います。

家づくりに失敗しないための視点

一般的に北向きの土地は日当たりが悪いか
あるいは悪そうなイメージから敬遠されがちです。

実際、南に隣接して2階建ての家が建っている場合、
日中、土地の半分くらいが
陰になっていることが多いのですが、
仮にあなたが、そんな土地に家を建てなければいけないとしたら、
どのような要望を建築会社にお伝えしますか?

北向きの土地で1番課題になるのが、
リビングダイニングキッチンの
明るさをどのように確保するのかです。

南からの光を採るために、南にリビングを配置しても
光は入ってこないでしょうし、
かといって、光を確保するために、
南に隣接する家からできるだけ距離を離そうとしても、
土地にかなりの奥行きがなければそれもできないからです。

また、南から光が採りにくい場合、
東や西から補助的に光を採ろうとしますが、
この場合も、その方向に家が隣接して建っているとしたら、
光が十分に入ってこないし、
逆に家が建ってないとしても
丸見えになってしまうとしたら
カーテンで光を遮断してしまいます。

周りの家の位置関係も確かめながら、
実際暮らし始めたら
どういう状況になるのかまで考えた上で、
間取りを考えていかないといけません。

間取りは単純に動線や使いやすさだけを
考えてつくればいいわけではないので、
これが家づくりの難しいところです。



固定概念がもたらす後悔

そして、北向きの土地の場合、
「南向きで部屋をつくらなければいけない」と思いながら
家づくりをしてしまうと、
家の見た目が悪くなるとともに、
家が汚れやすくなってしまいます。

トイレ、洗面、お風呂などの水回りが北面、
つまり家の正面に配置されやすくなるからです。

水回りが家の正面に配置されると、
窓がたくさん正面にできると同時に、
サイズや位置も不均一なため、
外観のバランスが崩れやすくなります。

また、水回りには換気扇も必要なので、
外観が崩れてしまいます。

そして、この窓や換気扇が、
外壁を汚す大きな原因となります。
窓や換気扇から伝う垂れジミや、
換気扇から出る黒ずんだ汚れが、
家の正面にその数だけできてしまうからです。

結果、見た目が美しくない家になってしまうだけではなく、
非常に汚れも目立ちやすく、
後悔が絶えない家になりやすいというわけです。

なので、北向きの土地で気を付けるべきことは、
「部屋を優先して日当たりの良い場所に配置しなければいけない」
という思い込みを持ったまま家づくりをしないということです。

安定した採光を確保するためには、
隣接する建物から十分な距離を確保する必要があるのですが、
北向きの土地の場合、
単純に部屋を南に配置するだけでは、十分な採光は確保できません。

また、光を阻害する建物がない方向に
窓をつくることによって採光を確保するにしても、
その方向が丸見えになるのだとしたら、
プライバシーの担保のためにカーテンをせざるを得ません。

この問題を解決するためには、
その部屋の役割と使い方をよく考えた上で、
どんな窓をどこに配置するべきなのかを
考えながら部屋の配置を決めなければいけません。

そして、それには
周りの家の位置関係が密接に関係してきます。

ということで、家を建てるときは
単純に動線や使い勝手だけではなく、
こういった視点も持ちながら、
土地選びと間取りづくりをしていただければと思います。

鍵を握るのはバランス感覚

「土地は南向きでいい形にした方が良い」
「家は2階建てにしてできるだけ広くしたほうが良い」

これらの考え方は、
多くの方の家づくりのベースとなっているのですが、
この2つを採用すると、家づくりにかかる総コストが
確実に高くなります。
土地と家にかかるコストがいずれも
割高になってしまうからです。

なので、個人的にはこの2つとは
真逆の道の家づくりを、
つまり、できるだけ予算を抑えながら
家を建てる方法を推奨しています。

必要かどうか再考してみる

年々、共働き世帯の数は増えていっていますが、
その結果、奥様は家事と育児と仕事に追われ、
ホッと一息つく間もないくらい
忙しい日々を過ごしているのではないでしょうか。

なので、現在は家事負担が減るような
家づくりが主流となっているし、
リビングダイニングが仕切りなく1つの空間となり、
対面キッチンになっているのも、
実は忙しい女性にとって優しいつくりなんです。

例えば、キッチンがダイニングやリビングの方に
向かっているということは、
ダイニングで勉強する子供の様子を見ながら、
食事の準備や片付けができるということですよね。

また、リビングで遊ぶ子供の様子を見ながら、
食事の準備や片付けもできますよね。

さらに、広々としたリビングで勉強したり、
遊んでる子供たちの様子を見ながら、
取り込んだ洗濯物を畳むこともできます。

つまり、現在では
スタンダードとなっている対面キッチンは、
忙しい現代人にとって「ながら作業」ができる
ベストな形ということですね。

そして、そう考えると
わざわざ洗濯物を畳んだり
アイロンがけをするためだけにつくる「家事室」は、
別段つくる必要もなさそうな気がしませんか?
わずか3帖という広さだとしても、
100万円前後のコストがかかってしまいます。

また、客間(和室)も
本当に必要かどうか考えるべきではないでしょうか。
というのも、そもそもの問題は、
使ってない時間の方が圧倒的に高いからです。

仮に親御さんが泊まることがあるとしても、
年に数回でしょうし、その時もわざわざ客間で
寝なくても、リビングに布団を敷いて寝るか、
おそらく寝室として使っていないであろう子供部屋に
布団を敷いて寝てもらえばいいですよね。

ということで、ざっと大体200万円ほどかかるこの部屋も
本当に必要なのかどうかを再考していただくと
いいのではないかと思っています。

最大と最小のどちらも考える

仮にあなたが子育て真最中だとしたら、
家族の人数が最大か、最大になろうとしている
タイミングで家を建てている状態です。
また、現在の暮らしが賃貸アパートだとしたら
リアルタイムで部屋と収納の少なさに
苦しめられている状態だと思います。

なので、保険的な意味合いも込めて
少しでも広い家を建てたいとお考えになるでしょう。

しかし、やがて子供たちは家を出て行き、
いつかは夫婦だけでそこで暮らすことになります。
つまり、やがて部屋は確実に余るということです。
なので、最大の時のことだけを考えて
家づくりを計画するのではなく、
いつか訪れる最小になるときのことも同時に考えながら、
家づくりを計画してもらえたらと思います。

家の価格も含め物価が上昇しつつある現在は、
こういった合理的な考え方を持っていただくことが
より大事なのではないでしょうか。